PMBOKよりプロジェクトの進め方ポイント5選!

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プロジェクトの進め方ポイント5選 PMBOKからのエッセンス

どうもマツバラヤスユキ(@yaspontax)です。

2015年にPMP(Project Management Professional)を取得しました。

何から実践して良いか分からないような初めてプロジェクトに従事する方の為に、プロジェクトマネジメント知識体系のPMBOKを参考にした「プロジェクトの進め方のポイント5選」をご紹介します。

皆さんのプロジェクトの成功確率が少しでも上がることを願ってます。

本記事はこんな方にオススメ

  • 初めてプロジェクトに従事する方
  • 知識はないけど、プロジェクトマネジメントをやらないといけない方
  • 先輩PMが退職してしまい、突然、後任のPMに任命された方

プロジェクトの進め方の基本とは

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、米国のプロジェクトマネジメント協会(PMI)という団体がまとめている、プロジェクトに従事してきた過去の偉人達の経験やノウハウ、知識をまとめたものがあります。

PMBOK(Project Management Body Of Knowledge )と言い、「プロジェクトマネジメント知識体系」と訳されます。

これには、プロジェクトを成功に導く為の考え方やノウハウがたくさん詰め込まれているのですが、今回はその中から初めてプロジェクトに従事する方向けにポイントをピックアップしたいと思います。



プロジェクトの進め方のポイント5選

個人的な見解となりますが、PMBOKからプロジェクトを進める上で、基本として押さえるべき内容を5点ピックアップしました。

プロジェクトの目的を明確にしてブラさない

プロジェクト憲章(チャーター)を作成して、プロジェクトの目的を明確にしましょう。

PMBOKでは、プロジェクト憲章とは、次のように定義されています。

プロジェクトの存在を正式に認可する文書であり、プロジェクトのイニシエーターまたはスポンサーが発行する。プロジェクト憲章は、プロジェクト・マネージャーが母体組織の資源をプロジェクト活動のために使用する権限を与える。プロジェクト憲章を通して文書化されるものとして、ビジネス・ニーズ、前提条件、制約条件、顧客ニーズの理解範囲、ハイレベルの要求事項、新しいプロダクト、サービス、あるいは所産が満たすべき要求事項がある。

プロジェクトに関する以下の要素を明確にした上で文書化し、プロジェクトのスポンサー(プロジェクトの実施を可能とする人)の合意を取り、プロジェクト関係者への周知の為に使用されます。

  • プロジェクトの目的
  • 測定可能なプロジェクト目標と関連する成功基準
  • 要求事項
  • プロジェクトの対象範囲
  • 前提条件と制約条件
  • スケジュール
  • 予算
  • リスク
  • ステークホルダー
  • プロジェクトの成否を判断する人
  • プロジェクト・マネージャー

※一部抜粋し表現を変更しています。

ここでは特に、プロジェクトの目的プロジェクトの成功基準を明確にして、プロジェクトが完了するまでブラさないようにすることが重要となります。

プロジェクト作業を要素分解してヌケモレを無くす

プロジェクト作業にヌケモレを無くす為には、WBS(Work Breakdown Structure)の作成が必要不可欠です。

WBSとは、Work Breakdown Structure(ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー)の略で、作業(Work)を分解(Breakdown)し構造化(Structure)する手法です。

プロジェクト目標を達成(必要な全ての成果物を作成)する為に実行すべき作業を要素分解して、階層的に詳細なタスクまで要素分解することで、全体の作業詳細の把握がし易く作業のヌケモレに気付き易くなります。

WBSについては、詳細にまとめた記事がありますので、詳細な作成手順については以下の記事をご覧ください。



関係者と事前にリスクを洗い出して想定外を無くす

重大なリスクが発生してからあたふたし、取り返しがつかなくなってしまうといった事態にならないように、関係者と事前にリスクを洗い出し対応計画を行うことが大切です。

PMBOKには、リスクとは、それが発生すれば少なくともスコープ、スケジュール、コスト、品質といったプロジェクト目標に影響を与える不確実な事象・状態とあります。必ず発生するもの、すでに発生してしまったものはリスクではなく、これらは問題や課題として対応していくとされており、未来の不確定な事象に対しての対応です。

また、リスクは、マイナスに影響する『脅威』のみでなく、プラスに影響する『好機』も対象とされております。

リスクを特定し、評価し、対応計画を立てて、脅威は減らし(無くし)、好機は有効活用していく為の取り組みとなります。

洗い出したリスクに対する対応方針としては、大まかに以下に分けられますが、事前に対応方針を決めておくことで、万が一リスクが現実のものとなった時に、冷静に対処することができるようになります。

リスクマネジメントについての詳細については、以下の記事にまとめておりますので、詳細は以下をご覧ください。

変更を管理して曖昧を無くす

プロジェクトが進む上では必ずと言っていいほど、変更が発生します。予め綿密な計画は行いますが、市場や技術革新、組織変更など様々な要因による変更が発生します。

その変更に対して、プロジェクト全体で変更管理を行い、関係者全体での周知の事実として共有を図ることが大切になります。プロジェクトが佳境に近くほど、現場レベルでの変更が発生しがちですが、曖昧な状態な無くすことに意識する必要があります。

前述した、プロジェクトの目的を明確にしてブラさない為にも、変更をしっかりと管理し、プロジェクトの目的を果たすことができるのか、成功条件を達成することができるのか、という視点で変更をマネジメントすることが重要です。



振り返りを実施して組織的にプロジェクトの進め方を改善

PMBOKでは終結フェーズにおいて、プロジェクト関係者で集まって振り返り会を行い、教訓を収集し、組織のプロジェクトマネジメントスキル向上や次回以降のプロジェクトに活かすことを推奨しています。

大事なポイントとしては、振り返り会が、単なる反省会にならないように、悪かった点のみでなく、良かった点を収集するようにしましょう。

振り返りのフレームワークである、KPT(Keep・Problem・Try)を用いると、問題点(Problem)のみではなく、良い点や継続すること(Keep)や次に挑戦すること(Try)を挙げ易くなるので、おすすめです。

KPTでの振り返りのしかたや有用性については以下の記事にまとめております。

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最後に、完璧なプロジェクトなんてない

初めてのプロジェクトで上手く行くことの方が少ないので、もしも現在担当しているプロジェクトが上手くいかなかったとしても自分を責めないでください。

万が一、今回のプロジェクトが上手くいかなかったとしても、上述の振り返り会をしっかりと行い、組織としてのプロジェクトマネジメントスキルの向上や、次回以降のプロジェクトの教訓として活用しましょう。

なお、この記事で伝えられることはプロジェクトマネジメントで実施すべきことのうち、限られた一部の内容ですので、更にプロジェクトマネジメントやPMBOKについて詳しく知りたいと思われた方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。