課題解決ドリブン!顧客の課題を考え、最短距離の打ち手を。

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すずけんさん_メイン画像

今回は、株式会社TimersでFammのPdMとプロダクトオーナーをされているすずけんさん(@suzukentaro)にお話を伺いました。

すずけんさんは大手企業など数社でディレクター・PdMを経験し、株式会社Timersへ入社されました。

ディレクターからPdMに変化していく中でPdMとして重要だと感じた点、具体的にどのような取り組みをしているかなど、様々なお話が伺えましたので、是非ご覧ください!

この記事は100人100色のプロダクトマネージャー(PdM)のリアルを知るためのインタビュー記事「PdM Voice」の連載第4回目の記事です。
(文章:竹村 淳(@juntakemura_pdm))

家族に関わる2つのサービスでPdMを担当

Q.まずはご自身の仕事について教えてください

株式会社Timersで2つのプロダクトマネージャーを担当しています。

1つはFammという家族間の写真シェアアプリで、こちらは入社してから3年間PdMとして担当しています。

https://famm.us/

もう1つは昨年の9月から始めた「Famm出張撮影」というプロカメラマンによる家族写真の出張撮影サービスで、PdMとプロダクトオーナーを兼任で担当しています。

後者は企画・立ち上げから携わっているサービスです。

https://snap.famm.us/

Q.どのようなキャリアパスでPdMになったのでしょう?

新卒で入社した会社から、基本的にはずっとWEBディレクターをしておりました。
5年ほど前、前職でPdMというポジションを募集しており、それがPdMのはじまりでした。
ただ、当時は「ディレクターの延長」という感覚で考えていたので、きちんとPdMの役割について意識し始めたのは2年前ほどからでした。
その頃にはPdMが世間でも少しずつメジャーになってきていたこともあり、イベントや記事で学び始めたのです。

Q.ディレクターからPdMになるきっかけはあったのでしょうか?

きっかけがあったというより、自然に進んでいったような形です。
当時求められていた役割と、ディレクターとして行っていた役割が近かったことため、その延長でPdMになっていきました。

Q.そこから、2年前にPdMの役割について意識し始めたとのことでしたが、そこでディレクターとプロダクトマネージャーの明確な違いを感じたことはありますか?

ディレクターとPdMの違いはよく考えていますね。

PdMは期待されている成果に対してしっかり結果を出すことが求められる一方で、ディレクターは「ディレクションが上手にできること」が求められていると思っています。

プロダクトマネージャーは全体最適で、ディレクターは局所最適というイメージですかね。

【ミッション・役割】企画をチームにとって納得感のある形に

Q.今の会社でのプロダクトマネージャーのミッション・役割はなんでしょう?

プロダクトオーナーの出した企画に対し、必要な情報を集め、チームに納得感のある形で企画を落とし込んでいます。
また、リリースした機能の結果を受けて、今後の方針をプロダクトオーナーと議論して決めていく役割も持っています。

Q.普段から追っているKPIはありますか?

顧客満足度(NPS)や、機能が利用されて価値を提供できているかどうかをログ分析をしてKPIとしています。
ポイントは、KPIを個人やPdMだけで責任を持つのではなく、チームとして責任を持って動くということです。そういう意味では、この「チームで動ける状態にする」がPdMの一番の役割だと言えますね。

Q.プロダクトマネジメントトライアングルに置き換えるとどの領域を担当することが多いでしょう?

すずけんさん_PdMトライアングル
すずけんさん_PdMトライアングル図解用

1つは開発とビジネスをつなげるところです。
私自身、開発に関してはある程度知見があったので、ビジネスにつながる開発仕様を作るのは得意にしています。この部分ははじめの頃からメインで行なっていました。

2つ目はユーザーとビジネスをつなげるところです。
マーケティングやBizDevには最近力を入れていますね。
ここはそれぞれ担当者がいるので、連携を強めているところです。

また、開発チームに顧客視点を持ってもらうことは意識していますね。
どうしても機能を実装することに注力してしまうので、その向こうにある顧客の体験に意識を持ってもらうように働きかけています。

Q.開発チームに顧客体験への意識づけをしているという点で、具体的に行なっている活動はありますか?

ユーザーインタビューに参加してもらい、実装した機能への評価を見てもらうようにしています。
また、その時間に参加できなくても、WEB会議で録画したものを共有したりもしています。
そうすると開発チームメンバーからも何らかの反応は得られるので、それを続けていくことでだんだん意識ができてくるのではと考えていますね。

【体制】開発チームの一員としてプロダクトオーナーや各部署との連携

Q.社内の体制についても教えてください。

自チーム内の体制は、
・プロダクトオーナー
・プロダクトマネージャー
・開発チーム(エンジニア/デザイナー/QA)
で、合計15名くらいのグループを3チームに分割しています。

自チーム外でよく連携しているチームは、
・マーケティングチーム
・CSチーム
・経営陣
です。

プロダクトマネージャーは開発チームの一員という位置付けです。
毎日コミュニケーションを取るのは開発チームとプロダクトオーナーです。
マーケティングチームやCSチームとは毎週の定例では必ずコミュニケーションを取っています。
それ以外にも経営陣とも距離が近く、大きめの企画についてはよく意見交換しますね。

【実績】1年半かけ、開発チームを助け合えるチームに

Q.PdMとしての自慢できる実績は?

難しいですが(笑)…2つ挙げたいと思います。

1つ目は前職での大規模なパートナーシップ案件(GREEとYahoo!の提携)ですね。
私は主に開発ディレクションを担当したのですが、短期間で超大型な連携を行わなければいけず、関わる人も最終的に50人ほどに膨らんだ複雑な状況の中で、無事スケジュール通りにリリースを実現できました。

2つ目は最近の話になりますが、開発チームがチーム一丸となって案件が進められるようになってきたことです。
Timersに入社当時の3年前は、PdMと開発が上手く連携できていなかったのですが、2年ほど前から私自身もPdMとしての動きを意識し始め、スクラムでチームとしての動き方を強化していき、ここ半年くらいでできるようになってきたと感じています。

Q.チームとして動けるようになってきたと実感した点はありますか?

1つは、助け合いができるようになってきたことですね。
各々の業務範囲を決めてしまうことはよくありますが、最近は誰かの業務が逼迫している時のサポートが自然にできるようになりました。

また、施策に対する議論も立場関係なくできるようになってきたことも進歩だと思います。
以前は、「施策の内容はPdMにお任せ」という空気だったのですが、データやインサイトなどの情報や、PdM・デザイナーそれぞれの事情などをオープンにしたことで理解が進み、議論も活発にできるようになってきました。

Q.すごくいいですね…!助け合いをするために何か取り組んだことはありますか?

効果的だったのは、定期的に振り返りの機会を作ったことでした。
何か上手く進まなかった事があった際、「誰かの問題」ではなく「チームとしてその問題を解決するには何をしたら良いか」を話し合って行動してきたことが効いてきたのだろうと思います。

【行動指針】「課題解決ドリブン」課題を考え、使えるものは全て使う

Q.行動指針や大切にしていることはありますか?

常に「課題は何か」を意識するようにしていますね。
施策を考える時も「課題解決ドリブン」で進めています。
顧客は何かしら「課題」があってサービスを使ってくれるので、内側(ユーザー)からも外側(市場)からも課題を見つけて目標設定をする形です。
そして課題を解決するために使えるものは全て使う、という考えで打ち手を考えていきます。

Q.良い課題を見つけるために取り組んでいることはありますか?

情報収集は積極的に行なっていますね。
新商品や新サービスはできるだけ触れるようにしています。
例えば私は30代後半なのですが、最近使ってみたTikTokはUIもパーソナライズも優れていて参考になるサービスです。
また、5〜10年後にTikTokに慣れ親しんだ世代が自分達のメイン顧客になることを考えると、その感覚を知っておくのは大事だと思います。

あとは、大胆に視点を変えてみるのも一つの手です。
例えば、課題を国家レベルで捉え直すなど。
さすがに国家レベルの課題は解決が簡単ではないので、最終的にはブレイクダウンするのですが、思考の転換としては有効です。

Q.先ほど「使えるものは全て使う」というお話がありましたが、どのような範囲で捉えられていますか?

私が行動して動かせる部分であれば全てですね。
人的リソースが多くある組織であればそれを活用しますし、資金が潤沢であればそれを活用します。
例えば、小さな会社では資金も少ないのでリソース制限のある中で知恵と労力を絞る必要がありますが、資金が潤沢であれば必要なサービスを提供している会社を買うというのも一つの手です。
重要なのは、自分の手元にある武器が何かを認識して、それが使える状態なのかを意識すること。
そして、できることを判別して最短距離を探すことですね。

【挑戦】目標設定の質を高める

Q.今、挑戦していることはありますか?

「質の良い目標設定」に取り組んでいますね。

PdMにとって目標設定は重要だと考えています。
「質の良い目標設定」とは「インパクトが残せる目標にできるか」と「メンバーにとって納得感のある目標にできるか」のバランスを取ることです。
高すぎる目標はメンバーが疲弊してしまいますし、低すぎる目標は顧客の課題解決に時間がかかりすぎてしまいます。
そのバランスを取るために、ひたすらユーザー・経営・メンバーの三者にヒアリングすることは必要ですね。
経営層からはどのような理想像を持っているのか、どこを目指しているのかを聞き、メンバーからはどのレベルならモチベーション高く取り組めるのか、何に興味があるのかを聞いています。
その上でバランスの良い目標を設定し、どのように伝えるか、ということを意識していますね。

Q.5年後、どうなっていたいですか?

「良いPdMの動きは何か」の本質をつかみ、仲間や後輩に再現性高く伝えていき、顧客の課題を解決できるようなチームをどんどん作っていきたいです。

今の課題としては「言語化」ですね。
社内でもPdMのメンバーと1on1を行なっているのですが、言語化された情報を残すことはできていないので、ドキュメントや動画など言語化した形で残していきたいと思っています。

【悩み】圧倒的に時間が足りない

Q.PdMとしての悩み、困りごとはある?

圧倒的に時間やリソースが足りないことですね。
PdMに求められるのはビジネスの結果と顧客の課題解決という大きいもので、そのためにはやらなければいけないことがたくさんあると思います。
ただ、全てを丁寧にやろうとすると絶対的に時間が足りないので、やらないことを決めたり、優先度をどう付けるかが悩みですね。

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特にパパ・ママ向けのサービスなので、お子さんのいらっしゃる方は自らもユーザーとして一緒にサービスを育てられればと思います。
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【他のPdMに聞きたい】「課題」に関するリアルな話

Q.他のPdMに聞いてみたいことはありますか?

私も「課題」を大切にしているので、「課題の見つけ方」と「なぜその課題に取り組もうと思ったか」を聞いてみたいですね。
リアルな話を聞く機会は限られているので、Twitter(@suzukentaro)上や対面などでぜひ聞いてみたいです。
コロナ自粛期間を終えたら、恵比寿駅近くの人であればランチをおごりますのでお気軽にお話しましょう!

最後に

すずけんさんのお話はいかがでしたか?

私もPdMとして仕事をする中で特に以下の3点は非常にためになり、共感もできる部分でした。

・「課題」を意識し、使える打ち手を全て使って最短距離での課題解決を目指すこと
・地道な振り返りを通して、助け合えるチームを作って行ったこと
・圧倒的に時間が足りず、最短距離ややらないことを意識すべきということ

具体的な取り組みもお話いただき、参考になった方も多いのではないでしょうか?

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