海外独立・ベンチャー・デジタル庁を経験したnewmoのPMから学ぶ!ビジネスとプロダクトが連動した組織を作るためのヒント

今回は、newmo株式会社でプロダクトマネージャーを務める円谷 雄人さん(@u_gene)に仕事内容やキャリア、マイルールなどを伺った。

円谷さんはVOYAGE GROUPでのセールスやプロデューサーでキャリアスタートし、海外で独立後、ビズリーチ、メルカリ、デジタル庁での経験を経て、newmoでPMを担われている。

newmoのライドシェア事業に関わる必然性や、どのようにプロダクトをグロースしていくのかの戦略について語っていただいている。また、数々のスタートアップの支援の経験も含めて体系化したProduct teamの組成に関するナレッジも紹介しており、ビジネスとプロダクトを一体化させるために共通言語を目標として持つことの重要性にも触れている。

さらに、海外での独立経験、メガベンチャーのIPO前で得た経験、デジタル庁で得た経験などダイナミックなキャリアパスは現役プロダクトマネージャーにも貴重なインサイトを提供してくれるだろう。

newmo株式会社にてPMを担当

── まずはご自身の仕事やプロダクトの状況について教えてください。

円谷:現在、newmo株式会社でプロダクトマネージャーをしております。newmoは、タクシー事業とライドシェア事業をやっている会社です。今年の1月に設立されたばかりで、まだ半年の状況です。プロダクトの開発において、最初に議論したのはタクシーの配車とライドシェアの配車マッチングサービスの提供に向けたロードマップについてでした。

最初の議論から、我々が作るべきプロダクトが四つあるという結論に至り、その四つをどの順番で出していくかのマイルストーンを設定しました。今年の第1四半期(1〜3月)にその議論を行い、第2四半期(4〜6月)ではプロダクトの開発を進めてきました。

まず重要なのはドライバーを確保することです。グローバルで見るとライドシェア業界では、多くのプレイヤーが存在しており、ヒアリングを通じて、ドライバーの獲得が成功の鍵であるという共通認識が得られました。そこで、最初のフェーズとして、ドライバーを登録する機能と、提出された書類を審査する機能を作ることが重要と考えています。

次のフェーズでは、ドライバーが使用するプロダクトと、乗客が使用するライドシェアプロダクトの開発に取り組む予定です。また、タクシー運転手が業務開始前に行う運行管理をDX化するプロダクトも開発中です。

── これら四つのプロダクト全体を通したプロダクトビジョンについてお聞かせいただけますか?

円谷:プロダクト全体を通したビジョンとして、ドライバーと乗客であるパッセンジャーを効率的にマッチングすることが非常に重要なユーザー体験(UX)だと考えています。

まず、パッセンジャー側の体験についてですが、どのプレイヤーも共通して目指していることですが、いかに待ち時間を減らすか、という点に重点を置いています。効率的にアプリを使ってスムーズに移動してもらうことが目標です。

一方、ドライバー側については二つの観点があります。まず一つ目は、ドライバーが効率良く仕事をできるようにすることです。連続的なライドの提供を目指し、次のライドリクエストがどれだけ速くドライバーに届くかを実現することが重要だと考えています。

二つ目として、ライドシェアを単なる移動手段ではなく、人と人とのご縁を感じられるものにすることです。これをどのように実現するかはまだ議論中ですが、ライドシェアがただの移動ではなく、乗客やドライバーにとって意味のある体験になるような工夫を進めています。

このように、効率的なマッチングと、人と人とのつながりを重視した体験を提供することが、我々のプロダクトビジョンです。

── 素敵なビジョンだと感じました。人と人とのご縁をつなぐ体験は、運転手にとっても重要な要素なのでしょうか?

円谷:私は以前メルカリやメルペイでプロダクトマネージャーを務めていました。newmoには元同僚も何名かおり、共に働いた経験があります。

メルカリでもバイヤーとセラーのコミュニケーションは、プロダクト側が促進しなくても自然と生まれていました。これをさらに促進するために掲示板を作ったりしました。例えば、着なくなった子供服を売買する際に、配送時に手紙を添えることで購入者に届けるというエピソードがありました。こうしたご縁が重要だと感じています。

ここで大事なのは、その後のレビューもセットであることです。メルカリでは「今回の取引はいかがでしたか?」と聞いていました。同様に、我々が挑戦しているライドシェアでも共通点があると思います。現状の配車アプリでも評価制度がありますが、その評価にお互いの感想や感じたことを乗せることで、ドライバーのモチベーションにもつながる部分があると考えています。

そのため、我々はこうした評価やレビューをしっかりと仕組みとして組み込んでいます。これはドライバーと乗客双方にとって意味のある体験を提供するために非常に重要な要素だと思っています。

プロダクトマネージャーとしてのビジョン、価値観

── プロダクトとしてのビジョンと、円谷さん個人のビジョンや価値観がどのように繋がっているのか教えていただけますか?

円谷:newmoと関わることになったきっかけは二つあります。まず一つ目は、個人的に旅行が大好きで、ヨーロッパや東南アジアをよく訪れました。その中で、ライドシェアやライドヘイリングのサービスを利用する機会があり、非常に便利だと感じました。特に、言語が通じない場所でもプロダクトのインターフェースがあれば目的地まで行けるという体験が素晴らしいと感じました。サービスとして非常に魅力を感じていました。

※ライドヘイリング:アプリ等を介して、専用の車両を運転する運転手と乗客をマッチングさせるサービスのこと

二つ目は、newmoに入る前にデジタル庁でマイナンバーカードの認証サービスを担当していた経験です。その際、本人確認することで可能になる様々なサービスについて議論がありました。特に、デジタル庁と同じ組織配下にある規制改革推進会議では自動運転や地方の経済活性化といったテーマが議論されており、その中の一つがライドシェアでした。デジタル庁で作った認証サービスを、ライドシェアに活用することができるのではないかと考えていました。

行政で作ったプロダクトを民間に広げて活用することは非常に重要ですが、同時に難しい部分も多いと感じていました。特に、マイナンバーカードの活用は他国にも例が少なく、日本でどう広げていくかが課題です。そうした中で、ライドシェアはその一つの解決策として非常に興味深いと感じました。

これらの経験から、newmoでライドシェア事業に関わることで、行政での取り組みを民間で活用し、社会に貢献できると考えました。この二つの観点が、私がnewmoで働くことになった大きなきっかけです。

運行管理のDX化とUI/UXに向き合う

── プロダクトの課題は何でしょうか?また、それをどのように解決されようとしているのかについて教えていただけますか?

円谷:プロダクトに限らず向き合わなければならない課題として、安心安全の観点があります。ライドシェアサービスを立ち上げるにあたり、運行管理が非常に重要だと考えています。

一つ目の課題は運行管理のDX化です。現在、タクシー運転手は日々運行を記録し、体調面やアルコールチェックを行っています。これをいかにデジタル化するかが重要です。現行のオペレーションをそのままデジタル化するのではなく、例えばその日の運転手の健康状態を数値で確認することや、アルコールチェックのデータをデジタルで管理することなどを考えています。また、将来的にはウェアラブルデバイスを使用して、睡眠時間や健康状態を数値化することも視野に入れています。これらの取り組みは、プロダクトとしても大きな挑戦であり、解決すべき課題です。

二つ目の課題は、UIおよびUXの観点です。このサービスの特性上、マップが非常に重要な役割を果たします。マップを通じてパッセンジャーとドライバーをマッチングし、目的地までの移動をスムーズに行うことが求められます。パッセンジャー側では、いかに待ち時間を減らすか、あるいは待つことによって得られるメリットを提供するか(例えば、お得になる)が重要です。一方、ドライバー側では、効率よく仕事を受けるためのシステムを構築することが必要です。連続的なライドを実現するためのロジックや、待ち時間の最小化など、これらの課題に取り組んでいます。

これらの課題は、我々のプロダクトの成功に不可欠であり、解決に向けて全力で取り組んでいます。

── ドライバーの登録が重要だとおっしゃいましたが、そのための戦略やプランについて教えていただけますか?

円谷:ドライバーの登録をスムーズに進めることが一番基本的で重要だと考えています。まず、ドライバーになっていただく過程を可能な限り簡単にするために、インターフェースを工夫しています。具体的には、ドライバーに必要な書類をオンラインで提出していただくためのUI/UXを改善しています。

ドライバー登録にはいくつかの書類の取り寄せが必要ですが、それをいかにスムーズにアップロードしていただくかが課題です。これをオンライン上で完結できるようにするため、管理ツール上でのアップロードプロセスを整備しました。最初はアプリ化を考えましたが、まずはウェブで対応し、なるべく早くどんな環境でも対応できるようにすることを目指しています。

また、ドライバー獲得のための準備も進めています。ドライバーになりたいけれども、何らかの理由でなれないという方々の声を反映し、UI/UXの改善に努めています。これにより、より多くのドライバーに登録していただけるようにしたいと考えています。

現時点では詳細な戦略をすべてお話しすることはできませんが、準備が整い次第、少しずつ情報を公開していきたいと思っています。ドライバーの皆様にとって魅力的なプラットフォームを提供できるよう、今後も努力を続けていきます。

── アプリ化を検討したけれども、ウェブで対応するという意思決定に至った経緯について、もう少し詳しく教えていただけますか?

円谷:ライドシェアやライドヘイリングのサービスを考えると、多くの人はパッセンジャー側もドライバー側もアプリを思い浮かべると思いますし、それは間違っていません。しかし、我々のチームは限られたリソースの中でプロダクトを垂直立ち上げており、どのようにお客様にサービスを届けるかについて議論を重ねてきました。

その中で、ウェブを通じてサービスを提供することが現実的であるという結論に至りました。アプリ開発には多くのリソースが必要ですが、ウェブなら比較的早く広範なアクセスを実現できると考えました。この判断は、初期段階での迅速な対応と、幅広いユーザーへのアクセスを考慮したものです。

具体的には、ドライバー登録に必要な書類のアップロードなどをウェブでスムーズに行えるようにすることで、どの環境でも対応できるようにしました。これにより、ユーザーの利便性を確保しつつ、リソースの効率的な活用を図っています。

現在、この戦略を進めており、フィードバックをいただきながら改善を続けています。リリースが行われた際には、ぜひ手元で試していただき、ご意見をいただければ嬉しいです。

プロダクトの戦略、ユーザーの声を使いやすい形で反映する

出典:The Product Management Triangle

── プロダクトマネジメントトライアングルに照らし合わせながら、円谷さんがどの領域を業務範囲として担っているのか、特に重点的に取り組まれている領域について教えていただけますか?

円谷:もともと私は、UI/UXのプロダクトマネージャーや、グロースサイドのプロダクトマネージャーを経験してきました。そのため、Deliveryサイドでの業務が多かったという認識です。ただ、今のnewmoや以前にいたデジタル庁では、組織を作り、採用を進め、新しい方にジョインしていただく中で、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)的な役割を担うことが増えてきました。

現在の業務としては、プロダクトのStrategyを策定し、経営メンバーと目線を合わせながら、チームを構成してプロダクトを作り上げていくことが多いです。具体的には、新しい会社ですが、少しずつPMの方々にもジョインしていただき、自分自身は最初に仕様を書いたりしますが、その後は各プロジェクトを担当する方に引き継ぎ、全体のプロジェクトマネジメントをリードしています。

私自身はProduct Deliveryまでの全体を管理しつつ、Strategyの部分や組織の構築、プロジェクトの進行をサポートしています。このように、DeliveryサイドからStrategyサイドまで幅広く関わることが多いです。

── プロダクトマネジメントトライアングルでいうと「User」と「Business」をつなぐ領域について、例えば、Business Developmentについてはどのような関わり方をされていますか?

円谷:現状、私がいるnewmoでは「Business Development」という呼び方はしていませんが、Business Operationsというチームがその役割を担っています。Business Operationsチームが各エリアでの業務を開拓し、サービスの展開を進めています。

例えば、Uberが最初にサンフランシスコやロサンゼルスで始めた事業が成功し、次に東海岸に展開したように、Business Operationsチームがまずエリアごとに業務を開拓し、その運用が回るようになったら、それをどうやってDX化するかを考えています。我々のチームにも、同じように各エリアでのオペレーションを担当するメンバーがいます。

他のプロジェクトでは、私自身がBusiness Developmentの部分にも関わり、自らビジネスの動きをして、テクニカルPMと協力してプロダクトを構築することもありました。newmoでも必要に応じて、Business Development的な動きも取り入れる場合があります。これにより、UserとBusinessをつなぐ役割を果たし、プロダクトの成功に寄与することができます。

── UserとDevelopersの間の領域について、例えばDesignやUser Researchなどへの関わりはどのようにされていますか?

円谷:個人的にはDesignやUser Researchは非常に好きな部分で、深く関わりたいと思っています。ただし、個人で動くというよりは、デザイナーやUXリサーチャーと一緒に動くことが多いです。

プロダクトマネジメントにおいて、DesignやUser Researchから改善のヒントを得ることは非常に重要です。そのため、これらの分野では必ずチームで取り組むことを意識しています。デザイナーやリサーチャーとの協力を通じて、ユーザー体験を向上させるためのインサイトを得ることができ、それがプロダクトの成功につながると考えています。

newmoでも、プロダクトの仕様書を作成する際には、DesignやUser Researchの結果を反映させることを心がけています。チーム全体で協力しながら、ユーザーのニーズをしっかりと捉えたプロダクトを開発することが重要だと考えています。

── newmoでのプロダクト開発の体制や、DiscoveryからDeliveryまでのプロセスについて教えていただけますか?

円谷:我々のプロダクトチームは非常にシンプルな構成です。プロダクトチームとプラットフォームチームの二つしかありません。プロダクトチームにはPM、デザイナー、エンジニアが全員所属しており、全員で一つのものを作り上げることを目指しています。

Deliveryや需要の発見については、プロダクトがまだリリース前であるため、実際に動いているプロダクトを見ながら課題を見つけるのは難しい状況です。そのため、7月から大阪で日本版ライドシェアを開始し、メンバーが現場で実際に体験しながら課題をピックアップしています。

具体的には、現場での体験から得た課題をUI/UXに反映させることや、ドライバーになっていただいた方々にインタビューを行い、そのフィードバックを基にUXを作り込んでいます。これにより、現場のリアルな声をプロダクトに反映させ、ユーザーにとって使いやすいプロダクトを目指しています。

現状では、プロダクトの開発はまだ初期段階であり、これから本格的に進めていく部分が多いですが、実際の体験とフィードバックを重視して進めていく予定です。

様々な組織・地域・出会いによって培われたPMスキル

── 現在までどのようなキャリアを歩まれて、今の現在地点に至るのかを教えていただけますか?

円谷:

株式会社VOYAGE GROUP(現 株式会社CARTA HOLDINGS)

まず最初のキャリアとして、新卒でIT企業のVOYAGE GROUPに入社しました。「お客様のことが知りたい」という気持ちがあり、最初に担当したのは営業で、広告のセールスをしていました。代理店に提案書を作成したり、効果測定を行ったりする仕事がファーストキャリアです。

ただ、ものづくりがしたいという想いも強く、プロデューサーやマーケティングの仕事もしておりました。当時はプロダクトマネージャーという呼び方はされていませんでしたが、プロデューサーとしてITのものづくりに関わるようになりました。

独立(海外)

その後、独立し、日本の製品を海外に輸出する仕事を始めました。特にハンドメイドのレザーアイテム(iPhoneケースやバッグ、カメラストラップなど)を扱い、約7年間続けました。ハンドメイドのレザー職人と協力して、ワークショップをプロモートし、韓国、台湾、シンガポール、香港などで展開しました。これにより、メディアにも取り上げられ、顧客が広がりました。

顧客がヨーロッパに広がったため、ヨーロッパに住むことにし、日本の製品を輸出し、現地で販売する事業を展開しました。これが7年間の経験です。

── 海外での事業を辞める決断をされた背景について教えていただけますか?

円谷:当時の状況についてお話しします。私のように個人で商売をしている人は日本以外にも多く、卸先には個人のセレクトショップやオンラインショップを運営している方々が多かったです。しかし、プラットフォーマーの存在が大きくなるにつれて、個人がセレクトしたオンラインショップでしか買えないという機会が減少してきました。例えば、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどのプラットフォームが成長する中で、個人のオンラインショップの存在感が薄れていきました。

最終的には、多くの個人商店が閉店したり、プラットフォームに乗り換えたりする状況が増えました。これにより、私から商品を買わなくても、同じ商品を他のプラットフォームで簡単に手に入れることができるようになりました。このような市場の変化が、事業を続ける上での大きな課題となりました。

そこで私は、日本に戻りプロダクトマネージャーとしてのキャリアを考えました。プラットフォーマーとしての視点や、プラットフォームの成り立ちに興味を持つようになり、それがビズリーチやメルカリに入るきっかけとなりました。プラットフォームの成長やその影響について学び、理解することが新たな挑戦となりました。このような背景から、海外での事業を辞める決断をしました。

株式会社ビズリーチ

その後、日本に帰ることになり、プロダクトマネージャーの道に進むことにしました。東京に戻った際、ビズリーチ代表の南さんから声をかけてもらい、スタンバイという検索エンジンプロジェクトに参加しました。これがプロダクトマネージャーとしての最初の仕事でした。そこでは、検索エンジンの開発に携わりつつ、最終的にはアプリ開発にも携わっていました。

株式会社メルカリ

次にメルカリに入り、メルペイの立ち上げ時期にeKYCの開発に携わりました。UI/UXの部分とバックエンド部分を担当し、IDや認証の仕事をさせていただくことになったきっかけがその頃でした。その後もIDのアライアンス事業を担当しました。

── ビズリーチでの経験の後、なぜメルカリを選ばれたのか、その背景について教えていただけますか?

円谷:メルカリに入った理由についてお話しします。まず、プロダクトマネージャーとしてここでしかできない経験ができると感じたことが一つの大きな理由です。当時、メルカリはまだIPO前で、様々な人材が集まり、社内で多様な議論が行われていました。そのようなダイナミックな環境に身を投じてみたいと思いました。

また、メルカリは新規事業を立ち上げているタイミングでもありました。オフィスを訪れた際には、多くのチームが雑多に、そしてハングリーに働いている様子を垣間見ることができました。自分がその環境でどのような経験を積むことができるのか興味を持ちました。

さらに、ビズリーチでの経験やEC事業の経験もメルカリへの興味を深めました。ECの経験が新たな挑戦に活かせると感じたことも、メルカリを選んだ理由の一つです。このような背景から、メルカリに入社し、新たな挑戦をすることに決めました。

── 実際にメルカリに入ってみて、多種多様な方々が働く環境でのPMとしての成長や、ここでしかできないことを感じましたか?

円谷:非常に多くの学びがありました。入社して一番特徴的だと感じたのは、CtoCサービスにおける独自の組織構成でした。当時、メルカリには営業マンがほとんどいませんでした。誰が一番お客様の情報を持っているかというと、カスタマーサポートやカスタマーサクセスの方々でした。プロダクトを作る際には、まず彼らに様々なことを聞きに行くのが通例でした。

これは私にとって非常に新鮮な経験でした。ビズリーチやファーストキャリアの広告営業の会社では、営業マンが情報の中心にいましたが、メルカリではカスタマーサポートがその役割を担っていました。彼らとの会話を通じて、多くのペインポイントが明らかになり、それをどのように解決するかがPMの腕の見せどころでした。

具体的には、カスタマーサポートからのフィードバックを基に、どう簡潔かつわかりやすくプロダクトに反映させるかを考えるプロセスが非常に重要でした。ユーザーリサーチやデザインの部分と密接に関わり、何度も企画を練り直してデザイナーと協力しながら進めることで、最終的にユーザーにとって使いやすいプロダクトを作り上げることができました。

このような環境で働くことで、ユーザーの声を直接反映させるプロダクト作りの重要性を学び、PMとして大きく成長することができました。

── セールスが強い組織との違いについて、メルカリでの経験を通じて感じたことを教えていただけますか?

円谷:違いは大きかったです。カルチャーとして、メルカリではユーザーを「ユーザー」と呼ばず「お客さま」と呼ぶことがありました。この観点や感覚はメルカリで学んだ重要なポイントです。

メルカリでは、お客さまがどう使っていただくと喜んでいただけるか、満足していただけるかを非常に考え抜いていました。特に、バイヤー(購入者)とセラー(出品者)の両側面から深く考えることが求められました。このアプローチは、セールスが強い組織との大きな違いでした。

セールスが強い組織では、営業マンが中心となってお客様のニーズを把握し、提案を行います。しかし、メルカリではカスタマーサポートやカスタマーサクセスが中心となり、お客さまの声を直接反映させることがプロダクト作りの基盤となっていました。この違いが、ユーザー体験を向上させるための新しい視点を与えてくれました。

また、メルカリでは、プロダクトマネジメントにおいてユーザーの視点を最優先に考えることが強調されていました。これにより、より良いユーザー体験を提供するための具体的な方法を学ぶことができ、プロダクトマネージャーとしてのスキルを大きく向上させることができました。

デジタル庁

その後、デジタル庁に移り、マイナンバーカードの認証システムのサービスアプリを開発しました。行政の中でのものづくりや法令遵守を考慮しながら、民間の方々に使いやすいアプリを作る経験を積みました。

── デジタル庁に転職された理由について教えていただけますか?

円谷:一番のきっかけは、最も多くのユーザーがお客様として使う可能性があるサービスに携わりたかったことです。もう一つは、UI/UXに深く向き合いたかったという思いがありました。

メルカリからデジタル庁に入る前に、一度外資系企業のマイクロソフトで働いていました。マイクロソフトでは、China、Japan、Koreaのチームでリージョン全体の仕事をしており、数字の伸ばし方や他社の動きについての議論が多かったです。グローバルなプロダクトに関わりたくて入ったので、非常に勉強になり良い経験でしたが、もう一度UI/UXにどっぷりと向き合いたいと思うようになりました。

ちょうどその時期にデジタル庁が設立されて約一年ほど経ち、内部開発を進める話が出てきました。行政のものづくりに興味を持ち、多くのユーザーが使う可能性のあるサービスを開発することに魅力を感じました。さらに、内部開発のチームを組成してアプリを作っていくという挑戦が非常に魅力的でした。

特にマイナンバーカードの中にあるJPKIシステム(認証の仕組み)をどう世の中の方に使いやすくするかという観点は、UI/UXに向き合う大きなチャンスだと感じました。これらの理由から、デジタル庁に入る決断をしました。

── 組織の立ち上げのご経験についてお聞きします。デジタル庁での組織立ち上げは初めての経験でしたか?それ以前にも経験があったのでしょうか?

円谷:組織立ち上げの経験としては、ビズリーチのスタンバイチームでの経験が原体験となっています。当時、two-pizza teamくらいの小規模なチーム、8人ほどのメンバーで立ち上げを行いました。各メンバーがそれぞれの役割を担い、スプリントを回しながら連続的に進めていくという経験が大きな学びとなりました。

その後、メルカリに移ると、チームが徐々に大きくなっていきました。特にIDのアライアンスチームでは、50人規模のチームで、全員が兼務で参加する形でした。ここでも組織運営の経験を積みました。

デジタル庁に入った時には、まだ人が少ない状況でした。PMは私一人から始まり、CPOの水島さんの下でPMとして活動を開始しました。その後、PMを集めるための活動や、エンジニアのユニット長と協力してエンジニアの採用を進めるなど、組織の立ち上げを行いました。これらの経験が、デジタル庁での組織立ち上げにも活かされました。

── デジタル庁での組織立ち上げについて、水島さんと二人でPM組織を作っていくというお話でしたが、その詳細についてもう少し教えていただけますか?

円谷:実際にはデジタル庁には他にも多くのプロジェクトがありました。デジタル庁全体では120以上のプロジェクトが進行中で、PMは当時20から30人ほどでした。そのため、多くのPMが複数のプロジェクトを兼務していました。

私が担当していたプロジェクトでは、水島さんがCPOとしてリードしており、その下で私ともう一名のPMがいました。ただ、そのもう一名のPMは他のプロジェクトに多忙だったため、私が水島さんと密に連携を取りながら進めることが多かったです。

具体的には、水島さんのリーダーシップのもとで、PMの採用や育成、プロジェクトの進行管理などを行いました。また、エンジニアチームとも協力して、プロダクトの開発を進める体制を整えました。組織の立ち上げと運営において、水島さんのサポートを受けながら、デジタル庁の目指す方向性に沿ったプロダクトを作り上げていきました。

これらの経験は、私にとって非常に貴重な学びとなり、プロジェクトマネジメントのスキルを大いに向上させる機会となりました。

newmo株式会社

そして、昨年の夏に規制改革推進会議でライドシェアの議論を拝見し、newmoに興味を持ち、現在はnewmoでプロダクトマネージャーとして働いています。

このようなキャリアの流れで現在に至ります。

Product Strategyにおける目標管理の重要性

出典:https://www.ravi-mehta.com/product-manager-skills/

── 事前にご回答いただいたPMのコンピテンシーに関する自己評価を基に、Product Strategyの領域が特に強みの部分であると拝見していますが、その認識はお間違いないでしょうか?

円谷:その認識で間違いないと思います。ただ、改めてこの表を見ると、自分のスキルが偏っているなと反省もしました。

── Product Strategyの領域の中でも、特に目標管理において高い評価をされていますが、日々の業務やこれまでのキャリアの中でどのようにそのスキルを発揮されてきたのか、またどのようにスキル開発を行ってきたのかについて教えていただけますか?

円谷:自分自身としては、二つの側面からこのスキルを培ってきたと思います。一つは、小さいチームから徐々に大きいチームまでの経験です。大きいチームになると、共通言語が必要になり、その共通言語を作るために目標管理が重要となります。目標を持つことで、チーム全体が前向きになり、一体感を持ってプロジェクトを進めることができます。

もう一つは、スタートアップの支援を通じて得た経験です。多くのスタートアップが共通の課題としてPM組織の構築やプロダクトマネジメントのサイクル作りに悩んでいることを知りました。その際に、目標を明確にし、KGIやKPI、OKRを用いて一貫性を持たせることが重要であると感じました。

プロダクト開発において、マーケットにいるお客様にどのようにプロダクトを届けるかを考えることが重要です。マーケターやプロダクトマーケティングマネージャー(PMM)、グロース担当、UI/UX担当、テクニカルPM、エンジニア、プラットフォーム担当といった各役割の間で共通の目標を持ち、一気通貫の体制を作ることで、伝言ゲームによる誤解を防ぎます。

これらの経験から、目標管理の重要性を学び、それを実践することで、Product Strategyのスキルを高めてきました。

── 先ほどの話は非常に興味深く、もっと詳しく聞きたいと思いました。これまでにお話しされた内容を外部に発信されたことはありますか?

円谷:実はまだ外部発信はしていませんが、ドラフトで書き溜めている内容はあります。今後、それをまとめてパブリックに発信したいと考えています。

※その後、円谷さんが公開された記事「Product teamの組成」はこちら

── 共通言語としての目標管理の観点で、KGIやKPI、OKRに落とし込む方法について、スタートアップの支援時にはどのようにアドバイスをされていたのか教えていただけますか?

円谷:そのような機会は多くありました。採用時にも心掛けているのは、各ポジションに強みを持った人をバランスよくチームに組成することです。スタートアップでは兼務が多く、走りながら考える、考えながら走ることが重要です。その際に、共通言語としての目標管理を横断的に担当することもありました。

具体的には、各ポジションに強みを持った人をバランスよくアサインし、チームを構成しました。また、それを構造化して渡し、実際に走りながら調整することもありました。定期的に微調整を行い、そのフィードバックをCEOに直接行うことで、自分自身も学びを得ることができました。

目標管理の方法を通じて、チーム全体が共通の目標に向かって進むことができるようにし、それが組織の成功に繋がると考えています。このアプローチは、特にスタートアップの支援において重要であり、多くの学びを得ることができました。

── スキル開発の観点で、他に特徴的なエピソードやエピソードがあれば教えていただけますか?

円谷:プロダクトマネージャーとしてのスキル開発についてお話しします。

私もPodcastを聞いたり、本を読んだりして学びを深めていますが、一番のスキル開発は、自分が得意だと思う部分を軸にして、苦手なところにもチャレンジすることだと感じています。もともと私は商売人で、プロダクトマネージャーではありませんでした。海外に日本のものを輸出する仕事をしていた中で、プロダクトマネージャーとしての役割に挑戦することも毎度チャレンジでした。

私のキャリアでは、まず自分の得意な部分を見つけ、それを軸にして少しずつ苦手な領域にも取り組んできました。このように、自分の領域を広げていくことがスキル開発に繋がりました。アカデミックな観点で文献を読んだり、マイクロソフト時代には多くの学びがありましたが、実際のスキルを磨くためには、まず一つの得意な分野を作り、それを基に他の領域にも挑戦することが重要だと考えています。

このアプローチにより、プロダクトマネージャーとしてのスキルを磨き、キャリアを築いてきました。自分の得意な部分を活かしつつ、苦手な部分にも取り組むことで、全体的なスキルセットを向上させることができました。

── 最初の軸となる部分はどこに該当するのでしょうか?

円谷:現在ではProduct StrategyやDeliveryの部分が中心となっていますが、元々のキャリアでは調整や商品を売り込む経験が大きかったと思います。これらの経験を通じて、リーダーシップや上層部との関係構築が重要だと感じています。

ただ、これを説明する際には、自分のキャリアを掛け算のように捉えています。例えば、もともと商売人であり、個人事業をやっていた経験、フランスで起業して事業拡大を行った経験、そしてプロダクトマネジメントのスキルを持っていることです。この掛け算が、私の強みを形成しているのだと思います。

私の強みは、スモールビジネスからPLの観点やマーケティングの観点を持ち込みながらプロダクトマネジメントを行うことです。この掛け算が、他の人とは異なる視点やアプローチを提供できるポイントだと考えています。世の中には自分より優れた人がたくさんいますが、この掛け算を持っているのは私自身であり、それが私の強みなのかもしれません。

大事にしていることは「不動心」

── 行動指針や大切にされているマイルールがあれば教えていただけますか?

円谷:私自身、座右の銘や特定のマイルールを持っているわけではありませんが、大切にしていることがあります。それは「不動心」です。

特にスタートアップやベンチャー、またデジタル庁での行政向けのものづくりにおいても、状況は常に変化し、一転どころか二転三転することがよくあります。ITのものづくりの中で、一喜一憂することが必ずしも得策ではないと感じています。

そのため、どんなに状況が変わろうとも、自分たちが大切にしていることに焦点を当て続けることが重要だと考えています。具体的には、社会や世の中が少しでも良くなるために何を作るべきか、お客様のペインを解消するために何をすべきかに集中することです。このような視座を持ちながら、不動であり続けることを大切にしています。

── 「不動心」を持つきっかけや、維持するための工夫について教えていただけますか?

円谷:具体的なきっかけとしては、松井秀喜さんの『不動心』という本を読んだことです。これが最初のきっかけとなりました。

私自身が心がけているのは、日々を同じテンションで過ごすことです。これはヨーロッパに住んでいた頃の経験が大きく影響しています。特にフランスの南部の田舎に住んでいた頃、日常が非常にシンプルで規則的でした。夏は夜の9時や9時半まで明るく、人々は日が昇り、日が暮れると自然に生活リズムが決まりました。田舎の暮らしでは、畑仕事をしたり、家族と食事をしたりと、毎日がほぼ同じルーティンでした。しかし、地元の人たちは「毎日が同じであることが幸せだ」とよく言っていました。

東京のような都市部では、日々が目まぐるしく変化し、刺激的な環境に慣れていましたが、フランスの田舎での経験は私にとってパラダイムシフトでした。変わらない日常の中に幸せを見出すこと、そして変わらないことがもたらす安定感が非常に貴重だと感じました。

この経験から得た二つの側面があります。一つは、変わらないことが幸せであるという認識です。もう一つは、環境が変わっても自分の中の大切なものが変わらなければ、自分自身は変わらないでいられるということです。この感覚を身につけることで、どんな変化にも動じない「不動心」を持つことができました。

この経験が、私のプロダクトマネージャーとしての行動指針にも大きな影響を与えています。

いいチームを作るためには「共通言語」と「良い環境づくり」

── いいチームを作るために何か工夫されていることはありますか?

円谷:良いチームを作るために意識していることが二つあります。

一つ目は、共通言語を作ることです。目標としての共通言語も重要ですが、もっとカジュアルでブレイクダウンされた共通言語でも良いと思っています。この共通言語がチームの肝になり、根幹となるので、ミッションや掛け声など、みんなで話せる共通言語を持つことを意識しています。例えば、日々のスタンドアップミーティングや朝会で共通言語を実現させることは非常に重要です。

二つ目は、どれだけくだらないことや間違ったことを言っても良い環境を作ることです。特に過去数年間のリモートワーク環境では、遠慮すればするほど閉ざされてしまうことが多かったです。そのため、くだらないことや間違ったことを言ってもウェルカムな環境を作ることを意識しています。先日のチームミーティングでも、「どれだけくだらないことを言っても良い環境を作ろう」という話をしました。これは、ハードルを下げることによって、より多くの意見やアイデアが出るようになるからです。

これら二つのポイントを大切にすることで、良いチームを作ることができると考えています。

── 二つ目のポイントについて、具体的な取り組みを教えていただけますか?

円谷:リモートワークが主流になった中で、私たちのチームでは逆にオフラインで同じ体験を共有することを大切にしています。これは一見非効率な投資に思われるかもしれませんが、チームの立ち上げ時期だからこそ重要だと考えています。

具体的には、なるべくみんなで集まり、同じ景色を見て、同じ議論をすることを重視しています。このオフラインでの体験を共有することで、共通言語や共通の思い出が自然と生まれ、それがプロダクト開発において強いチームの基盤となります。

例えば、定期的にオフサイトミーティングを開催したり、チームビルディングのイベントを行ったりしています。これにより、リモートワークの中でも一体感を保ち、よりオープンでフラットなコミュニケーションができる環境を作っています。このような取り組みを通じて、チームとしての結束力を高めることができると考えています。

徹底的に「疑い抜くこと」と「お客様の状況を深く理解する」で質の高い企画を提供する

── 質の高い企画や筋の良い打ち手を生み出すために何か工夫されていることがあれば教えてください。

円谷:質の高い企画や打ち手を生み出すために、私が意識していることをいくつかお話しします。

まず一つ目は「疑い抜くこと」です。良い企画が書けたと思った瞬間、すごくイケてると思うかもしれませんが、別の角度から見るとそうでないことが多々あります。そのため、常に疑い抜くことが大切だと考えています。また、周りに仲間やチームがいる場合、その企画をプレゼンしてみることも効果的です。プレゼンすることで、相手のリアクションを見ることができますし、自分が発した言葉を自分で聞くことで「あまり大した企画ではないかもしれない」と気づくことがあります。これは多くの人が経験していることだと思います。個人的には、こうした壁打ちを大切にしています。

二つ目は、プロダクトの企画を研ぎ澄ますためにお客様の状況を知ることです。これはUXリサーチやペインを見つける部分に関係していますが、プロダクトの成功にはお客様の状況を正確に把握することが非常に重要です。自分自身もその状況に身を置いて調べたりしています。

また、既にあるサービスを使い込むことも重要です。これは非常に月並みな方法かもしれませんが、我々の現在の状況では、海外に行ってライドシェアのサービスを使い込んだり、そのプレイヤーにヒアリングしたりすることを行っています。こうした取り組みを通じて、質の高い企画や打ち手を生み出すためのヒントを得ることができます。

このように、疑い抜くこととお客様の状況を深く理解することが、質の高い企画や打ち手を生み出すための基本的な工夫だと考えています。

── 既存のプレイヤーに対するヒアリングについてお伺いしましたが、そのヒアリングはどうやって実現されているのでしょうか?

円谷:多くの場合、挑戦しようとしているマーケットは他の地域や国でも似たような状況があり、既存のプレイヤーはその課題を通り過ぎてきた経験を持っています。過去の経験について話していただくことは、多くの方が比較的オープンに応じてくれます。

例えば、私たちがライドシェアの市場に参入しようとしている場合、他の地域で既に成功しているプレイヤーにアプローチし、過去の成功や失敗、そして学びについてインタビューを行います。彼らも業界全体の発展に貢献したいという思いを持っていることが多く、オープンに情報を共有してくれることが多いです。

このようにして得られた知見を活用し、私たちのプロダクトや戦略に反映させることで、質の高い企画や打ち手を生み出す手助けをしています。

円谷さんからのおすすめ本

── プロダクトマネージャー向けにおすすめの本があれば教えてください。対象は現役のプロダクトマネージャー、駆け出しの方、これから目指される方でも構いません。

円谷:途中で話した松井秀喜さんの『不動心』もおすすめですが、今、改めて自分の事業に向き合う時に読み直したのが『DIE WITH ZERO』でした。この本は人生の時間の使い方について書かれており、特に感受性の高い時期に良い経験をすることの重要性が説かれています。特に立ち上げの時期やスタートアップをしている方々にはぜひ読んでいただきたい本です。

この本のメッセージを具体的に伝えると、「もしやりたいことがあるなら、自分がその一任者になってやるべきだ」ということです。今回、newmoがライドシェアの事業を始めるにあたっても、もし私たちがやらなかったら他の誰かがやるだろうという考えがありました。デジタル庁にいた時も、隣の規制改革推進会議を見ていると、法解釈が変わっていくかもしれないという中で、自分がやるべきだと思ったからこそ、今のタイミングで自分が一任者としてやろうと決意しました。

『DIE WITH ZERO』の中には、旅行や資産管理など様々な例え話がありますが、その中でも特に自分自身でやるべきことを決意するというメッセージが強く響きました。このモメンタムの中で自分たちでやると決意した人間が集まっているのが今のnewmoです。

もし何かやりたいことがあるなら、ぜひ『DIE WITH ZERO』を読んでみてください。その中に多くのヒントがあると思います。

最後に

円谷さんのお話はいかがでしたか?

独立してヨーロッパで商売をされ、日本に戻ってビズリーチやメルカリでのご活躍、そしてデジタル庁での貢献、現在のnewmoに至るまでの経歴についてお話を伺いました。

newmoにおける事業・プロダクトのグロースの戦略から組織作りについても具体的なお話が得られ、ビジネスとプロダクトを一体化させるために共通言語を目標として持つことの重要性や、強みを生かしつつ苦手な部分にもチャレンジしていくことでキャリアを拡張することの学びが得られました。

インタビュー記事内でもご紹介いただいている、数々のスタートアップの支援の経験も含めて体系化されたProduct teamの組成に関するナレッジもぜひ読んでみてください!

記事「Product teamの組成」はこちら

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