今回は、ZOZOでプロダクトマネージャー(以下、PM)を務める福岡 明彦さん(@AkihikoFukuoka)に仕事内容やキャリア、マイルールなどを伺った。
福岡さんは、エムティーアイでの企画営業からキャリアをスタートし、クックパッドでの新規事業立ち上げやおいしい健康の創業期を経験し、現在ZOZOでファッションコーディネートアプリ「WEAR」とショップスタッフの販売サポートツール「FAANS」のPM組織の部長を担っている。
様々な事業ドメインでの新規事業経験で培ったビジネス視点とクックパッド社のユーザーファーストな文化から学んだユーザー視点を強みにWEARのプロダクトマネジメントに向き合う姿勢や、新規プロダクトFAANSを立ち上げてPM組織化を実行してきたお話は学びになるはず。
ぜひこの記事から、顧客提供価値と事業価値の最大化のヒントを学んで欲しい!
この記事は100人100色のプロダクトマネージャーのリアルを知るためのインタビュー記事「PdM Voice」の連載第45回目の記事である。
目次
ZOZOで「WEAR」「FAANS」のPMを務める
── まずはご自身の仕事について教えてください。
福岡:株式会社ZOZOでファッションコーディネートアプリ「WEAR」とショップスタッフの販売サポートツール「FAANS」のプロダクトマネージャーを務めています。
WEARは、日本で最大級のファッションコーディネートアプリとして、1,600万件以上ダウンロードされています。
ファッションインフルエンサーさんやWEAR公認の人気ユーザー「WEARISTA(ウェアリスタ)」をはじめ、ショップスタッフさんや一般ユーザーさんなど多くのユーザーさんが日々コーディネートを投稿しており、投稿枚数は1,400万件以上にのぼります。2023年10月31日に、サービス開始から10年を迎えました。
一方で、FAANSは、ZOZOTOWNとブランド実店舗をつなぐOMOプラットフォーム「ZOZOMO」で展開するサービスの1つとして2022年8月に正式ローンチしました。FAANSでは、ショップスタッフさんが自社ECサイトやWEARへコーディネートを同時投稿することができ、投稿したコーディネート経由の成果も確認できる機能のほか、
ZOZOTOWNのユーザーさんがZOZOTOWN上でブランド実店舗の在庫取り置きを希望した際に、ショップスタッフさんがFAANS上での簡単操作で取り置き対応を完結できる機能を導入しています。このような機能を通じて、ECでお買い物を楽しまれるユーザーさんとショップスタッフさんの新たな接点を創出しています。
アパレルリテールテックサービスとしてファッション業界の新しい仕事道具となることを目指してサービスを運営しています。
様々なドメインでの新規事業立ち上げを経験してZOZOで初めてPMになった
── 続いて、これまでのキャリアについて教えてください。
福岡:
1社目(新卒入社):株式会社エムティーアイ
1社目はエムティーアイという会社に、音楽配信サイト「music.jp」の企画営業として入社しました。
まだガラケーも少し残りつつ、スマートフォンに移り変わっているような時代で、エムティーアイは、music.jpやルナルナ、占い系サイト、天気系サービスなど様々なドメインでの月額サービスを展開していました。
入社後は、music.jpの新規音楽関連事業の立ち上げ・推進に関わり、企画だけでなく、法人営業など様々な経験をさせてもらいました。
その後、各キャリアとのアライアンスを担当し、エムティーアイの主要サービスとキャリアをあらゆる面でつなぐ仕事をしていました。当時だと、キャリアが提供する定額でのアプリ取り放題サービスへの自社サービスの導入営業や、売上拡大の促進など重要な役割を任せてもらい、ビジネスマインドや社外の取引先とのパートナーシップに関する経験を積むことができました。
2社目:クックパッド株式会社
次に、ご縁があってクックパッドに入社しました。
1社目の知見を活かして、さらに大きなビシネスにチャレンジできるという魅力があったことに加え、衣食住の食に関わるサービスで、多くのユーザーさんに使われているプロダクトはどうやって開発されているのだろうか、日々の生活に欠かせないプロダクトはどのように運営されているのだろうかという疑問があり、自身も関わってみたいという思いがありました。
ビジネス開発を担当し、「クックパッド」の資産を活かした新規事業の立ち上げ、推進および外部企業とのアライアンスが主な業務でした。
ビジネス開発の経験も当然積むことができたのですが、それ以上にユーザーファーストの精神を鍛えられた気がします。「本当にこれで毎日の料理が楽しくなるのか?」「本当にこれがユーザーファーストなのか?」が、当時のクックパッドのみんなの口癖のような感じでした。また、事業も急成長していたタイミングで、貴重な経験ができました。
3社目:株式会社おいしい健康
その後、クックパッドからのMBOによって設立された、ヘルスケアスタートアップのおいしい健康の創業期にジョインしました。
20代のうちにベンチャー企業でのチャレンジを望んでいたこともあり、ご縁があって飛び込みました。
「本当に何でもやるんだな」と思いながら、何でもやっていました。これまでの経験が長かったビジネス開発をはじめ、「くらしのきほん」というWebメディアの運営、「おいしい健康」の管理栄養士さんのレシピコンテンツの制作管理、営業チームが受注したクライアント案件のディレクション、管理栄養士・編集者が集まるチームのマネジメント、ときには社員の名刺発注まで、とにかく目の前の課題解決や穴埋めを、社員みんなで協力しながらなんでもやっていた記憶があります。
ここでは、当時上司であったクリエイティブディレクターの方から、人に感動を届けるコンテンツ・クリエイティブとはどんなものか?というような感性的な部分を学べたことが自分にとって大きな価値となりました。本当にたくさんのことを学ぶことができ、とても感謝しています。今でも尊敬している大人の1人です。
4社目:株式会社ZOZOテクノロジーズ / 株式会社ZOZO
そして、4社目となりますが、自分が熱中できる領域で大きなチャレンジがしたいという気持ちが強くなり、衣食住の中で「衣」が未知の領域だったことに加え、自身の経験を活かせて大きなチャレンジができる可能性があると感じて、ZOZOテクノロジーズ(当時)に入社しました。
他の企業に入る気はなかったので1社のみですが、初めて普通に転職活動を行いました。
新規事業プロデューサーというポジションでの入社でしたが、当時代表取締役CINOだった金山さんがメディアの取材でPMがいないという発信をしており、興味を持ったことを覚えています。
入社後PMチームに配属になり、AIを活用した案件の推進等を担当していましたが、入社して数ヶ月後のタイミングで、ヤフー(当時)グループ入りのニュースが出て、ヤフーサービスとの連携プロジェクトにもアサインしてもらい、様々なプロジェクトにコミットして取り組んでいました。
その後、当時の役員に一緒にやってくれないかと声をかけてもらい、WEARのプロダクトマネージャーを務めることになりました。
WEARのコーディネート投稿に、クックパッドのレシピ投稿との親和性を感じて、これに関わるのも運命かなと思いました。
それ以前は、社内にプロダクトマネージャーのロールは存在していなかったのですが、ロールを当時のPMチームで定義し、採用においてもプロダクトマネージャーとして募集するようになりました。
また、同時に新規プロダクトであるFAANSの立ち上げも担当し、現在はWEARとFAANSのPM組織の部長を務めています。
ミッションは、顧客提供価値と事業価値の最大化
── 所属組織におけるPMのミッションは何でしょうか?
福岡:会社全体として定義されたものではないのですが、私がチームメンバーに対してミッションとして伝えていることをお話しします。
プロダクト戦略を実行に移し、顧客提供価値と事業価値の最大化を目指すことを強調しています。
とにかくWEARとFAANSのために、ユーザーやビジネスゴールのために、物事を前に進め、何でもやる意識で課題解決し、突破していくことへの意識付けを行っています。
プロダクトのフェーズや組織の状況に応じて、PM組織の役割は変わりますが、現在の状況を踏まえてこのようにしています。
その上で、WEARのPMとしては、ファッションデータを活用して、ファッションに自信のない方や、何を着たら良いか分からない方々の悩みを解決し、ファッションを楽しむ体験を提供することに焦点を当てています。
これを実現するために、戦略上必要な機能開発に加え、ユーザーリサーチによる定性データや日々の定量データを参考にしながら、課題発見とプロダクト改善を推進してきました。
得意な領域は、ユーザー視点とビジネス視点のバランス
── PMとして得意な領域について教えてください。
福岡:多様な情報と知見を活用して、プロダクトを客観的に見て、あるべき姿をイメージしながら、エンジニアチームやデザイナーチームと協力し、ユーザー視点とビジネス視点のバランスをとりながらプロダクトをマネジメントすることが得意でもあり、意識していることです。
プロダクトマネージャーと意識して働くのはZOZOに入社してからですが、エンタメ×IT、食×IT、ヘルスケア×IT、暮らし×IT、ファッション×ITといったように、多様なドメインのプロダクトに関わってきていること、また、レシピ投稿のクックパッドとコーディネート投稿のWEARという領域は異なるものの、大きなCGMプロダクトに関わってプロダクト開発や事業開発に深く関わってやってきたPMは周囲を見渡しても自分だけじゃないかと思っているので、そこで得た知見と経験を活かしてプロダクトマネジメントするところは強みだと思っています。
── PMとして自慢できる実績はありますか?
福岡:ZOZOで新規アプリのFAANSを立ち上げたことは自分の中で思い出深い仕事です。
これは役員と話しながら企画書を作成し、自らFigmaで簡易的なモックを作り、スピード重視で、かつZOZOの戦略も意識しながら進めました。頼りになる開発責任者をアサインしてもらい、社内外で協力者を探し、少数精鋭で開発を進めながら、ブランド様にβ版を使っていただくための営業を行い、主要ユーザーであるショップスタッフさんからのフィードバックを直接受けながら改善して正式リリースを迎えることができました。
今では、0から採用したFAANSのPMチームも頼りになるチームになっています。PMとしてのtoBプロダクト開発経験と、PM組織づくりも同時に行うことができたので、思い出深い経験ができました。
もちろん、同時期にFAANSだけでなく、WEARのPMを務めながら、WEARのPMチームマネジメントもしていました。
── プロダクトマネジメントトライアングルを元に、具体的な業務範囲を教えてください。
福岡:マインドとしては、このトライアングルで足りないと感じる部分を補うことを意識していますが、主には顧客とビジネスを繋ぐ領域の業務に現在は比重を置いており、マーケティング、パートナーシップ、ビジネスディベロップメントに関連する動きを意識しながら、ビジネスと開発者を繋ぐ領域での社内外調整・プロジェクトマネジメントを実施しています。開発者とビジネスを繋ぐ領域の社内外調整や、プロダクト仕様の検討においては、Whyから考えることにしっかりと向き合えるように、細かな仕様の検討と意識決定、プロジェクトマネジメントやデリバリーして改善していくプロセスは所属組織のPMが中心となって担ってきました。
クックパッドで学んだ戦略理解とステークホルダーとの関係性
── 続いて、12PMコンピテンシーを用いて、福岡さんのスキルや強みについて掘り下げていきたいと思います。このフレームワークに基づいて福岡さんには事前に自己評価いただいたところ、Product StrategyやInfluencing Peopleが最も高い結果となりましたが、強みはこのあたりでしょうか?
福岡:そうですね、その中でも、特に戦略理解は意識してやってきているかと思います。
クックパッドでの経験が大きいと感じています。当時、多角化を戦略として掲げ、料理やレシピだけでなく、生活分野までサービスを広げており、収益面でも別の柱を立てることにチャレンジしていました。その戦略と背景をしっかり理解した上で、実行計画に落とし込んで実現に向けて進めることにコミットしてやっていました。
また、この観点は、ZOZOにおいても同様で、ZOZOの向かおうとしている先を意識しながら日々PMチームをまとめて業務遂行しています。
── ZOZOでの取り組み方について詳しく教えていただけますか?
福岡:経営戦略に「MORE FASHION × FASHION TECH ~ ワクワクできる『似合う』を届ける ~」を掲げていますが、この言葉と、掲げられた背景をちゃんと意識してプロダクト方針や、ロードマップについて関係者と話しながら進めていくようにしています。具体的な話ができず、抽象的な表現になりますが、WEARとFAANSのプロダクト方針を、経営方針としっかり一致させるようなイメージです。
── 他のスキルについてはいかがでしょうか?能力開発に繋がったご経験があれば教えてください。
福岡:ステークホルダーとの関係構築、コミュニケーションについてはPMの最も大事なスキルの1つだと思いますが、様々な関係者がいる中で上手くやれているのは、これまで働いてきた会社で環境を変えながら、社内外様々な方と頻繁にコミュニケーションを取ってきたからこそやれているのではないかと思います。
各ステークホルダーが、何を考えているかや、どのような目標を持っているかについて想像しながらコミュニケーションを取ったり、情報の可視化、ドキュメント化をできる限り丁寧にしながら、物事を前に進めるようにしています。
なお、これらの観点もクックパッドで学んだことが大きいです。
当時担当していたプロジェクトで広報担当者から「それで本当に毎日の料理が楽しくなるのか?」というフィードバックを受けることがありました。
この経験から、ステークホルダーが何を考え日々仕事をしているかということや、会社が目指すビジョンや理念を大事にしながら、事業を作ってビジネスを成功させていくことをやらなきゃいけないと身を持って学びました。
課題は、1,400万以上の投稿データを用いてファッションの悩みを解決すること
── 現在、向き合っているプロダクト課題は何ですか?また、どのように解決しようとされていますか?
福岡:WEARのプロダクトとしてのミッションは、ファッションデータを集めて人々のファッションの悩みを解決することです。
プロダクト上の課題としては、多くのファッションデータが集まっていますが、それがファッションに悩みを持つユーザーさんに十分届いているか、という点です。
1,400万以上のコーディネート投稿データがあるので、様々なファッションの悩みの解決に繋がるデータが必ずあると思っていて、効果的にマッチングさせることで、不安を感じている人を助け、ファッションの楽しさを感じてもらうことができると考えています。
例えば、低身長で着こなしに悩んでいるユーザーさんに、WEARの中で低身長でファッションを楽しんでいる投稿ユーザーさんのコーディネートを届けていくなど、WEARがそういった役割を果たすことが大切だと思っています。
この10年間でWEARがあったからファッションが楽しくなったとか、大好きなファッションで仕事ができるようになったとか、ファッションインフルエンサーになることができたといったように人生が変わるような体験をしてきたユーザーさんは多いので、これからもどんどん増やしていきたいです。
── WEARがあったから大好きなファッションで仕事ができるようになったというのはどういうことでしょうか?
福岡:WEARを利用することで公認ユーザー「WEARISTA」になって、更にファンがついて有名になり、自身のブランドを立ち上げ、ZOZOTOWNで販売するようになった方たちがいます。
WEARでは「この投稿者の服の組み合わせや、コーデの雰囲気が好き」というような、ファッションの着こなしからファンがつく傾向にあるので、ファッションが大好きで楽しんでいる人には、WEARをきっかけにファッション業界で活躍してほしいなと思います。
マイルールは、当事者意識と後悔しないようにやり切ること
── 大切にしているマイルールを教えてください。
福岡:当事者意識を持つことを非常に重要視しています。
自分がやるという意志や自責のマインドがないとプロダクトマネージャーは務まらないと思っています。穴を埋めたり、ボールを拾うことなどをPMが中心となって行い、事業・プロダクトの成長を促進していきたいと考えています。
また、後悔しないようにやり切ることもマイルールです。
これらは、PM組織のメンバーにも伝えています。
── この考えを持つきっかけはありますか?幼少期からの価値観によるものでしょうか?
福岡:当事者意識を持つことは、幼少期から形成された価値観の一部だと思います。サッカーでミッドフィルダーのポジションをしていた経験も影響していると考えており、戦況をみながら全体を俯瞰して何をすべきかを考え、自分が動かなければならないという責任感を持って行動してきました。
他責にしてしまうと「今、待ちだから」となるシーンがあると思いますが、シンプルに「待っているだけじゃダメじゃん」と思うので、課題解決に向けて協力しながら取り組むことが大事だと思っています。
また、後悔することが嫌というのは、PMは課題にどんどんぶつかり、あらゆる調整で忙しい時期が続きますし、辛い時もあると思うのですが、後でみんなで飲みながらでも話した時に、「みんなで頑張っていい思い出になったね。大変だったけど良かったよね。」と言えるような状態にしたいと考えています。
ですので、「常に当事者意識をもって、後悔しないようにやりきった」と後から振り返っても思えるように行動することが、今の自分のマイルールです。
いいチームの秘訣は「自分が動く」「安心できる雰囲気」「感謝を伝える」
── いいチームを作るために工夫されていることはありますか?
福岡:チーム作りにおいて、3つのことを意識しています。
1つ目は、自分が動いて背中を見せることです。
プレイングマネージャーに寄ってしまいますが、背中を見せるというか、しっかり動いて働くことで、チームのみんなもそれを見て、ついてきてくれて、自走して動けるようになっていくと信じています。
2つ目は、雑談等を通じてチームの安心できる雰囲気を作ることを大切にしています。
よくメンバーには、僕自身が失敗した話もするのですが、それらの雑談を通じて、失敗してもいい、挑戦して何度もトライすることが大事だという雰囲気を作っていきたいと考えています。
PMは孤独になりがちだと思うのですが、挑戦してみて、ダメだったら帰ってきて、「何があった?」と話を聞いてもらえて、またやる気になってもう1回チャレンジしようと思えるような状態を理想としています。なぜならPMとして成長するためには、勇気をもって、多くの打席にたち、経験することが最も大事だと考えているからです。プロダクトマネジメントに関する知識が豊富なだけではダメで、実践してなんぼです。
3つ目は、感謝を伝えることです。
プロダクトマネージャーはエンジニアやデザイナー等、周囲のみなさんがいなければ何もできないので、できる限り感謝の気持ちを伝えるようにしています。もちろん日々近くで頑張ってくれているPMチームのみんなにも「ありがとう」を伝えるように心がけています。
過去にエンジニアから「アキさんがいたから、これをリリースすることができました。また一緒にサービス作りたいですね。」みたいなことを言われたことがありました。それまで僕はPMとしてものづくりしている意識がなかったのですが、僕も一緒にプロダクトを作っているんだと初めて実感しました。
それをきっかけに、プロダクトをつくる仲間にちゃんと感謝を伝えることを忘れずに、もう1回一緒に働きたいと思ってもらえるような人になろうと思うようになりました。
いい企画のコツは「複数の課題を一気に解決」「本当の課題を解き明かす」
── 質の高い企画や課題に対して筋のいい打ち手を生み出すために、意識して取り組まれていることはありますか?
福岡:1つ目は、複数の課題を一気に解決できる方法を考えることを意識しています。
2つ目は、ユーザーさんやクライアントさんの声をそのまま受け取るのではなく、本当の課題が何なのかを解き明かすことを意識して、なぜなぜ分析を行ってあたりをつけるようにしています。
実際のアクションとしては、FAANSでの経験を例に挙げると、クライアント企業様ごとに異なる悩みや要望が出てきますが、それぞれ個別に対応していく開発リソースが確保できないことがあったり、また、プロダクトの目指す姿との齟齬が生まれないようにしなければいけないということもあり、課題の優先度付けを行いながらも1つの機能や改善策で複数の課題を解決できないか、と考えて実践してきました。
また、WEARにおいては、PMチームにてUXリサーチを定期的に実施して、当たり前ではありますがユーザーさんの声を直接聞くことを習慣にしています。そこで持ち帰ってきた情報を鵜呑みにせずに、ファクトを集めて、一度俯瞰し、ユーザーさんの本当の課題を特定するような意識付けをしています。なぜこの課題がおきるのかを何回か深堀りしながら、思考していくことが多いです。
福岡さんからのおすすめの本
── プロダクトマネージャーにおすすめの本がありましたらご紹介お願いします!
福岡:おすすめの本は2冊あります。
1冊目は、松浦弥太郎さんの「考え方のコツ」で、僕が初心に立ち返る時に読む本です。
現代は多くの情報に溢れているので、すぐ検索して知りたい情報に辿りつきますし、最近だとChatGPTを業務に活用するPMも多いと思います。僕もそうですがPMは様々な情報をインプットして、悩みながら突き進む場面が多いです。
そのような状況において、この本は、少しPCから離れて、考える時間を確保することの大事さを入口に、仕事とはそもそも何か、なぜ働くのだろう、働く上での本質的に大事なことは何か等、仕事をしていく上での、基本的なことを考えるためのコツを教えてくれます。PMにとって大事な問いである「関わっているプロダクトで誰をどんな風に幸せにしたいか?」ということを改めて考えるきっかけにもなると思います。PMの素養として好奇心があることは大事なので、たくさん調べてインプットすることは重要です。また多くのPMの方は勉強熱心だと思いますが、情報のインプットだけでなく、しっかり考える時間を意図的に作っていきたいですね。
2冊目は、古川裕也さんの「すべての仕事は、クリエイティブディレクションである」です。
ZOZOテクノロジーズ(当時)に在籍していた時に、PM配属で入社予定の内定者向けにプレゼントする本として選んだものなのですが、全ての仕事の本質である「顧客の課題解決」の考え方を、クリエイティブディレクションの仕事のノウハウを通じて教えてくれます。
繰り返しになりますが、PMは日々プロダクトに関するものも、チームに関するものも、多くの課題に直面し、それを解決して前進していかないといけないです。課題にぶつかった時に、「その問題が、本当の問題なのか?」という視点で、どのようにミッションを見つけてアウトプットしていくのかみたいなところが書かれているので、いつもと違った視点でプロダクトマネジメントについて考えたい方におすすめです。
最後に
福岡さんのお話はいかがでしたか?
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先輩PMにオンライン相談できます!
PMノートでは、先輩PMにオンライン相談ができます!
素敵な先輩PMがたくさんいますので、こちらからぜひご覧ください!
PMノートではPdMインタビュー対象者を募集中!
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インタビュー内容など、詳細はこちらからご覧ください。
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