「note」の中長期課題と向き合うPMから学ぶ!社内コミュニケーションをプロダクトマネジメントに活かすヒント

今回は、note株式会社でプロダクトマネージャー(以下、PM)を務める浅子 拓耶さん(@taku_yeah)に仕事内容やキャリア、マイルールなどを伺った。

浅子さんは、動画合成エンジンのディレクターやプロジェクトマネジャー、Web・アプリの受託開発におけるスクラムマスターなどを経て、現在はnote株式会社にてプロダクトマネジャーを務めている。

noteの中長期課題として、クリエイターがメリットを感じ続けられるプラットフォームを作るという難易度の高いミッションと向き合う中で、どのようにスキル開発や周囲とのコミュニケーションを行っているのだろうか?
また、プロジェクトマネジャーからプロダクトマネジャーに転向した彼が感じているプロダクトマネジメントの魅力とは?それぞれの思考の違いや経営層との目線の合わせ方などは必読です。

note株式会社にてnoteのプロダクトマネジャーを担当

── まずはご自身の仕事について教えてください。

浅子:現在、note株式会社でプロダクトマネージャーをしています。noteには「note」と法人向け高機能プラン「note pro」がありますが、私は「note」を担当しており、人々が記事を書いたり、読んだりするプラットフォームにおける特定の課題領域についてプロダクトマネジャーとして向き合っています。

私たちはクリエイターのnote利用を通して得られるプラスの体験を「クリエイターサクセス」と呼んでいて、その中でも記事の収益化やサブスクの運営を通して「noteを利用してよかった」というサクセスを生み出すための中長期課題を解決する役割を担っています。

例えば最近では、ウェブブラウザでは実現していた記事の購入をアプリでも可能にするためのポイント制導入や、クリエイターがサブスクを起ち上げ、継続的に収益を得られるようにするためのメンバーシップのリリース・グロースなどを行いました。

── 体制や役割分担はどのように行っているのでしょうか?

浅子:noteでは、現在は課題領域や仮説検証の期間の長短によってチームを分けています。

短期チームでは、比較的短い期間でのプロジェクトを扱っており、1〜2週間スパンでの仮説検証・価値検証のための施策が主です。例えば、ユーザーが記事を購入したくなるような画面の表現に変更したり、購入ボタンの配置などを試験的に変更したりとABテストを活用して効果を検証します。

一方、中長期チームでは、3ヶ月以上の開発期間を要するようなプロジェクトを担当しています。こちらのチームでは、より大規模な改修や新機能の開発、長期的な戦略に基づいた仮説検証を行っています。ABテストの実施はあるものの、プロジェクト全体のコミュニケーションや調整がより複雑になる傾向があります。

短期的な施策と中長期的な施策を異なるチームで扱うことで、各チームが特化して効率よく作業を進めることができます。私は長期的なプロジェクトを担当しており、戦略的で持続的な価値を提供することを目指しています。

チーム間で学びの共有や、施策の方向性を確認しあうことも多くあります。チームごとに取り組む領域は絞りつつも、会社やプロダクト全体の戦略に沿った、noteらしい仕組み・デザイン・ライティングになっているか?など、役職問わずフラットに相談しあいながら施策を進めています。

── それぞれのチームにおける経歴やスキルの違いなどはありますか?

浅子:最初は特に明確なチーム分けをしていませんでしたが、今は得意分野で担当が分かれているような状況です。

私は新卒から長らく受託開発会社で大手から小規模な会社までのクライアントビジネスに携わってたこともあり、長期的なシステム開発やステークホルダー管理が得意です。

短期施策を担当するチームメンバーは、大手ITスタートアップなどでの経験が豊富で、仮説検証をバリバリ繰り返すことが得意。このようなバックグラウンドから、それぞれのチームが自身の強みを活かしながら、課題解決を効率的に進めています。

── noteにおけるプロダクトビジョンについて教えてください。

浅子:プロダクトビジョンは明確に掲げていないのですが、企業のミッションが直接的にプロダクトビジョンに反映されていると考えています。

当社のミッションは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」です。これを収益化の文脈で解釈すると、クリエイターが実利を得ながら創作活動を持続できるようにするといった考え方になるかと思います。
すでにバリューネームのあるクリエイターだけが潤うのではなく、初めてnoteで発信をはじめたクリエイターなどもしっかりと収益を得ていることが重要で、それがゆくゆく私たちのサービス持続可能性につながっていくと考えています。

ミッションは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」を実現すること

── 現在向き合っているミッションや課題は何でしょうか?

浅子:プロダクトビジョンの回答と重複する点もあるのですが、当社のミッションに則りだれもが創作をはじめて続けられるような環境を提供することにあります。

ネットの普及により創作の初期段階のハードルは下がってきていますが、継続して創作活動を行うという点ではまだまだ難しいと思っています。多くの人がブログを始めては途中で辞めてしまうという状況。私もnoteに入る前はブログを立ち上げては潰すのを5回程繰り返してきました。

この「継続できる」を実現した先に「noteを利用してよかった」というサクセスがあると考えているため、私たちは「継続してもらう」ことに特に意識を向けています。この「継続」のために必要なのが投下したリソースに対するリターンであり、そのわかりやすい例が収益だと考えています。そのため、現在noteでは収益化を最適にしていくことに力を入れています。

── 難しそうですね。具体的な解決策などはあるのでしょうか?

浅子:そうなんです。noteを利用している人の中には創作を通して対価を稼ぎたい人もいれば、そうでない人もいます。双方が満足いく形で利用できるプラットフォームを作っていくというのは前例も少なく、難しいと感じます。ただ、実現できた時のバリューは大きいと信じて日々向き合っています。

解決するための方法としては、とにかく仮説検証を行い効果的な施策を速やかに展開していくほかないと思っています。他社のサービスや成功しているプラットフォームを参考にはしますが、ユーザーが離れてしまうリスクもあるため、そのまま踏襲せず私たち独自の仮説に落とし込み、検証を繰り返していく必要があります。

また、クリエイターがネームバリューや広告など自力で収益を上げるのではなく、プラットフォーム側がクリエイターの創作物を売る後押しをする環境を作っていくことも大切だと考えています。アマゾンや楽天などの物販プラットフォームのように、セラーの商品売上を伸ばす後押しができたらいいのにと参考にしつつ、コンテンツを売るという難しさに立ち向かっているような状況です。

noteにおける中長期的な課題・仮説設定を主軸に、メンバーを巻き込んで遂行していく

── プロダクトマネジメントトライアングルを基に、具体的な業務範囲を教えてください。

出典:The Product Management Triangle

浅子:プロダクトマネジメントにおいて、特にプロジェクト管理と外部との連携に重点を置いて活動しています。エンジニア出身ではないこともあり、開発の深い技術的な部分やビジネス戦略というよりも課題・仮説の設定と解決策の提案、解決に際し分析チームやデザイナー、UXリサーチャーなどを巻き込んでどのように形にしてデリバリーしていくのかを考えていく業務がメインとなります。

現状は、ビジネスチームが掲げる指標を全員で追うような体制になっており、開発チームでは指標達成のための中間指標をKPIに設定しています。私の担当する課題領域ではプロダクトチーム主体で施策検討・開発を進めつつ、ビジネスチームと連携して事業計画やマーケティング戦略にも関わっていくような形になっています。

── プロダクト開発からリリースまでのプロセスについてもう少し教えていただけますか?

浅子:noteのPMに共通するのですが、いかに良質な課題・仮説を設定するかといった点を重要視しており、リソースの多くをディスカバリーに割こうとしています。私の場合、データ分析から仮説を立てるというよりは定性的な観点から仮説を立てたり、会社全体の取り組みやユーザーの声などを俯瞰して戦略的にどう進めるべきか考えたりする方が得意です。

また、マーケティングのアプローチと訪問後の世界観がズレていないかや、ポイントで施策を打った時に全体のプロモーションの文言と繋がっていないところがないかなどを俯瞰できるように働きかけるようなことも行っていたりします。

── マーケティング領域におけるマーケターとの連携はどのように行っているのでしょうか?

マーケティングの方向性における素案はマーケターが対応するのですが、その上で全体の企画として成り立っているか、note全体がやりたいことに沿っているか、プロダクトまで含めた時に成り立つものになっているのかなどをお互いに気を遣いながら一緒に進めています。二人三脚感は強いなと感じますね。

海外拠点のプロジェクトマネジャーを経てnote株式会社に入社後、プロダクトマネジャーに転向。

── 続いて、これまでのキャリアについて教えてください。

株式会社スプラシア(現博展グループ)

浅子:まず、大学を卒業したのち新卒でデジタルサイネージや動画合成エンジンを取り扱う株式会社スプラシア(現博展グループ)にwebディレクターとして入社しました。当時はプロダクトマネージャーという役職はなく、webディレクター全盛期の後半みたいな感じだったと思います。

── その会社をファーストキャリアとして選んだ理由を教えてください。

浅子:もともと海外で働くことを中長期的に意識したかったのが大きく、その上で勢いのあるIT領域で何かを作っていくことが面白そうだと感じ、就活の中でご縁があり入社に至りました。
当時はフィリピンを開発拠点としていた時期だったので、フィリピンのメンバーとプロダクトを作っていました。小規模の会社だったこともあり、プロダクト制作だけでなく、営業や契約調整、マーケティング、アクセス解析など幅広い業務をwebディレクター業務と並行して行っていました。

株式会社モンスターラボ

浅子:その後、より大規模なプロジェクトに挑戦したいと考え、受託開発会社モンスターラボにグローバル・ソーシングのPMとして移籍。入社直後に私史上一番炎上していた案件にアサインされ、立て直し要員としてベトナムに3ヶ月出張しました。

その後、現地のグループ会社に出向し、転籍して社員になりました。ベトナムの会社(現Monstar Lab Vietnam)には日本人と、日本語が話せるベトナム人が300人ほどいたのですが、彼らのマネジメントやPMOのような動きをしていました。

やりがいを感じつつも、よりカスタマーに近い距離で仕事をしたいという気持ちが生まれ、日本の拠点に戻りました。そこではベトナムで築いた信頼関係を活かして日本の案件をベトナムで開発したり、バングラディシュの開発チームと一緒にプロジェクトを遂行するスクラムマスターとして従事したりしました。

アドビ株式会社

浅子:その後、外資IT企業の研究開発チームにて、マーケティング製品群全般のプログラムマネージャーを担当したのち、ご縁がありnote株式会社にプロジェクトマネジャーとして入社することになりました。

note株式会社

── noteに入社した決め手は何でしたか?

浅子:長らく受託開発領域でプロジェクトマネジャーをする中で、クライアント側の状況などにより自分の力ではどうにもできない事象により諦めなければいけないことがあったんですね。
そのうち、もっとエンドユーザーに喜んでもらったり、社会的価値を感じてもらったりするプロダクトに関わりたいと思うようになったことが転職の理由です。
ミッションビジョンバリューを大切にし、メンバー一人ひとりがクリエイターファーストで取り組んでいるnoteの方針に私も共感できたため入社しました。

入社当時、noteは代表の加藤さんと深津さんのプロダクト開発における知見を活かした土台を作りつつ、コロナ禍でユーザーが増えて社会的にもやるべきことが増えてきた段階でした。そこから専任のプロジェクトマネジャーを採用する流れがあり、入社した経緯となります。

── プロダクトマネジメントを重点的に担当するようになった経緯を教えてください。

浅子:プロジェクトマネジャーとして入社したものの、プロジェクトをパズルのように組み合わせながら物事を進めていくのは、noteが叶えたいユーザーへの価値提供には寄与しないことに気づき、プロダクトマネジメントとしっかり向き合っていこうという流れになりました。

また、私自身モンスターラボに所属している頃からプロダクトマネジメントには興味が強くあったため個人で勉強したり、カンファレンスに参加したりしていました。noteに入社する際もプロダクトマネジメントへの意欲は伝えていたこともあり、プロダクトマネジメントチームが発足する際に声をかけていただいたというのも背景です。

── プロジェクトマネジメントからプロダクトマネジメントに転向する際に大変だったことはありましたか?

浅子:たくさんありましたね。一番苦戦したのはプロジェクトマネジメント思考からのシフトです。プロジェクトマネジメントでは、クオリティ・コスト・デリバリー・スコープのバランスを取りながらプロジェクトを着地させることに注力していましたが、プロダクトマネジメントでは、ユーザー中心の思考と迅速な仮説検証が求められます。
最初はプロジェクトマネージャーの「うまく着地させる」という思考の癖がなかなか抜けず、イノベーションやリスクをとることが求められる場面で躊躇することがありました。
最初の1~2年は理想とするプロダクトマネジメントと実際のアウトプットの間に大きな差を感じ、そのギャップを埋めるために努力していた時期でした。

── 思考のギャップをどのように埋めていったのでしょうか?

浅子:周りのメンバーにフィードバックをもらうことが一番大きかったと思います。
自分の考えや作成した成果物を荒い段階で共有し、フィードバックを受けることで考え方を擦り合わせたり、新しい考えを取り入れたりしていきました。

プロジェクトマネジャーとして身につけたスキルを武器に、定性的スキルを意識的に磨いていく

出典:https://www.ravi-mehta.com/product-manager-skills/

── 続いて、12PMコンピテンシーを用いて、浅子さんのスキルや強みについて掘り下げていきたいと思います。特に強みと感じているコンピテンシーはありますか?

浅子:Product Executionのところが得意領域になると思います。Product Executionと、Influencing Peopleはプロジェクトマネジメントで重要視される領域です。これらは過去のプロジェクトマネジャーとしての成功体験やバックグラウンドの長さから身についたスキルだと思います。

── その他のスキルはどのように習得されたのでしょうか?

webディレクターからプロジェクトマネージャー・スクラムマスター・プロダクトマネージャーといった経歴を辿っているため、開発経験はありません。
コーディングやプロダクト開発の知識は、開発者やデザイナーと協働する中で自然と身につけてきました。さらに、実際のニーズに応じて自学も行い、技術的な理解を深めるためにコーディングキャンプに参加するなどして学びました。

Customer InsightやProduct Strategyの領域に関しては、プロジェクトマネジメントやクライアントビジネスをする中で必要なことを都度身につけていく形で習得しました。私が受託会社に勤めていた時期は、データやVOC、UXデザインはあまり重視されていなかったため、noteに入ってから身につけていった印象が強いです。
特に、UXデザインに関しては書籍を読むなどして理論を学びつつ、UXリサーチャーとの協働を通じて実践的なスキルを磨いています。自分自身、データ分析よりも定性的な方向から課題を見つけることを強みとしていった方が良いだろうなと思っているため、意識的に学んでいる領域です。

Product Strategyに関して、戦略理解は受託会社でクライアントのビジネスモデルを理解してプロダクトに落とし込むことでかなり身についているかと思います。
目標管理やビジョン・ロードマップはまだ経験値が高いとは言えないかと思います。今も行ってはいるのですが、あくまでも大きなプロダクトの中の一領域を担っている状態ですね。

── note特有のメソッドなどはあるのでしょうか?

浅子:はい、考え方やプロジェクト開始時に考慮すべき事項などはメソッドとしてあります。
CXO(チーフ・エクスペリエンス・オフィサー)深津さんやCEO 加藤さん、CDO(チーフ・デザイン・オフィサー)の宇野さんなど、経営メンバーがプロダクト開発における知見があるので、積極的にフィードバックをもらって受け止め、思考の癖を合わせていくようにしています。例えば以前深津さんから「それって横展できる?」と言われたんですが「こういう観点で見ていくと、スケーラビリティを考えた施策が検討できるんだな」とか「こういうところを埋めていけるとユーザー体験が良くなるんだな」と学び取っていました。
今では「僕の中の深津さんがこう言ってるんですが」という言葉を使うこともあります(笑)

マイルールは、「noteに関わる人がハッピーになる意思決定をすること」

── 大切にしているマイルールを教えてください。

浅子:関わる人々がハッピーになる意思決定をすることでしょうか。以前参加したプロダクトマネジャーカンファレンスに登壇していた及川 卓也さんが「仕事は一日のうちの多くの割合を占めているのに、それが楽しくないと感じたら何かがおかしい」と仰っていてハッとしたんです。受託開発で自分自身も、メンバーも疲弊している姿を見てきたこともあり「楽しくなきゃダメなんだ」ということに社会人何年目かにしてやっと気づきました。
そこから、自分が楽しくなるためにはまず周りが辛い思いをする意思決定はすべきではないという考えに至りました。

noteに入社してからは「利用ユーザーと私たち」だけではなく、手が届く範囲にいる人から、さらに対象を広げてハッピーにできるよう意識しています。
noteを利用しているあらゆる人やこれから利用するであろう潜在ユーザー、ひいては会社の視点で見て会社に関わる人がハッピーになるか、といったところまで考えていかないと長く生き残っていくプロダクトにはならないのではと思っています。

型に嵌めず、メンバーやプロジェクトの状況に合わせた関係構築方法でチームビルディングする

── いいチームを作るために工夫されていることはありますか?

浅子:過去の成功体験や世間でおすすめされているフレームワークなどに固執せず、現在のチームの状況や各メンバーの個性に合わせたアプローチを取ることを重視しています。
チームといっても使える予算や人数、会社の状況やメンバーの性格で理想とするコミュニケーション方法が変わってくると思っています。

私も過去チームビルディングに成功したプラクティスや考え方を新しいチームに当てはめようとした時期がありましたが、全然響いている感じがなく結果も返ってこないということがありました。そこから、フレームワークだけで関係構築しようとするのではなく、チームが創成した初期で関わりを増やしたり、信頼関係が醸成できるコミュニケーション方法を考えていくようになりました。

── コミュニケーションを意識的に増やしているということでしょうか?

浅子:メンバー次第です。あえて増やさないこともあります。グイグイこられるのが苦手な人もいますので、そういった場合はできるだけ短いコミュニケーションを意識したり、チーム発足の初期段階で本人の理想の働き方やストレスを感じるポイントをヒアリングしておいたりします。会話の量は無理に増やさなくても、日々の朝会などで小話をお互いにするとかだけでも十分信頼関係が積み上がっていくものかなと思っています。

社内外から情報をインプットし、俯瞰的な目線で考えるのが企画のポイント

── 質の高い企画や課題に対して筋のいい打ち手を生み出すために、意識して取り組まれていることはありますか?

浅子:自分では打率が高いとは感じておらず、自信がそんなにあるわけではありません。今後もっと伸ばしていきたいなと思っています。

そういう意味で意識しているのは、物事を俯瞰して見ること、さまざまなステークホルダーの意見やその背後にある思考を理解することでしょうか。
情報を大量にインプットすることに抵抗がないため、社内の他のチームの戦略・戦術を把握し、それを企画に活かしていくようなこともあります。
また、誰が何をしているのかを把握することにも自然と力を入れています。これは意識しているというより、得意なことなのだと思います。全体を俯瞰した上でどんな動きを取るべきかの判断をスピーディーに行うことで、ユーザーに対し迅速に施策を届けられると思っています。

個人的に、自分のインプットしたものや経験したこと以上のアウトプットはできないと常に思っています。そのため、日々ネットだけでなく物理的なサービスなども見て学び、抽象的な思考を行い、それをどのように自社のサービスに活かせるかを考えることが好きで、自然とやっています。これはPMとしてスキルを楽しく伸ばす方法の一つだと思っています。

── 社内の他チームの戦略・戦術を把握するためにどのようにコミュニケーションを工夫しているのでしょうか?

浅子:コミュニケーションを取ることが苦手ではなく、むしろ好きなので、自然と直接仕事をしていない人たちとも広くコミュニケーションを取っています。会社の全体的な飲み会には積極的に参加するようにしており、普段仕事では話す機会がない人とも飲み会で会話することがあります。リモートワークが中心になっても、Slack上でも物理でも顔を出すように心がけていますね。

浅子さんからのおすすめ本

── プロダクトマネージャーにおすすめの本がありましたらご紹介お願いします!

浅子:他の方のインタビューでたくさんのスキル本が紹介されていると思うので、私からは違う切り口で紹介できればと思います。

一昨年に映画化された『映画大好きポンポさん』という原作漫画がおすすめです。ハリウッドで映画監督を目指す青年と売れっ子映画監督の話で、全三巻とアンソロジーがあります。元々ものづくり系のアニメや漫画が好きで、作品作りに情熱を注ぐストーリーが好きです。
似たようなジャンルだと『左利きのエレン』も好きですね。

「映画大好きポンポさん」は熱狂的に映画を作る物語で、困難に直面した時にどのように問題を解決するかが描かれており、私たちの仕事と似た部分が多いためとても共感できる作品です。没入して制作に取り組む姿や、問題が起きた時に乗り越えていくシーンを通じて自分の過去の経験を思い返すこともできます。映画もとてもよくできていて面白いので、ぜひチェックしてみてください。

最後に

浅子さんのお話はいかがでしたか?
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