「LINE公式アカウント」のPMから学ぶ!PM組織メンバーの強みを活かし、プロダクトを成長させるヒント

今回は、LINEヤフー株式会社(以下、LINEヤフー)でプロダクトマネージャー(以下、PM)とPM組織の本部長を務める門田 勘太朗さん(@kantarock)に仕事内容やキャリア、マイルールなどを伺った。

門田さんは、エンジニア、プロジェクトマネジメント、スクラムマスターの経験を経て、現在はLINEヤフーにてプロダクトマネージャー兼PM組織の本部長を勤めている。また、仕事と並行し法政大学院キャリアデザイン研究科にて、プロダクトマネージャーのキャリアについて研究し、2024年3月に卒業している。

近年経営統合され、会社もプロダクトも大きくなりつつある会社で、LINE公式アカウントが力を入れている課題やその課題に向き合うチームの体制はどのようになっているのだろうか?

また、50〜60人規模のPM組織を束ねる彼が、チームマネジメントにおいて意識していることやミッションを捉えていることとは?大学院で研究したデータを元にしたチームマネジメントの方法なども必読です。

LINEヤフーにてLINE公式アカウントのプロダクトマネージャーを担当

── まずはご自身の仕事について教えてください。

門田:現在、LINEヤフーでプロダクトマネージャーを担当しています。弊社は昨年の10月にLINE株式会社とヤフー株式会社が合併して新しく生まれた会社です。その中でも、LINE公式アカウントのプロダクトマネージャーと、プロダクトマネジメントの組織のリードをしております。

LINE公式アカウントは、企業や著名人、店舗などがユーザーとLINEを通じてコミュニケーションを取るためのツールです。基本的に企業や店舗が情報発信する際に利用するweb・アプリの管理画面を主なプロダクトとしています。

── 組織構成はどのようになっているのでしょうか?

門田:LINE公式アカウントのプロダクトマネージャーチームの本部長としてチームのマネジメントも行っていますが、チームメンバーは50〜60名ほど在籍しています。

私が旧LINE株式会社に転職した2018年の夏頃は、LINE公式アカウントの企画組織は10名程のチームでした。そこで大規模なリニューアルプロジェクトに取り組み始め、料金体系やプラットフォームの根本的な見直しを1年間かけて実施しました。そこからプロダクトは拡大フェーズに移行し、チームの規模も20名ほどに増えていきました。

その後、LINE公式アカウント自体の機能が多岐にわたり、問い合わせが増えるにつれて、オペレーションや戦略を専門とするチームも含め、徐々に人員を増やしていきました。さらにLINE公式アカウントと連携する周辺プロダクトとの組織合体もあり、組織は30〜40名ほどに拡大しました。

現在はtoBe向けのプラットフォームをスコープとし、ユーザーターゲットを広げることとなり、50〜60名ほどの組織まで大きくなりました。

ミッションは「最高のコミュニケーション体験を実現すること」

── LINE公式アカウントのプロダクトビジョンについて教えてください。

門田:LINE公式アカウントのプロダクトビジョンは「あらゆる人々にファンを作れるプラットフォームを提供する」ミッションは「最高のコミュニケーション体験を実現すること」と定義しています。

これまでは企業や店舗と消費者の間では一定の距離感がありましたが、LINE公式アカウントのテキストチャット、ボイスコミュニケーションなどの手段を通じてライトで直接的な繋がりを作っていくことができたらと思い、日々プロダクトマネジメントに取り組んでいます。

── 門田さん自身とプロダクト・組織との接点について教えてください。

門田:実は私は元々人見知りで、直接人とコミュニケーションを取ろうとすると緊張してしまうんですが、テキストだとうまいこと表現できるタイプなんです。飲食店に予約の電話をするのもとっても苦手なんですが、LINE上で予約できるってのは自分の人生にも好影響があると感じています。

組織運営の面では、組織の拡大に伴いピープルマネジメントや組織開発を自分のミッションとして考えています。組織運営していく上では、リーダーの限界が組織の限界にならないように、組織全体が各個人の個性やアイデアを活かせる環境を実現していくことをポリシーとしています。リーダーの限界に頼ってしまうと、単純にアイデアや物事の捉え方が狭くなってしまいますし、リーダーも死ぬほど努力を続けていかないとなかなかプロダクトが成長していかないという状態に陥ってしまうと思うので。

組織運営についてはチームを任されるようになってから考えるようになった視点ではあるものの、プロダクトとしても大きな規模になり、それを担う組織も大きくなってきつつある中では両方とも意識しながら頑張っています。

── LINE公式アカウントのプロダクト課題と解決策について教えてください。

門田:LINE公式アカウントの主な課題はオンボーディングのプロセスだと思います。企業とユーザーのコミュニケーションを強みとしているプロダクトなのですが、そこまで辿り着いてもらうための初期段階でオーナーさんに負荷がかかってしまうこともあります。LINE公式アカウントを立ち上げ、友だち追加をしてもらいエンドユーザーを増やし、コミュニケーションがとれる土台を作るまでを順調に進められるかが重要なんですよね。

チームとしてもオンボーディング機能を重視し、数年間かけて取り組んできました。UXの最適化を進めつつ、エンドユーザーが企業や店舗のLINE公式アカウントを見つけやすいように、各種メディアやサービスを通じて出会いの機会を増やす取り組みを行いました。例えば、店舗がQRコードやポスターを使ってLINE公式アカウントを宣伝できるようにサポートを提供するなどです。

また、昨年は旧ヤフー株式会社と合併もしましたので、これを機にYahoo! JAPANのサービスも活用し、より多くのユーザーにLINE公式アカウントを知ってもらえればと考えています。

── オンボーディングのプロセス改善について、もう少し詳しく教えていただけますか?

門田:具体的に行ったこととしてはシンプルで、ガイドやナビゲーションの充実を図りました。LINE公式アカウントの登録後にやるべきことや手順がサイトやアプリに表示され、実行することで自然と友だち追加数が増えていくような世界観を目指し、定性インタビューを解析するなどして取り組みました。

数年前は当社の方針でLINE公式アカウントのメインターゲットを大手企業としていたので、営業担当がいる前提でコンサルっぽくアプローチすることを前提として企画を考えていたこともありました。ですが、その後体制が大きくなる中で「世の中をLINE公式アカウントでいっぱいにしよう」というスローガンのようなものが生まれたんです。その上で、改めてお店や会社が自身でプロダクト上でオンボーディングを完結できるようにするためにガイドやナビゲーションを充実させていきました。

取り組み前は、LINE公式アカウントを開設してもうまく使いこなせないままで終わってしまう企業・店舗の割合が多かったのですが、改善しました。何より、LINE公式アカウントは従量課金制なので、開設後ヘビーユーザーになってくれる方が増えることで、サービスとしての貢献も結構できたんじゃないかと感じています。

── Yahoo! JAPANのサービスを活用したLINE公式アカウントの展開についても聞かせていただけますか?

門田:Yahoo! JAPANの検索画面などでお店を調べるタイミングにLINE公式アカウントを表示させ、友だち追加を促し、お店とリアルタイムでやり取りできるような流れを作ろうとしています。

現在は、来店したときにLINE公式アカウントをいかに友だち追加してもらうかが鍵で、その後のリピート率に繋げることが主な目的だったのですが、今後は初回来店の接点としてLINE公式アカウントを活用してもらおうという動きもあります。

少しマーケ領域に似たアプローチですが、QRコード生成機能やポスター機能は私たち担当の領域になっているため、他部署との連携をしつつ、自分で店舗に赴いたり、インタビューしたりしながら企画設計しています。

チームメンバーの強みを活かしながら、スキルバランスを調整しながらプロダクトに落とし込んでいく

── プロダクトマネジメントトライアングルを基に、具体的な業務範囲を教えてください。

出典:The Product Management Triangle

門田:どこも一緒かもしれないんですが、結局これらのスキルバランスをどう取るかが一番重要であると思っています。今自分が担当しているプロダクトだと、開発も開発組織が別でありますし、ビジネスの数字に責任を持つ組織も別にいます。その中で、それぞれのやりたいことやニーズを最適な判断をしていくっていうのが自分のミッションになっていると思います。

ですので、全部関わりを持ってスペシャリストと連携しつつ、プロダクトに落とし込んでいく感じです。組織の中には、デザイナー出身・エンジニア出身・ビジネス部門出身などの人も結構いて、それぞれ強みがあるんです。その強みを活かして、弱い部分は周りから助けてもらいながら一気に進行していくっていうのが大きいですね。ステークホルダーも多いので、プロジェクトマネジメントみたいな軸が比較的強い組織になっているかもしれないです。

── では、ステークホルダーとの交渉や合意形成を得ていくスタンスがベースとしてあった方がLINEヤフーにおけるプロダクトマネージャーとして活躍できるんでしょうか?

門田:そうですね。ある程度の規模の企画を進行していくうえでは、結構ステークホルダーマネジメントが必要になってくると思います。

よく「社内政治」と表現されることもあるかもしれないんですが、あくまでも企画に関係する人たちが相手なので、やりたいことを実現するために必要なコミュニケーションだと思っています。

── 企画からリリースまでのプロセスについて聞かせてください。

門田:企画創出については、特に具体的な型やこだわりはありません。大きなテーマやビジョン、売上、ユーザーインタビューの声などきっかけは色々とあります。そこから企画者が思いついたやりたいことを絵や文字にして具体化していく中で、開発チームやビジネス組織と壁打ちしたりして要件定義書を作成します。そこから開発コミュニケーションしながら、一気にリリース計画を立ててリリースまで持っていくようなスタイルになっています。細かい案件一つひとつで承認が必要ということはありませんが、影響する部署や隣接するプロダクト、サービスがある場合は、進行するプロダクトマネージャーの責任で連携していくという感じです。上位調整やPros & Consが発生した時などの相談・ジャッジが必要な場合はエスカレーションすることもありますが、基本的には企画の大枠がずれてなければ、そのまま進行していく流れになっています。

この規模のプロダクト・組織にしては自由度が高い方かなとは思っています。ただ、その分強い思いを持って進行しようと思わないと開発チームやビジネスチームがついてきてくれないといった状況に繋がるので、周りが色々とやってくれるようなことは少ないかもしれません。

── 特定の機能や領域ごとにプロジェクトマネージャーが複数名配置されることはありますか?

門田:そうですね。基本的には機能で領域を分けていることが多いんですが、その中で複雑な機能の場合は、3〜4人のプロジェクトマネージャーが共同で担当することもあります。横断的なプロジェクトの場合など、多方面から機能や領域を分けています。

開発メンバーやデザイナーも機能ごとに担当が割り当てられていて、上層で一定マネジメントしながらではありますが、企画が要件定義したものをチームに接続して進行していくような仕組みになっています。

「ドラえもんを作りたい」とエンジニアに興味を持ち、多くの開発経験を経てLINEのプロダクトマネージャーに転向

── 続いて、これまでのキャリアについて教えてください。

株式会社NTTデータ

門田:学生時代は文系だったので、同級生は金融系に就職することが多かったです。そんな中で「ITで何かを実現したい」という思いが強かったんです。「ドラえもんを作りたい」と主張していました(笑)趣味でホームページを作っていたのもあり、エンジニアリングやITに興味を持ってNTTデータというSIerに入社しました。

NTTデータは最初からプロジェクトマネジメントが経験できる環境だったのですが「エンジニアリングがやれるところに行きたい」とお願いして、最初3〜4年はエンジニアとしてソースコードを徹夜で書き続けるようなことをしていました。

そこから徐々にプロジェクトマネジメントやアジャイルのスクラムマスターでプロセスを学んだり、大規模なオフショア開発を経験したりと、web開発でのHowのようなところは一通り経験してキャリア形成しました。

LINE株式会社(現:LINEヤフー株式会社)

門田:NTTデータでバグのない品質の良いものを作るスキルを磨いていく中で、徐々に「何をどう作るか」よりも「何を・なんで・誰のために」の方向性に興味が湧いてきたんです。ドラえもんって誰のために作られたんだろうとか(笑)そこから企画職や事業側に興味が広がり転職することになりました。当時のお客さんの中で仲良くさせていただいていた方が旧LINE社にいたので、お誘いいただき入社しました。得意だったプロジェクトマネジメントスキルを活かしつつ、企画を学べるポジションがいいと思い大きめのプロダクトに入りました。そこから5〜6年かけて企画を学んだり、組織を大きくしてきたりを経て今に至ります。

── PMチームの本部長を任されるようになったターニングポイントはあったのでしょうか?

門田:いくつかあったと思います。前職で働いているときの私はだいぶ尖ってたんです。リーダーになった時も、基本全部自分でやれるし、問題が起きたら自分が手を動かせばいいみたいな時代がありました。結果として大きな規模のプロジェクトを任されたときにはうまくいかず、自分の限界がチームの限界になってしまっていることに気づいたんです。ただリーダーが大変なだけだし、結果期待値を満たせなかった場合はプロジェクトとしても失敗するということを身をもって経験しました。

そこからだいぶ考え方を変えて、リーダーにとってはチームメンバーが楽しく働き、一人ひとりがスキルを活かして組織全体としての成果を最大化できるための方法を考えることの方が価値があるんだなと思うようになりました。これが一番大きなきっかけだと思います。今の組織作りの根底にも生かされていると思っています。

旧LINEに入社してからは、今お話したようなチームで最大の価値を創出するような考えをもって動いていたのがメンバーにはまったのかなと思います。チームメンバーが楽しそうに企画を出している時期は自然と成果もついてきているなと感じていましたね。自分が担当したプロダクトが成長したことに対して評価されたというのはあるんですが、それが自分が頑張ったからなのか、プロダクトとして良かったのかはあんまり偉そうに語ることはできないですね。ラッキーな要素もあるんだろうとも思いつつ、その中でステークホルダーマネジメントとかは得意なりにしっかりやってこれたと思うので、そこから透明化や信頼獲得に繋がったのかなとは思いますね。何が評価されたんでしょうね。誰かに教えて欲しいくらいわかんないです(笑)

── 法政大学院でプロダクトマネージャーのキャリアについて研究されたとのことですが、その期間や研究の内容について教えていただけますか?

門田:プロダクトマネージャーって日本だと職種としてまだ新しいので、ベストなキャリア例が少なかったり、現場によって定義も大きく違ったりしていると思います。その中で、どんなプロダクトマネージャーが活躍しているのか、その人はどういう経験を経て、どういう考え方を持っているのかというのを研究したくて。これは2024年の3月に提出した修士論文のテーマにもなってます。

壮大な成果物を期待されるかもしれないんですが、このテーマはとても難しくて苦労しました(笑)日本だと、終身雇用制時代の流れもあって、現場や組織に最適な形のプロダクトマネージャーが定義されていたりするので、一概に職種として切るのは相当難しくて。

2年間の研究の中でいうと、自分のいるLINEヤフーの現場の中で成功するパターンや、共通する経験や考え方について研究した感じです。とても楽しかったですけど、辛くもありました。本部長をやりながらでもあったので、主に夜研究をしていましたね。

このテーマに興味を持った経緯として、自分のチームの新卒のメンバーに「プロダクトマネージャーとして活躍してる人は中途入社で前職のキャリアや経験を活かして活躍しているけど、新卒で入った自分はどうしたらいいんだ」といった質問を受けたんです。これは答えるのがめっちゃ難しいなと思い、研究してみようと思ったんですよね。

研究を終えた今でも、プロダクトマネージャーとして切り分けることの意義や定義ってやっぱり難しいなと感じます。実際にプロダクトマネージャーって表現しなくても、プロダクトマネージメントやってるところはいっぱいありますし。研究は一旦終わりましたが、今後も自分の組織の評価や人材定義にも直接関わると思うので、プロダクトマネージャーについて考えていくことを続けていきたいと思いますね。単純に、世の中のプロダクトマネージャーと呼ばれる方々のお話を聞いているのも楽しいです。中にはプロダクトマネージャーと定義しない方がいいという考えの方もいて、どうあるべきなのか考えさせられますね。何よりプロダクトマネージャーという名前に踊らせられるような形は避けたいと思ってます。

ステークホルダーとの連携を武器に、ビジョンを明確に伝え、チームメンバーを導く

出典:https://www.ravi-mehta.com/product-manager-skills/

── 続いて、12PMコンピテンシーを用いて、門田さんのスキルや強みについて掘り下げていきたいと思います。特に強みと感じているコンピテンシーはありますか?

門田:Influencing Peopleの領域が強みになってくるかなと思います。正直ここは自然と意識していたというのが大きいですね。もともと、企画に対して全然本質的じゃないところで止められたり、進まなくなったりする状況が非常にストレスになるタイプでした。とはいえ、周辺部署や上司、経営層だからこその目線があるわけで。理解せずに止められちゃって愚痴を言っているのが一番かっこ悪いなという思いがあり、本部長になる前からどうしたらスムーズに進行できるかを常に意識していました。自分のレイヤーの横の方々や、自分の上斜めの人たちがどんなことを大事にしていて、どうやったら企画が通るのかについての感性を磨くことを日々意識して仕事に取り組んでいたと思います。その人たちが発信するメッセージや、ふとした瞬間のつぶやき、会議で発言したことを記憶しておいて、気にしそうなポイントを意識しながら日々動かしていたというのがあります。

最初お話した「リーダーの限界を組織の限界にしない」という話の中で、メンバーが出してくれる素敵な企画や、情熱を持ってやりたいと思っていることがどうやったら進むんだろう?そしたらこの人は楽しいよな、楽しい方が結果出るよな、みたいな考えが根底にあったのかなと思います。

── その他のスキルはどのように習得されたのでしょうか?

門田:Product Executionのデリバリーについては、単純に経験してきたプロジェクトの数の影響が大きいと思っています。前職でプロジェクトマネジメントのプロセスや、Howのところを最適化することをミッションとして10年近くやっていたので、PMBOK等に始まりウォーターフォール、スクラム開発など、いろんなHowを実際それぞれ2年以上は経験してきました。その中で、振り返りや内省を繰り返してきて、自分の体に染み付いていますね。

Product Strategyの領域は今の立場になってから徐々に身についてきたと思います。ある程度の人数を率いて同じ方向に向かうとなると、進む方向を示すのが一番大切だと思っているので、ビジョンやロードマップは必要になってきます。また、戦略理解や目標管理もビジョンやロードマップを掲げるうえで、情報を集めて咀嚼して自分の言葉で伝えることを意識しながら日々発信しようと心がけてきたかなと思っています。
ビジョンやロードマップを伝えるときは、とにかく「細かいことは置いておいてこっちへ行くぞ」というスタンスでやっています。実は私、綺麗な図を描くのが苦手で、自分からメッセージングする時はパワポのど真ん中に大きく7文字ぐらいの言葉を書くしかやらないんです。こっちの方向へ行くぞっていうのをドンと伝えて、図示化やデザインが得意な人たちのサポートをもらいながら具体化していくところはメンバーたちと一緒に行うことが多いです。

マイルールは、「自分のテンションが上がることに取り組む」

── 大切にしているマイルールを教えてください。

門田:組織運営の領域でいうと、自分のテンションが上がることをやっていきたいと思っています。表現がちょっと難しいんですが、自分が「面白そうだな」「楽しいな」と思えることをやっていると、結局自分ごと化できると思います。自分ごと化ってテンションが上がるかどうかの話だと思うんですよね。「それ自体面白そう」でも「この人たちと働くの面白そう」でも、きっかけは何でもいいと思うんですが、テンションが上がっている状態に自分の身を置くことが大事であるとチームメンバーにも言ってますね。

── 門田さんにとって最近テンションが上がっているテーマは何ですか?

門田:自分の担当しているプロダクトは結構プラットフォーム型で規模が大きいので、どうしても詐欺などの悪用事例が出てきてしまうこともあるんです。最近は世間で話題になっているのもあるんですが、そういった悪用をプロダクトの力で排除し利用者を守ることにテンションが上がっています。最近はこれらの取り組みに自分自身の企画のリソースを投下している気がします。昔、自分の親族が詐欺被害にあいかけたこともあって、詐欺などに対する嫌悪感が強いんですよね。

具体的な対策として、正しく利用している方が詐欺に引っかからないように注意喚起をしたり、利用者の審査やモニタリングの精度を上げたりする活動にちゃんとリソースを使おうと思っています。安心安全なプラットフォームである前提で、ユーザーにとっての価値やビジネス価値が生まれてくると思うので、こういった根幹のところが揺るがないように意識していますね。

チームの最小単位は人であり心。メンバーの声を積極的に聞いて一人ひとりが楽しく働ける環境を作る

── いいチームを作るために工夫されていることはありますか?

門田:チームとか組織の最小単位は人であり、心だと思っているので、正直正解は分からないです(笑)ただ、最終的にはチームメンバーが一人ひとりのテンションが上がっている状態であればいいチームで、ネガティブなことにも向き合って一致団結し楽しく働いていけるんだと思い、メンバーにも呼びかけています。もちろん1on1も定期的にやりますし、会社が合併して情報の流れが止まっているという話を聞いたときは、毎週自分が得た情報をとにかく垂れ流す時間を作るようなこともします。

プロダクトを作るとき、ユーザーインタビューをして課題を解決のためにプロダクト改善に取り込むのと同じように、組織を作るのも属しているメンバーをユーザーだと捉えて声をなるべく拾えるようにしていますね。「組織」というプロダクトをうまく回すために、日々つぶやいてるSlackを覗いて、不満を抱えていそうだなと思ったら、どんなことに困っているのか拾いに行って、何か手を打つといった流れを細かく繰り返している感じです。

荒い段階で多方面から意見をもらい、視野を広げることが企画のポイント

── 質の高い企画や課題に対して筋のいい打ち手を生み出すために、意識して取り組まれていることはありますか?

門田:意図して工夫してきたということでもないんですが、思いついたことを表現したうえで、いろんなところに晒して企画の仲間や開発メンバーに読んでもらえるような状況を作り、多方面の目線からのフィードバックをもらう文化があるチームだと思っています。「これ、なんでやるんでしたっけ?」といった意見も全然出てくるので、自分なりに答えを持ってなきゃいけないです。反対意見とかも出てくると思うんですが、そういった意見を突破することも場合によっては大切になるので、違う意見をもらえる環境を作るのが大事だと思いますね。チームの内々だけでやり続けるのも最初は良いと思うんですが、多様なものに触れていっていろんな目線の意見をもらった方が単純に視野が広がっていくのかなとは思っています。

怒られることや、変だと思われることを避けて嫌がる人もいると思います。気持ちはわかるんですが、結局企画の質を高めるためにはそういった状況を乗り越える必要があるのかなと思いますね。自分自身も過去嫌だなと思っていた時期もありましたが、スーパー粗い状態、それこそ三行ぐらいの「こんなことをやりたいんですよ」の状態で見せまくることをやっていました。そうすると、一緒にアイデア出しをやってくれるので、話しながら具現化していくというアプローチをとっていました。指摘されたくないからと完璧に持っていきすぎると、どこか一行のロジックが違っただけで他が崩壊していき、それで凹むんだろうなと思っていますね。そのため、コアで解決したいこと、やりたいことはこれです、程度の段階で相談するようなことは結構自分でも徹底していると思います。作り切ったあとに直すのが面倒臭いっていうのもあるんですけど(笑)

門田さんからのおすすめ本

── プロダクトマネージャーにおすすめの本がありましたらご紹介お願いします!

門田:プロダクト論として好きなのは「ラディカル・プロダクト・シンキング」です。プロダクトにおけるビジョンを考えることの大事さや、ビジョンをどうやって使うのかについて書かれています。本の中に「ビジョン負債」という言葉が出てくるんです。例えば短期的にお金を稼ぐために、少しビジョンと違うジャッジをするようなことを指すんですが「技術負債があるならビジョン負債も確かにあるよな」と納得感のある本だなと思っています。たまに言葉を引用することもあります。プロダクト論って、人によってそれぞれあると思うんですが「なんか俺はこれがいいと思う」ではなく、ちゃんとメンバーに伝わる言葉にしないと、なかなかしんどい時も来るかなと思っています。そういった意味でも、一番この本の言葉を引用しています。

もう一つ違う方向性から紹介しますね。プロダクトマネージャーのキャリアについて研究した中で「素敵なプロダクトマネージャーは内省力が高い」というのを私の論文では語っているんです。プロダクトマネージャーの職責が広いからこそ、自分が何が得意で何が苦手か、どういったコミュニケーションスタイルが得意なのかを内省して、うまく活用できる人が結局ステークホルダーマネジメントができてメンバーを巻き込めると考えています。そこで自分に内省を促す本として、お笑い芸人オードリーの若林さんが書いている本がおすすめです。若林さんの本は全体的にただ、ひたすら内省している本が多いんです。読んでいると、同じ行動で「こんなことを考えるんだな」「自分だとどう考えるんだろう」という感じで刺激になって好きです。
特に「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」は、若林さんが一人でキューバ旅行に行った時に感じたことを書いてる本なんですが、めちゃめちゃおすすめです。プロダクトとは全然関係ないですが、内省に繋がるので読んでもらえたら嬉しいです。

最後に

門田さんのお話はいかがでしたか?

感想や得られた気付き、気になったフレーズがありましたら、「#GrantyPM」を付けてツイートしてみてください!

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