大企業のPdMとして活躍するために必要な3つのこと

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大企業のPdMとして活躍するために必要な3つのこと

この記事はプロダクトマネージャー Advent Calender 2020 13日目の記事です。

こんにちは、マツバラヤスユキ(@yaspontax)です。

2019年に従業員数:数百人規模から数千人規模の大企業に転職しプロダクトマネージャーとなって働いていきたこの1年くらいを振り返りながら、少しでも誰かのお役に立てたら幸いと思いながら書きます。

この1年で意識して取り組んできた結果、社内関係者からの信頼を得ることに繋がり、自分としてもそれなりに成長実感を得ることができたポイントをお伝えしたいと思います。
ちなみに、サンプルは僕の実体験のみとなりますので、その点はご了承ください。笑

少し長めの自己紹介

「早く結論を!」という方は、このパートは読み飛ばしてください。笑

新卒で自動車関連の広告メディアなどを運営する事業会社に入社し、既存Webサイトの戦略策定から改善施策の企画・システム要件定義、新規事業立ち上げに伴うWebサイトの新規開発プロジェクトマネジメント、Webディレクターチームのリーダーなどを経験しました。他社への事業譲渡に伴うプロダクト関連領域の調整なども経験したのですが、今思うと貴重な経験を色々させてもらったな〜と懐かしい気持ちになります。

その後、30歳目前にして「まだあと40年くらい働くなら、俺はHRドメインで生きていくぞ!」と決意し、2019年5月にパーソルキャリア株式会社に転職しました。従業員数で見ると数百人規模から数千人規模の大企業への転職となります。
2019年10月頃から社内でプロダクトマネージャーに抜擢され、転職アプリのグロースを担当することになりました。
今のところ社内関係者からの期待に応えられているようで、現在も引き続き続投中です。

入社当初は、初転職で緊張のオーラを全身に纏っていましたが、今では自由な髪型(天パなのにパーマをかけてみたり)、自由な服装(Y-3にハマってワイドパンツを履いて出社してみたり)を手に入れました。
※もちろん個人で自由度は変わりません。僕の心持ちが変わっただけです。笑

ちなみに、転職して数ヶ月経った頃にプロダクトマネージャーに抜擢されたのですが、「なぜ、入社間もない僕がプロダクトマネージャーになれたのか?」と自己分析した記事も過去に書いています。もしご興味ある方は読んでみてください〜!

大企業のPdMとして活躍するために必要な3つのこと

早速、この記事の結論からお伝えしますが、僕が考える大企業のプロダクトマネージャーとして活躍するために必要な3つのことは以下の通りです。

①構造化して論理的に意思決定し、ステークホルダーとの合意形成に真摯に向き合うこと

②主観に固執せず、事業・ユーザー・開発はもちろん社内の専門家の意見を適切に取り入れながら、バランス感覚を持ってプロダクトのグロースを推進できること

③マルチタスクで複数プロジェクトを指揮し、企画チームメンバーへいいパスを出しまくること(プロジェクトマネジメントがかなり大事)

それぞれについて、必要な理由と実践する上でのポイントをお伝えしていきます。

①構造化して論理的に意思決定し、ステークホルダーとの合意形成に真摯に向き合うこと

なぜ必要?

冒頭でも申し上げた通り、従業員数で見ると数百人規模から数千人規模の大企業への転職をしたことから、1つのサービス・事業・プロダクトに関わる人の数が圧倒的に多いです。
これは入社当初、本当に驚きました。そして、仕事を進める上での難易度とストレスを爆上げしました。笑

前職ではわりと「〇〇の理由からA案で行こうと思いますが、いいですか?」(※内容に応じてB案やC案を用意したり、詳細情報も加えて資料化することもちろんある)と所属部署の責任者や事業責任者にサクッと確認してGOできていたことが、そんな訳にはいきませんでした。

その意思決定を行うために、B案やC案と選択肢を洗い出しメリット・デメリットを比較するなどして対応方針案を固めた上で関係者の合意を得る必要があります。
影響する人数が多いことに加えて、リスクに対する許容度があまり高くない事業ドメインによるところが大きいと感じています。

さらに、組織の方針としてデータドリブンな意思決定を重視していることから、論拠を明確に示した個人の意思決定に対して、多様な観点でのフィードバックを行い組織として意思決定の精度を上げることに取り組んでいる背景もありました。

このようなプロセスは、やってから失敗するリスクを下げる効果が見込める一方で、スピードを下げてしまいかねない課題があります。

では、いかにプロダクトの企画・開発のスピードも上げるかというと、調整時間を短く手戻りを少なくするために個人の意思決定力と合意形成力のレベルアップが欠かせないということになります。
客観的に見て妥当な意思決定を行いステークホルダーと合意形成できることは、大企業のプロダクトマネージャーとして働く上で、とても大切な要素であると言えます。

どうやる?

いくつかのケースに沿って実際にどのように「構造化して論理的に意思決定し、ステークホルダーとの合意形成に真摯に向き合うこと」を行っているか、ご紹介します。

プロダクトをグロースさせるための企画を行うケース

企画を行うケースでの実践が最も多いですが、以下の手順で行っています。

  1. 目に見える問題事象を引き起こしている課題仮説を洗い出し、定量分析などを行い真因を明らかにしていく
  2. 特定した真因の中から改善によるリターンの大きさや解決の難易度などをもとに課題設定を行う
  3. 改善仮説と打ち手の選択肢を洗い出す
  4. 打ち手の評価を行い絞り込み、打ち手を具体化する

その上で、ステークホルダーとの合意形成を行う必要があるのですが、結論としての打ち手のみではなく、問題事象−課題−改善仮説−打ち手のマッピングを行い、打ち手を導き出した思考プロセス自体と合わせて説明することで周囲の合意が得られやすくなっていると思います。

複数の関係者に関わる問題の対応方針を決めるケース

大企業においては機能が細分化されているため、複数の部署やグループに関わる問題の対応方針を決める上でも適切に関係者と合意形成を行うことが重要になってきます。以下のような手順で行うことでスムーズな合意形成ができるように努めています。

  1. 前提条件や制約条件を関係者で認識合わせする
  2. 対応方針に関する各関係者の観点で評価観点を洗い出し、判断基準を合意する
  3. 各観点で評価を行い、結果をまとめて関係者で結論を出す

プロジェクト方針資料や企画提案書を作るケース

資料を作る上でも、この視点は忘れてはいけません。論理的で筋の通った方針資料となるように以下の手順で取り組んでいます。

  1. 目次と各ページで伝えたいことを書き出して資料の骨子を作る
  2. 伝えたいことの裏付けとしてどんなデータが必要かを明確にする
  3. この時点でマネージャーにレビューしてもらうなど客観的な視点を取り入れて資料のストーリーをブラッシュアップする
  4. データ出しや資料の肉付けを行い仕上げる

資料作りもMVPの概念(自動車のタイヤからつくるのではなく乗り物としてのスケボーをつくる)で、全体像を形作った上で細部のクオリティを上げていくことが手戻りなく進めるために重要だと思います。

サービス停止の日程調整を行うケース

とても細かいのですが、インフラ関連作業の影響でプロダクトのサービス停止を行う日程を決める場合においても、論理的な意思決定を行っています。

曜日、時間帯別の訪問数やコンバージョン数など数値実績をもとに、サービス停止による効果毀損を算出して決定します。

この記事をお読みの方であれば「当たり前でしょ?」と思われた方も多いと思いますが、これを意識せずとも当たり前のように行える状態であることが大事だと思っています。

②主観に固執せず、事業・ユーザー・開発はもちろん社内の専門家の意見を適切に取り入れながら、バランス感覚を持ってプロダクトのグロースを推進できること

なぜ必要?

釈迦に説法ですが、プロダクトマネージャーは、プロダクトマネジメント・トライアングルで示されている通り、開発者・顧客・ビジネスを繋ぐ領域を健全に機能させることが求められていますよね?

前職では近いことをやっていたのですが、これを大企業でやるのは想像以上に難易度が高かったです。

まずは、組織が細分化されており、ビジネス部門をはじめマーケティング部署やカスタマーと対峙する部署との距離が思った以上にありました。
前職ではオフィスの隣の島にいたり、フロアを移動すればすぐに話をしに行けたのに、拠点が異なることから物理的に遠かったり、そもそも誰に相談したらいいのか分からないといった状況が多々ありました。

また、転職して会社規模も事業ドメイン、プロダクトも変わっているにも関わらず、過去の経験によるバイアスに囚われていたこともありました。
少人数のチームでプロダクトの企画・開発・運営を担った経験がある方であれば分かっていただけるかと思いますが、リソースは少ないが裁量が大きく責任範囲の広い環境下で成果を出すことを求められていたことで「自分がやらなければならない」「自分が決めなければならない」というマインド・スタンスが刷り込まれており、たくさんのメンバーや専門家、関係者を巻き込みながら物事を進めていくことには慣れていなかったと感じます。

しかし、社内には事業ドメインに長くいる方や様々な領域の専門家(データサイエンスやユーザーリサーチ、グロースハックなど)が豊富に存在しており、プロダクトマネジメント・トライアングルで示される領域を健全に機能させプロダクトをグロースさせるためには協力を引き出すことは欠かせない、「自分1人の力なんてちっぽけで組織内の知を集結させることが必要だ」と気付きました

どうやる?

至ってシンプルですが、人を知って、意見・アドバイスをもらい、自分なりの解釈でアウトプットしていくという流れです。

  1. 人を知るために、はじめは色々なところに顔を出す
  2. 社内の専門家や関係者に様々な意見・アドバイスを聞き、主観に固執しすぎず素直に受け入れる
  3. インプットした情報や考えを自分なりに解釈し、事業・ユーザー・開発の観点を考慮してバランス感覚を持ってプロダクトのグロースに取り組む

、、、と偉そうに書いてますが、まだまだ範囲は限定的であり、もっと大企業の良さを活用できる余地が大きくあると思っています。

③マルチタスクで複数プロジェクトを指揮し、企画チームメンバーへいいパスを出しまくること(プロジェクトマネジメントがかなり大事)

なぜ必要?

プロダクトを取り囲む体制としては、1つのプロダクトに対して、プロダクトマネージャー(=スクラム開発のPO)、スクラムマスター、複数名のディレクター、複数名のエンジニア、デザイナー、マーケ担当、データサイエンティストなどが紐づいている形です。

プロダクトマネージャーは、企画(ディレクター)チームのリーダーのような役割も兼ねている(所属グループのマネージャーは別にいます。)のですが、プロダクトをグロースさせるためのプロジェクトや施策の企画・推進を複数名のディレクターとチームで行っているため、チームでアウトプットを最大化させることも重要な役割となります。

よくプロダクトマネージャーは「Why」と「What」に責任を持ち、プロジェクトマネージャーは「When」と「How」(他にも「How much」や「Who」が入ったり)に責任を持つと言われたりしますが、今の僕の立ち位置では明確な線引きはできない状態です。

そのため、オーケストラの指揮者のような感覚で複数のプロジェクトや施策を進行し、企画チームメンバーへいいパスを出しまくり、状況に応じて柔軟に変更することが必要となります。

どうやる?

まずは自分でやらなきゃならないというバイアスを捨てて、企画チームメンバーへ積極的に任せることが大切です。

僕は②のパートでも記載した通り、「自分がやらなければならない」「自分が決めなければならない」というマインド・スタンスが強めに刷り込まれていたので、実はここに苦労しました。

その際に、注意が必要なことがあります。

「Why(なぜそれをやるのか?)」と「What(何をやるのか?)」に責任を持つことを放棄してはいけません。

戦略や方針に基づく目標を達成するために実施するプロジェクトや施策は、目標を達成できてこそはじめて成功したと言うことができます。
戦略や方針、目標があるからこそ「Why」と「What」が決まるのであり、最適な「Why」と「What」を決めることがプロダクトマネージャーとしての責務であると思います。

また、組織の中でプロジェクトや施策を進めると言うことは、当然会社のお金(開発リソース含む)を使うことになり承認を得て行う必要があります。
承認を得るためには組織の戦略や方針に沿ったものであることが必要なので、接続させるためにも「Why」と「What」を握ることは重要です。

次に、企画チームへのいいパスについてですが、相手を見極めて「Why」と「What」の余白を調整して任せることだと考えています。
例えば、Aさんには「Why」と「What」が確定した状態で任せるが、Bさんには「Why」は一定定まっている状態だが「What」は決まっていない状態で任せるといった感じ。
(同じ相手でもリソース状況などによって調整が必要だと思います。)

そして、複数のプロジェクトや施策が並行して動くことになるので、適切に優先順位を判断してトレードオフを行ったり想定されるリスクを考えて先回りして動いたりと、プロジェクトや施策を成功裏に完了させるためのプロジェクトマネジメントがかなり大事です。
必要性は理解しつつも「(心の声)もう少し選択と集中をした方がいいのでは?」と思うほどマルチタスクが求められる環境下なので、プロジェクトマネジメントをメインミッションに取り組んでいた時期の経験やPMBOKを学びPMPを取得したことが活きています。

最後に

この記事をお読みいただきありがとうございました!
僕がこの1年で意識して取り組んできた結果、社内関係者からの信頼を得ることに繋がり、自分としてもそれなりに成長実感を得ることができたことをお伝えさせていただきました。
少しでもお読みいただいた方のお役に立てていたら幸いです。

振り返ると、この1年は専門家スキルよりもまずは初めて経験する事業ドメインや大企業で働く上でのスタンスやポータブルスキルをメインにストレッチしてきた感じでした。

所属組織の事業内容やフェーズなどによってプロダクトマネージャーに求められる役割やスキルは異なると耳にたこができるほどよく聞きますが、マインドセット(考え方や意識など) / スタンス(ふるまいや行動など) / ポータブルスキル / 専門スキルを区別しながら自分を成長させていくことが大事なんじゃないかと思います。

お読みくださった方へのお願い

皆さんが日々「意識して取り組んでいること」を聞かせていただけると嬉しいです!
twitterにコメント付きで記事を投稿いただくか、twitterのDMを送っていただくか、個人でプロダクトマネージャーへのインタビュー活動を行っているのでそちらでお話聞かせてください!

プロダクトマネージャーへのインタビュー活動について

PMノートでは「かけだしプロダクトマネージャーにキャリアのヒントを」というテーマで、100人100色のPdMインタビュー記事を連載しています。

インタビューの内容は、プロダクトマネージャーとしてはたらく上での「リアルな声」として、キャリアパスやミッション、プロダクトマネジメント・トライアングルでの担当領域、大切にしているマイルール、チームづくりで工夫していること、現在挑戦していること、悩みなど様々なお話を伺っています。

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