誰も発明していないプロダクトの創出に取り組むNstockのPMから学ぶ!「あるべき姿」からプロダクトを生み出すヒント

今回は、Nstock株式会社でプロダクトマネージャー(以下、PM)を務める佐藤潤(さとじゅん)さん(@junsam22)に仕事内容やキャリア、マイルールなどのお話を伺いました。

佐藤さんは、インターネット広告の営業、ソーシャルゲームの開発、複数のスタートアップ企業への参画を経て、株式会社メルペイでFintech領域のPMとして活躍し、現在はNstockで新規プロダクトである「スタートアップのための非上場株式のセカンダリー取引」(以下、セカンダリー事業)の立ち上げに尽力しています。

今まで誰もやったことのないビジネスおよびプロダクトの発明に向き合っている佐藤さんは、toCプロダクトの開発やメルペイにおけるFintech領域の経験から、プロダクトアウトによるプロダクトづくりに深い造詣を有しています。このように、プロダクトアウトを起点に議論を進めるエピソードや、プロダクトビジョン、ご自身のキャリア観など、多くのお話から「あるべき姿」を描き、それをプロダクトに反映することの大切さを伺うことができました。

非上場株式のセカンダリー取引プロダクトを開発

── まずはご自身の仕事について教えてください。

佐藤:私はNstock株式会社でPMをしています。Nstockでは、Fintech領域における、セカンダリー事業を立ち上げ中で、未上場スタートアップのストックオプションを換金できる手段を提供するプロダクトを開発しています。

そもそもNstockがこの事業に注力するに至った背景として、未上場段階でもストックオプションの価値を解放することの必要性を感じていたためです。スタートアップでは、ストックオプションを付与し、会社が大きくなった後のExitを通じて会社の成功と個人の経済的な成功をアラインさせてきました。しかし、日本では上場しないとストックオプションを換金できないのが現状です。かつて、1990年代ごろまでの日本では上場までの期間が短く、4〜5年で上場し、換金できていたため、この制度で問題はありませんでした。しかし、現在では上場までの年数が10年以上と長期化しているため、この仕組みが適合しなくなってきています。

また、ユニコーン企業の増加に伴い、未上場で事業を大きくしてから上場するケースも増えているため、報酬設計のアンマッチが生じていると感じています。そこで、我々は未上場段階でもストックオプションの価値を解放することを目指し、このプロダクトを立ち上げました。

── プロダクトの具体的な内容についても教えてください。

佐藤:現在、プロダクトは開発中のため詳細はお話できませんが、わかりやすく言うと、従業員が保有するストックオプションを換金できる仕組みを構築します。これを実現するために、証券会社を設立し、金融商品を売買するための体制を整えています。

── プロダクトの立ち上げに伴って、証券会社を作る必要性があるのですね。

佐藤:はい、なぜなら金融商品を扱うためにはライセンスが必要だからです。私たちは金融商品の取り扱いをしっかりと行うことを重視し、証券会社としての運用フローを構築しています。

スタートアップにとってのインフラとなり、30年以上続くようなサービスを作りたい

── 続いて、プロダクトビジョンについてお答えいただける範囲で教えていただけますでしょうか?

佐藤:我々はこの事業を通して、スタートアップにとってのインフラを作っているという感覚を持っています。金融サービスは、水のように無意識に使えるものとして、預金や送金が当たり前に行われる世界があります。同様に、未上場でもストックオプションを売買できるような世界観を作りたいと考えています。これは、ある種、金融のインフラを作ることと同じだと思っています。

私たちはスタートアップのエコシステムに良いことをしていきたいと強く思っています。その上でプロダクトビジョンとしては、30年以上続くようなサービスを作りたいと思っています。金融のインフラになるということは、長期的に持続可能なものであることが求められていると感じています。だからこそ、普遍的な価値を提供し、長い目で物事を見て作っていくというのが大きなビジョンです。

── そのお話いただいたビジョンと、さとじゅんさんの価値観やキャリアビジョンとが繋がっていると思う点はありますか?

佐藤:私がNstockに入った決め手は、この会社が解決する課題を愛せるかどうかということでした。というのも、私自身がストックオプションの良いところも悪いところも経験してきたことから、ストックオプションがもたらす恩恵でもある、スタートアップにチャレンジする人が報われる世界を作りたいと思っていました。一方で、ストックオプションを売却して得たお金をどう使うかに悩むことが多いのですが、日本にはスタートアップで得た大きなお金に対する最適なソリューションがないと感じています。これらの課題に取り組むことが私のキャリアビジョンと一致しています。

── Nstockではこの事業・プロダクトに取り組むまでに、4回ものピボットを経ていると伺っておりますが、そうした試行錯誤をしていた過程にあっても、ビジョンの根底は一貫していたのでしょうか?

佐藤:そうですね、金融という領域で人々のお金の悩みに寄り添うという軸は一切ぶらさずに、様々な事業・プロダクトの候補があった中で、中長期的なゴールを見据えてどの順番で立ち上げていくと良いのかを仮説検証し、より課題の深い領域から取り掛かりました。

仮説検証のプロセスとしては、弊社の場合、代表が私たちに課題を預け、意思決定含め任せてくれます。ヒントやアイデアなどの面でサポートを提供してくれつつも、基本的には私たちがオーナーシップを持って進めるという形です。現場レベルで意思決定を行い、共有やフィードバックを受けながら次のステップに進むというプロセスを大切にしています。

プロダクトアウトのアプローチで誰もやったことのないビジネスモデルの創出に取り組む

── 現在向き合っている課題と、それをどのように解決されようとしているのかお伺いできますでしょうか?

佐藤:私たちが向き合っている課題は誰もやったことがないものです。似たようなサービスとして、未上場株の売買をするビジネスモデルは存在しますが、私たちのビジョンと合致するサービスを提供しているプレイヤーは日本には存在しません。アメリカでは事例がありますが、法律や税制の違いからそのまま踏襲することはできません。

このため、いわゆる「プロダクトアウト」のアプローチを採用しています。私たちは、マーケットのニーズをそのまま反映するのではなく、ビジョンを先行させて「こういうものが必要だ」と信じてプロダクトを開発しています。そうした営みを通じて開発することは、toC向けサービス的な要素が強くて面白いなと感じています。

── そうした課題に向き合う中で、どのようにプロダクトマネジメントを進めるように心がけていますか?

佐藤:私たちのプロダクトマネジメントは、非常にオープンな議論を重ねながら進めているのが特徴的です。例えば、我々としてこういう世界があったら良いのにと考えていることに対して、世の中の人がそれに共感できるのかどうか、あるいは、「ありたい姿」に今なれている人とそうでない人との差分をプロダクトでどう埋めていくのかについて、上場企業でストックオプションを売却した人の経験を参考にしてギャップを埋められないかということを、わいわいとディスカッションしているようなイメージです。ディスカッションをするメンバーの中には、ストックオプションにまつわる課題を経験を通して認識しているメンバーだけでなく、純粋にスタートアップの環境をより良くしたいという思いを持つ人も多く、経験がなくても一緒にプロダクトを作り上げることができる環境となっています。

── あるべき姿を描き、プロダクトアウトのアプローチで先回りして価値を提供しようという発想は興味深いですね。

佐藤:そうですね。Fintech系のサービスの成り立ちを紐解いていくと、プロダクトアウトで作られているものが非常に多いと感じます。様々なFintech系の企業の取り組みを見ていると、自分たちが思っている世界観に向き合ってサービス提供している事例が多いです。

また、Fintechのプロダクトマネジメントでもう一つ、一般的なソフトウェア開発とは異なる部分を挙げるとすれば、ステークホルダーが多く、遵守すべき法律や各種規則の影響が非常に大きいという点です。ステークホルダーが多いため、いきなり手を動かすのではなく、最初に価値観や軸をしっかりと固めてから動き出すことが重要であり、プロダクトアウトのアプローチでありつつも、思想や軸を固めた上で、大勢の人を巻き込んで動かしていくことが立ち上げ段階から求められます。これはFintechならではの面白いところです。

開発と顧客の観点だけでなく「法律」に対する理解を深めてプロダクトマネジメントに臨む

── プロダクトマネジメントトライアングルを基に、具体的な業務範囲を教えてください。

出典:The Product Management Triangle

佐藤:Fintechの場合、プロダクトマネジメントトライアングルに「法律」というもう一つの辺が追加されるくらいの重要性があります。法律知識の理解や法務担当者とのコミュニケーションを円滑に行い、法令遵守を意識したプロダクト開発を行うことが重要と捉えています。

その要素を除いた場合、私が主に携わっているのは、開発と顧客の領域です。ビジネスや法務の部分は専門のチームに任せており、プロダクトの体験や顧客体験に焦点を当てています。お客様の体験を最優先に考え、それに基づいたプロダクトのビジョンやゴールを作り、BizDevの方々と整合性を保ちながら進めています。

── ビジネス領域との連携はどのように行っていますか?

佐藤:BizDevの担当者に具体的な顧客像やビジネスゴールをお任せしています。私たちはプロダクトのビジョンやゴールを設定し、それがBizDevの方々のビジョンと一致するように調整しています。

── さとじゅんさんのチーム構成や、プロダクト開発におけるディスカバリーとデリバリーの進め方について教えてください。

佐藤:私のチームは2024年7月現在、PMが私で、エンジニア2名、デザイナー1名で編成しています。Fintechでは、プロダクト開発の前に法律要件やお客様の課題をディスカバリーする作業が重要です。確認が終わった段階で開発が始まります。

現在、エンジニアは2名ですが、今後は倍増、3倍増を目指しています。ディスカバリーの段階では、PMが主導しつつ、デザイナーと協力しています。

スタートアップの世界に飛び込んだことが現在のキャリアのきっかけに

── これまでのキャリアについて教えてください。

佐藤:私はこれまでに6社を経験してきました。ファーストキャリアに至るまでの経緯として、大学生の時に自分のキャリアを考え始めたのですが、父がIT業界にいたこともあり、新しい産業に身を置くことで将来の伸びしろがあるのではと考えていました。当時、ホリエモンや藤田社長のようなシンボリックな人物に憧れ、インターネット広告の会社に入社しました。

最初は営業職を希望していましたが、実際には同期の中で一番営業ができないという結果に終わりました。それを見た社長から、「営業じゃなくて企画をやれ」と言われ、そこからプロダクトマネージャーのようなキャリアがスタートしました。入社1年目の後半からエンジニアと一緒にモノづくりに携わるようになりました。

会社に入って3年目、ソーシャルゲームの市場が形成され始めたタイミングで、ソーシャルゲームを作る事業にアサインされ、プロダクトの成功を体験できました。その後、アメリカのソーシャルゲーム会社のZynga社が日本法人を買収した事例があったのですが、知り合いの誘いを受けて、その会社に転職しました。しかし、アメリカの企業はドラスティックで、わずか2年でその日本法人が撤退することになり、次のキャリアを考えることになりました。

この先どうしていこうかと路頭に迷っていた時、スタートアップという世界を知り、創業メンバー3人しかいない会社に入社しました。この経験から、スタートアップでの多様な業務を学びました。その後、イグニスという会社に入社し、漫画やゲームアプリの制作を手掛けることになり、会社が非上場から上場するまでの組織を経験しました。

その後、以前勤めていたスタートアップがメルカリに買収され、メルペイという金融事業を立ち上げるために先輩に誘われてメルカリに入社しました。私はこの時、エンタメ系やゲームを経て、もっと直接的に課題解決につながるプロダクトに携わりたいという思いが強くなっていました。メルペイでは、QRコード決済やお店の審査ツール、法人の管理画面の開発などに携わりました。

この時、Fintechと自分の相性が良いことに気付きました。事業の複雑性が高い中で、多くのステークホルダーを巻き込みながらビジョンを実現していく過程が自分のスタイルと合っていると感じました。Fintechの複雑さをシンプルに解決する過程がとても楽しかったんです。そして、今の会社の創業メンバーと出会い、課題に共感したことが転職の決め手となりました。

── スタートアップへの転職はどのように決めたのでしょうか?

佐藤:当時はスタートアップに関するコネクションがなかったので、エージェントを利用して探しました。エージェントに「スタートアップに行きたい」と相談し、紹介を受けた企業に飛び込む形でした。スタートアップへの転職というステップを踏んでいなかったら、スタートアップ界隈の知り合いもできなかったでしょうし、メルペイや現職といったFintechのPMとしての道を開くことはなかったのだろうと思いますね。

ちなみに、前職であるメルペイではマネジメントに従事する時間が長かったですが、現在はプレイヤーをしているので、マネジメントとプレイヤーどちらも経験できているというのは自身のキャリアとして良い経験を積めていると思っています。

── マネジメント経験を経てプレイヤーの経験を再びやってみて、どのような印象を感じましたか?

佐藤:マネジメントを頑張っていた時期を通じて、プレイヤーとしての自分の目線が上がり、考えられる思考の幅が広がったと感じています。現職のスタートアップでは、バリバリ現場のプロダクトマネージャーをしているのですが、現場での経験とプロダクトマネジメントの知識があることで、より良い視点でマネジメントができるようになったと思います。

例えば、現在、私は会社として2つ目のプロダクトを立ち上げており、1つ目のプロダクトとの結合点を意識しています。このようなプロダクト間の調整は、以前のマネジメント経験が生きる場面だと思います。職種をまたいだ調整を自分で行い、視野の広いプレイヤーとしての役割を果たすことができていると感じています。

得意領域は「Product Strategy」と「ステークホルダーとの調整」

出典:https://www.ravi-mehta.com/product-manager-skills/

── 続いて、さとじゅんさんに事前にお答えいただいた12PMコンピテンシーに基づいて、これまでにどのようなスキル開発を行ってきたのかお伺いしたいと思います。自己評価に基づきますとProduct Strategyの領域が特に強みと評価されていますが、どのようにスキル開発をなさってきたのか教えていただけますでしょうか?

佐藤:私は特に、取捨選択や優先順位を決めることが得意です。これまでの経験から、どの順番で物事を考えるかという思考が身についています。

このスキルは、一人でプロダクトを持つ経験を何度かしたことから来ています。特に、toC向けの小さなプロダクトは一人で担当することが多く、マーケティングやビジネスに関する決定を自分で行うことが求められました。20代からずっとこのようなラストマンのような経験を積んできたことが、取捨選択や優先順位を素早く判断できる力を養ったと思います。なので、事業計画を自分で作成し、プロモーションのタイミングや施策を決定する、といった計画を立て、プロダクトに落とし込む、といった能力が身についたのは、その頃の経験が大きいと思います。

今の時代においてこれに近しい経験が積めるとしたら、AIの領域がそれに当てはまるのではないでしょうか。toC向けサービスが注目されるのは大きな技術革新がきたタイミングが多いかと思います。僕がtoCに取り組んでいた時代はソーシャルゲームの波が来ていた頃でしたし、現在であればAIの波が来ているので、それに伴ってtoCが盛り上がってきているのではないでしょうか。

── 他のスキル領域についても、特筆すべき経験やスキル開発のエピソードはありますか?

佐藤:ステークホルダーとの調整に関しては、自己評価として「6」をつけていますが、これはメルペイでの経験が大きく影響しています。そこでは、マイクロサービスを使ったシステムアーキテクチャを採用していたプロダクトでしたので、様々なエンジニアチームとの連携が必要でした。

調整というと板挟みのようなイメージがありますが、実際には自分のゴールに周りを引っ張っていくことが大切だと学びました。調整を楽しむためには、PMとしてあるべき姿を描き、それに向かって人を巻き込んでいくことが重要です。この考え方を後輩にも教えることで、調整の意義を再認識しました。

特に印象的なエピソードとしては、あるカード会社とアライアンスを組んでシステムを連携するプロジェクトがありました。通常であれば半年以上かかるプロジェクトを、仕様書に囚われず、最終的なゴールを見据えて「みんなが求めているのはこれですよね」とコミュニケーションをとることで、プロジェクトを短期間で実施でき、互いにとって幸せな結果を得ることができました。この経験から、あるべき姿から始めることの大切さを学びました。

マイルールは「あるべき姿から始める」

── PMとしての行動指針や大切にしているマイルールはありますか?

佐藤:私のマイルールとして「あるべき姿から始める」という考え方があります。これはプロダクトに限らず、人とのコミュニケーションやビジネスにおいても大切にしている指針です。どのような価値を提供するかということよりも、その価値を達成したときの理想的な姿をまず描き、そこから逆算して進めることを心がけています。

具体的には、世の中のプロダクトを見た時にその背景にある思想を読み解き、このプロダクトの作り手がどんなゴールを目指しているのかを考えることを癖としていると思います。また、日常の業務ではカスタマージャーニーやワークフローを作る際にも、まずはあるべき姿からスタートすることを意識しています。

── 理想を描いた時に、現実的に達成するステップや考え方はどのようにされていますか?

佐藤:理想を描くことは、現場でプロダクトマネジメントをする上で最もやりがいを感じる瞬間です。実際にやれることは小さくても、その中で本質的な価値を最小単位でどう届けるかを考えることが重要だと捉えています。この過程がプロダクトを良くし、私自身の成長にもつながると思っています。

やらないことを決めることができるPMは、やることの本質を言語化する能力が求められます。この能力を通じて、やれることとやれないことの間を言語化し、価値を見出すことがPMとしての価値だと感じています。

良いチームづくりのために「PMがリズムを作ること」

── いいチームを作るために工夫されていることはありますか?

佐藤:プロダクトマネージャーとして最近特に意識しているのは、PMがリズムを作ることです。具体的には、プロダクトの仕様やお客様の価値を把握し、自分のインサイトをもとにたくさんの打ち手をチームに提案していきます。「きっとこうなんじゃないか」といった仮説を積極的に発信し、話し合いの場を意図的に設けることで、チームにリズムが生まれます。

リズムができると、議論が活発になり、物事が進んでいる感覚が強まります。次はもっと上手くやれるのではないかという意識がチームに広がり、良いサイクルが生まれます。自分がペースメーカーとなってリズムを作り、仮説をチームに投げかけることで、活気のあるチーム作りを意識しています。

良い企画を生み出すために「お客様が持つ正義を考える」

── 質の高い企画や課題に対して筋のいい打ち手を生み出すために、意識して取り組まれていることはありますか?

佐藤:お客様の持つ正義がなにかを考えることが秘訣だと思います。ユーザーインタビューなどを行うと、お客様が一見非合理的な行動を取ることがありますが、それはお客様にとっては非常に合理的な行動をしているということです。お客様それぞれにとっての正義があると思っており、その正義がわからないからこそ、PMは間違えることがあるのだと思います。

そのため、なるべく多くの人が見ている世界を理解するように心がけています。これはプロダクトマネジメントの基本的な考え方の言い換えに過ぎないかもしれませんが、非常に重要だと思っています。

── 具体的に印象に残っているエピソードはありますか?

佐藤: 前職のメルペイにいた頃に感じたことになりますが、PayPayさんがQRコード決済を普及させた時のエピソードです。当時は、小売店のレジの前に多くの決済手段が増えるというのはオペレーションが煩雑かすることになるため、レジ前にQRコードを置く決済が普及するなんてありえないと思われていましたが、PayPayさんは大掛かりなキャンペーンを行うことでQRコードを置くことが当たり前になりました。

その当時の私たちは、お店のオペレーションが増えることを嫌うと考え、QRコードではなく別のアプローチを取りましたが、結果としてお客様の理論が覆る様子を見て衝撃を受けました。このように、お客様にとっての正義がなにかを考えることが大切だと学びました。

佐藤さんからのおすすめの本

── プロダクトマネージャーにおすすめの本がありましたらご紹介お願いします!

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム

佐藤:この本はプロダクトマネジメントを理解する上で非常にわかりやすい例を提供してくれると思います。他にも詳しい方は多くいらっしゃるので、そういった方々の意見も参考にしていただきたいと思いますが、私としては「ジョブ理論」を王道としておすすめしたいですね。

最後に

さとじゅんさんのお話はいかがでしたか?
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