プロジェクトマネジメントとは|失敗させないプロマネのコツ・勘所

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プロジェクトマネジメントとは?

どうも、マツバラヤスユキ(@yaspontax)です。

世の中の7割のプロジェクトは失敗しているとよく言われますが、なぜそんなにもプロジェクトは失敗してしまうのでしょうか。

PMPを取得した若手PMがPMBOKと経験則から、プロジェクトを失敗させないプロジェクトマネジメントのコツ・勘所について記載させていただきます。

また、プロジェクトマネジメントもマネジメントの一つであるということで、ドラッカーのマネジメントについて、調べてみました。

ドラッカーのマネジメントを知ることで、プロジェクトマネジメントについての理解が深くなるのではないでしょうか。

まずはプロジェクトマネジメントの定義

プロジェクトマネジメントの定義を調べると、Wikipediaには以下の記載となっていた。

企業や組織のミッションを達成するために実施する、「独自性」と「期限」を持つプロジェクトの目的・目標を達成するために行われるマネジメント活動である。

プロジェクトマネジメントプロジェクト管理、英語: Project Management)とはプロジェクトを成功裏に完了させることを目指して行われる活動のことである。これにはプロジェクトを構成する各活動の計画立案、日程表の作成、および進捗管理が含まれる。

システム開発を成功させるためには、プロジェクトを適切に管理することが求められる。

引用:プロジェクトマネジメント – Wikipedia

一般的によく知られているプロジェクトマネジメント手法は、PMBOKと呼ばれるプロジェクトマネジメント知識体系にまとめられている。体系化された知識の活用がされる前は、経験・勘に頼ったプロジェクト管理がされており、マネジメントと呼べるものではなかったとのことである。


続いてドラッカーについて

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 マネジメントを発明した男、ピーター・フェルディナンド・ドラッカーがこの世を去ったのは2005年11月11日のことです。ドラッカーは、オーストリア=ハンガリー帝国の首都ウィーンで1909年11月19日に生まれましたから、ほぼ96年という長寿を全うしたわけです。

ドラッカーの家系は代々、政府関係者や大学教授などを輩出する家柄で、ドラッカーの父親も帝国政府の外国貿易省長官の職に就いていました。そのため家庭は比較的裕福だったようです。とはいえ、ドラッカーが物心ついた頃は、第一次世界大戦、未曾有のインフレーションの真っ只中です。苦難の幼少時代を過ごしたことは、容易に想像できるでしょう。

ギムナジウムを卒業したドラッカーは、ハンブルクで貿易商社の見習いになります。同時にハンブルク大学に入学し、昼間は仕事、その後で勉強という二足の草鞋をはきます。その後、フランクフルト大学に転入し、新聞記者や大学助手などの職に就きました。そして、ヒトラーの弾圧を避けイギリスへ。さらに28歳の時に終の棲家となるアメリカへ移住します。ドラッカーの名が世界に轟くのは、このアメリカ移住以降の約70年間のことです。

この間にドラッカーは、大量の著作を世に送り出しました。これらの著作は大きく2系統に分類できます。①政治・社会・経済関連の著作、②経営・組織関連の著作がそれです。

まず、①政治・社会・経済関連の著作ですが、こちらには処女作『経済人の終わり』(1939年)に始まり、還暦の歳に世に出した『断絶の時代』(1969年)、年金基金の重要性を説いた『見えざる革命』(1976年)、ソ連崩壊を予言した『乱気流時代の経営』(1980年)、さらには『新しい現実』(1989年)や『ポスト資本主義社会』(1993年)などが含まれます。

これら政治・社会・経済関連の著作でドラッカーは、未来社会を予言し、それをいくつも的中させました。したがって、これらはドラッカーの未来社会論系著作としても位置付けられるでしょう。

もう一方の②経営・組織関連の著作は、日本でもお馴染みのものが多いのが特徴です。世界で最初にマネジメントを総合的に扱った『現代の経営』(1954年)、事業戦略について述べた『創造する経営者』(1964年)、成果を上げるための手法についてふれた『経営者の条件』(1966年)、ドラッカーのマネジメント論を集大成した『マネジメント』(1973年)などが、その代表作です。

また、イノベーションの実践手法を扱った『イノベーションと企業家精神』(1985年)、非営利組織のマネジメントに焦点を絞った『非営利組織の経営』(1990年)、21世紀のマネジメントを扱った『明日を支配するもの』(1999年)など、晩年まで多数の著作を世に送り出しています。このように、こちら②の系統はドラッカーのマネジメント論としての性格が強いのが特徴です。

なお、これら①と②の中間に位置する著作物もあります。それらの多くが、雑誌に掲載した論文をまとめて一冊の著作にしたものです。『マネジメント・フロンティア』(1986年)、『未来企業』(1992年)、『未来への決断』(1995年)、『ネクスト・ソサエティ』(2002年)などがこれに該当します。

引用:https://www.pcatwork.com/id-2/1-1.html

通称「もしドラ」の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」でも一般的に名を知らしめた『マネジメント』は有名著書ですが、他にも多数の著書を出しており、また「現代経営学」の発明者とも言われています。

マネジメントの定義

ドラッカーはマネジメントを次のように定義しました。

組織をして成果を上げさせるための道具、機能、機関。

この一言からマネジメントの本質を深く理解するのは困難であり、理解をより深めるには、ドラッカーの言う「組織」について知る必要があります。

ドラッカーは、あらゆる組織は社会の機関として位置づけました。

そして、組織が社会の機関である以上、社会やコミュニティ、個人のニーズを満たすために存在しなければならないと指摘します。

逆に言うと、社会やコミュニティ、個人のニーズを満たさぬ組織は、存在する必要がないということです。そして、組織が社会やコミュニティ、個人のニーズを満たすというミッション(使命)を達成し、その成果を上げるために存在するのが、ドラッカーの言うマネジメントなのです。

では、ドラッカーのこの考え方を、組織の一形態である企業にあてはめて考えてみましょう。ドラッカーの考えからすると、社会やコミュニティや個人のニーズを満たすことが企業のミッション、社会機関としての企業の存在理由になります。

企業にとって社会やコミュニティ、個人は、ひとくくりに「顧客」と表現できるでしょう。したがって、企業は顧客のニーズを満たし続けなければなりません。

これは言い換えると、顧客の創造(to create a customer)が企業にとって唯一の目的になるということに他なりません。そして、この顧客創造のために企業がもつべき機能はたった二つだけだとドラッカーは指摘します。マーケティングとイノベーションがそれです。

マーケティングとは、顧客のニーズを探り、対応する製品やサービスを提供する機能です。一方、イノベーションとは、顧客の新しい満足を創り出していく機能を指します。したがって、企業のマネジメントは、このマーケティングとイノベーションという二つを有効に機能させることが、最重要の命題となるわけです。

以上がドラッカーのマネジメント論の基底をなす部分です。いまやマネジメントやマーケティング、イノベーションは別個の経営テーマとして語られることが多いようです。

しかし、ドラッカーのマネジメント論では、それらは個別に存在するものではなく互いに補いあう存在、言い換えると、マーケティングとイノベーションという両輪をマネジメントというハンドルで、企業目的に向かわせるものなのです。


プロジェクトマネジメントを考える

ドラッカーのマネジメントの定義は、上述の通り、

組織をして成果を上げさせるための道具、機能、機関。

であり、マーケティングとイノベーションを有効に機能させることがミッションでした。

一方、プロジェクトマネジメントの定義は、

プロジェクトマネジメントとは、チームに与えられた目標を達成するために、人材・資金・設備・物資・スケジュールなどをバランスよく調整し、全体の進捗状況を管理する手法。

である。

そもそもプロジェクトとは、企業がある目的を達成するために計画を策定し、遂行するものであり、つまるところ、組織のマネジメントの一部にプロジェクトマネジメントは存在していると考えることができます。

企業の目的を達成する確率や成果を向上するために、スケジュールやリスク、コストなどを計画し、管理、コントロールすることがプロジェクトマネジメントということができるでしょう。

プロジェクトマネジメントはあくまで手法でしかないのです。

プロジェクトマネジメントの標準となっているPMBOKを理解し、業務上のプロジェクトマネジメントに取り入れようとした際に、手法が目的になってしまうことは避けなければなりません。

何のために、プロジェクトマネジメントをしているのか。

企業の目的を達成するため?

プロジェクトをマネジメントするため?

プロジェクトをEVMで測定するため?

ドラッカーの5つの質問を

  • 第一の問い われわれの使命は何か
  • 第二の問い われわれの顧客は誰か
  • 第三の問い 顧客の価値は何か
  • 第四の問い われわれの成果は何か
  • 第五の問い われわれの計画は何か

ドラッカーはこう言っています。「これら5つの質問は、正面から答えていくならば、必ずや、各位のスキルと能力とコミットを深化させ、あるいは向上させていくはずである。ビジョンを高め、自らの手で未来を築いていくことを可能にするはずである」。


プロジェクトはなぜ失敗してしまうのでしょうか

いつまでも要件が決まらず、実行フェーズに入っても、まだ要件定義をしているから?

ステークホルダーとの合意が取れておらず、プロジェクト終盤において、見直し要請が入った?

タスクの洗い出しに漏れがあり、当初のスケジュールから遅れてしまった?

外注企業に任せっきりにしており、プロジェクト終盤にフタを開けてみると、取り返しがつかない程、スケジュール遅延していた?

複数のプロジェクトを担当しており、1つのプロジェクトに割く時間がなく、タスクの完了が遅れてしまった?

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全て当初のスケジュール通りではプロジェクト完了できず、プロジェクトは失敗となりますが、要因は様々です。

しかし、プロジェクトマネジメントの勘所・要所を押さえるだけで、プロジェクトの成功確率が格段に上がるのであれば、やらない手はないですよね。

今回は、そんなプロジェクトマネジメントの勘所・要所をお伝えしたいと思います。

もちろんプロジェクトの規模や難易度に応じて、もっと細かなマネジメントをしなければなりません。

あくまで、現在は、勘と度胸と経験のみでプロジェクトマネジメントもどきをされている方に押さえて頂きたいポイントとなります。

プロジェクトマネジメントのコツ・勘所

・費用見積り時までの計画段階でどこまで要件を明確にできるか。 

・関心が高く、影響力の強いステークホルダーとどれだけ具体的な合意を取るか。

・全て厳密に管理しようとせず、メンバーに役割を与え、任せることができるか。

・スケジュール遅延や障害等の悪い報告がすぐに上がってくる環境を作ることができるか。

これだけは必ず押さえるようにしてください!

言うは易く行うは難しですが、必要だと認識し、行動を起こすことで完璧ではなくとも、良い方向に歯車が回り始めるはずです。

プロジェクトの成功確率を上げることができるはずです。


若手PMのプロジェクトマネジメント手法

IT企業で働く若手PMPのプロジェクトマネジメント(PM)手法を紹介します。

前提として、簡単に業務について、ご説明いたします。

WEBサイトやスマートフォンのAPPに関するプロジェクトのマネジメントを行っております。

プロジェクトの内容としては、新規事業に伴うWEBサイト(PC・SP)及びスマートフォンAPP(iPhone・Android)の立ち上げや、既存サービスへの新機能追加となります。

比較的規模は小さく、数百万円規模から数千万円規模のプロジェクトを担当してます。

上記の前提を踏まえて、以下に僕のプロジェクトマネジメント手法をご説明します。

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必要最低限を押さえたプロジェクトマネジメント手法

◆立ち上げプロセス 及び 計画プロセス

1.プロジェクト憲章を作成し、プロジェクトの目的を明確にする

2.プロジェクト憲章の承認を得る

3.スコープを明確にする

4.WBSを作成しタスクを明確にする

5.各タスクのスケジューリングをする

6.コミュニケーションルール(会議体や連絡方法など)を作成する

7.リスク管理表を作成する

大事なポイント

プロジェクトの目的を達成する(スコープを全て満たす)為のタスクに

  • 抜け漏れがないように細かく洗い出す
  • すぐにアクションが起こせるように細かく洗い出す

WBSの作成のしかたについて詳しく書いた記事をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。

◆実行プロセス 及び 監視・コントロールプロセス

三種の神器を必ず用意し、定期的な進捗確認 兼 課題解決会を行い、

  • 正確に進捗を把握する
  • 課題を把握し、解決に努める
  • リスクが発生した際の対処を行う

三種の神器

1.会議アジェンダ及び議事録

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   引用元:プロジェクト・マネージャの「やってはいけない」 – [計画編]キックオフ・ミーティングを省いてはいけない:ITpro

2.スケジュール表

3.課題管理表

◆終結プロセス

振り返り会を行い、教訓を収集し、次回以降のプロジェクトに活かす

大事なポイント

 振り返り会が、単なる反省会にならないように、

 悪かった点のみでなく、良かった点を収集するようにする

なお、上記の内容は、最低限のものとなりますので、

プロジェクトの規模や状況に応じて、PMBOKを活用しております。

誤解の無いようにお願いいたします。

他にも、プロジェクトを成功させる為の要素は数多くあると思います。

体系的なプロジェクトマネジメントであるPMBOKを身に付けることや、プロジェクトメンバーが自発的に行動を起こせるような場づくりをしたり、スキルアップの為の研修をしたり、様々だと思います。

2015年9月度PMI月例セミナーの内容から、非常に参考になる内容がありましたので、引用してご紹介させていただきます。

全員参加型のプロジェクトチームとは

全員参加型のプロジェクトチームとは、以下の自己組織(Self-organization)の状態である。

各メンバーがプロジェクトチームの目標を達成するよう、

自分の役割と価値を理解し、自ら動機づけながら、自律的に動く状態である。

その結果、全体の総和より高度な知が創発され、イノベーションが生まれる。

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自己組織の事例として、東日本大震災における、釜石市の奇跡が挙げられる。

その内容としては、一般的な防災教育とは異なる防災教育を行い、自己組織化されていたことによって、東日本大震災における、釜石市の小中学生の生存率が99.8%(学校管理下の生徒に限れば犠牲者ゼロ)となったという事例である。

一般的な防災教育と釜石市での防災教育の違いは以下の通りである。

姿勢の教育を行い、正常化の偏見を前提とした「避難3原則」と役割を与えることによって自己組織を実現した。

◆一般的な防災教育

脅しの防災教育(過去の災害を教える)

  • 外圧的に作られた危機意識は長続きしない
  • 子供たちは自分の住む釜石市が嫌いになる

知識の防災教育(ハザードマップを教える)

  • 子供たちはそれ以上は被害は起きないと被害の上限値を規定してしまう

釜石市での防災教育

姿勢の防災教育(知識の前に「姿勢を与える」)

  • 自分の命を守ることにどれだけ主体的になれるか
  • 子供たちの釜石への郷土愛を育むことから始めた

  • 釜石は海の恵みとともにある
  • 時には自然の災いともつきあわざるを得ない
  • 津波から逃げ延びる知恵は釜石で暮らすための「お作法」である

「敵」を知るより、「己」を知る

  • 人間はリスクと真正面から向き合えるようにはできておらず、今は正常だと常に思い込んでしまう(正常化の偏見)

「避難3原則」

  1. 想定を信じるな「ハザードマップなど信じるな」
  2. その状況下において最善を尽くせ「それで死んでも仕方がない」
  3. 率先避難者たれ「人にかまうな、自分の命を守り抜け」

「与えられた役割」

  • 「助けられる人」から「助ける人」へ

どうすれば自己組織化するのか

大きく以下の2点に分けられる。

  1. 組織構造
  2. 知識創造の循環
1.組織構造について

平時の通常のルーティーン業務において効率性や安全性を追求する機能型組織をベースとして、有事の課題に柔軟に対応するために各部署からメンバーを集めてプロジェクトチームを組み、創造性や機動性の極大化を目指すマトリクス組織が発足するが、以下の問題点がある。

  • メンバーの本籍が出身部署に置かれたまま
  • メンバーが縦のラインの利益代表になり、横のプロジェクトとの間で利害が衝突
  • 最後はより大きな権限を持つライン側の利益が優先され、コンセプトが中途半端な妥協の産物しか生み出せない
  • 組織間の相互補完や知識の相互変換が起きにくい

そこで、機能型組織とマトリクス組織の間に、3つ目のレイヤーとして、「知識ベースレイヤー」を設けることが必要である。

  • 機能型組織とマトリクス組織間の知識の相互変換や相乗効果を支援する
  • 知識ベースレイヤーは目に見える組織的な実体として存在するわけではなく、次のようなものにより構成される

  • 目指すビジョンや目標の共有
  • 開発のコンセプト
  • 判断や行動を方向づけるカルチャーや組織文化
  • 評価の仕組み
  • 高度な技術

  • 部分最適を全体最適へ転換し、「自己組織」を実現する
2.知識創造の循環について

知識ベースレイヤーは、個々人が持つ「暗黙知」と組織の持つ「形式知」の相互に作用させ、新しい知を生み出すことで、各自の「知識創造」を喚起する

暗黙知とは

  • 言葉や文章での表現が難しい主観的な知
  • 思い、信念、身体に染み込んだ熟練、ノウハウ
  • 経験や五感で得られる直接的な知
  • 個人的、情緒的、情念的

形式知とは

  • 言葉や文章で明示できる客観的な知
  • 理論、マニュアル、データ、問題解決方法など
  • 特定の文脈に依存しない体系的な知識
  • 社会的、組織的、論理的

知識ベースレイヤーにおける知識創造の「SECIモデル」

①共同化(Socialization)

現場で経験しながら暗黙知を獲得し、共体験などを通じて、

メンバーで互いに共有し、組織の暗黙知へと変換する

②表出化(Eternalization)

暗黙知を形式知に転換する

例えば、コンセプトづくりなど

③連結化(Combination)

形式知を他の形式知と組み合わせ、1つの体系としての新たな形式知を作り出す

例えば、製品づくりなど

④内面化(Internarization)

体系化された形式知は、それを作り出す行動や実践を通じ、

新たな暗黙知としてメンバー全員に血肉化されていく

全員参加型のプロジェクトチームまとめ

全員参加型のプロジェクトチームとは、自己組織の状態であり、

自己組織を作るためには、知識ベースレイヤーの構築と知識創造のスパイラルを作り出す必要があるということです。

釜石市の事例は、ビジネス上に直結するものではありませんが、自己組織の状態が作り出せれば、プロジェクトの成功確率や成果の向上に寄与することは間違いないと思います。


プロジェクトを成功に導くプロマネ・リーダーの格言

プロジェクトは、多くの問題が発生するものであり、
行く手を阻む壁が次々に現れます。

しかし、そのプロジェクトを成功させる為には、
問題を解決し、壁を乗り越え、前に進んで行く必要があります。

そんな時、プロジェクトを成功に導いてきた、
リーダー/プロマネ(プロジェクトマネージャー)は、
どのような言葉を胸にプロジェクトを牽引してきたのでしょうか。

まずはじめに!

やって見せ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かず。

「話し合い、耳を傾け、承認し、
任せてやらねば、人は育たず。

やっている、姿を感謝で見守って、
信頼せねば、人は実らず。」

山本 五十六(大日本帝国海軍大将)

プロジェクトのスケジュールに余裕がなかったり、
メンバーに任せて失敗した時のことを考えると、
なかなか耳を傾け、承認し、任せてやることが難しかったりしますよね。

「リーダーは尊敬されるが、必ずしも好かれるとは限らない。

ピーター・ドラッカー(経営学者)

メンバーに好かれようと、顔色を伺い、ご機嫌取りに走ったら、尊敬なんてされるわけない。
また、偉い人を見ていたら、尊敬も好かれもしない。

「人間の器は、その人間が進んで受ける責任の重さによって測ることができる。」

ラルフ・ワルド・エマーソン(哲学者)

やっぱり、責任の重さ、大きさを広げていくことは、目指すべき方向感としては、間違っていない。

「荒海は、リーダーシップを試す本物のテストである。
穏やかな海では、どんな船長もいい船長だろう。」

スウェーデンのことわざ

本当にそうだと思う!
荒れ狂う海に飛び込んで、本物のリーダーシップを身に付ける。

「最初に100点満点を相手に求めようとするから減点法になってしまう。

むしろ、ゼロからいい部分を加算してゆけば、けっこうすばらしいと思える人が

あちこちにいてくれる。」

戸川 昌子(作家)

基本的には、加算法で考えるようにしている。
ただし、相手を選んで、高いレベルを求めた上で、減点法で見てしまうことはある。
相手との関係性によるんだと思う。

「押せばいいのか、引けばいいのか、という判断には、その時点では確信が持てない。

重要な案件ほど先にならなければ、結果が見えてこないものだ。

わからないからこそ、リーダーの思い込みしかないと、私は考えている。」

ふむふむ。
先が見えないなか、思い込みで突き進むことは、簡単ではない。
失敗したらどうしよう、と不安がよぎるはずであるが、決めてしまって突き進むチカラ強さが必要なんだと思う。

ご紹介した名言・格言は、作家の言葉であったり、ことわざであったり、哲学者の言葉であったりします。

プロジェクトマネジメントの技術や知識はPMBOKなどから学び、
リーダー/プロマネ(プロジェクトマネージャー)に必要な概念や考え方は、
過去の偉人やことわざのような古くからの言い伝え、業界も立場も異なる人など、多くのことから学ぶことができますね。

まだ格言が足りない方向け

プロジェクトの多くは、1人ではなく、複数人で取り組むものです。

リーダー/プロマネ(プロジェクトマネージャー)は、その複数人のスキル・経験を最大限引き出し、数々の困難を乗り越え、成功に向けて進んでいかなければいけません。

期日に迫られ追い込まれた時やチームのモチベーションが低下してしまった時など、プロジェクトを成功に導いてきた、

リーダー/プロマネ(プロジェクトマネージャー)は、

どのような言葉を胸にプロジェクトや仲間を牽引してきたのでしょうか。

「方向を間違えたり、やりすぎたりしないようにするには、

まず本当は重要でもなんでもない1000のことにノーと言う必要がある」

スティーブ・ジョブズ

耳が痛いですね。

現在、行っている業務の内、本当に重要なことはどれだけあるでしょうか。

10割?8割?、、、はたまた3割?

重要でもなんでもないことには、ノーと言って、本当に重要なことをしよう。

「リーダーシップとか、リーダーについて書かれた本を読むと神から授かった能力、

人を惹きつけるカリスマとか、そういうものに結びつきがちですが、

実はそうではなくて、

リーダーをつくるのは“地道な変革のプロセスなのだ”とわかるのです」

藤森義明

自分にはカリスマ性や、神から授かったようなリーダーシップの能力はない。

しかし、この言葉にあるように、地道な変革のプロセスを一生懸命取り組んでいれば、周囲はそれを認めて、リーダーとして認めてくれるようになるのである。

力強いリーダーシップは実績とともにこれから付けていこうと思う。

「リーダーとマネージャの違いは、現状を打破した人間と現状に屈服した人間の違いだ」

ウォレン・ベニス

リーダーでありたい。

「優れたリーダーとは、優秀な才能によって人々を率いていくだけの人間ではない。

率いられていく人々に、自分たちがいなくては、と思わせることに成功した人でもある」

塩野七生

前回ご紹介した名言・格言にもあったけど、

やはり、リーダーは方向を指し示した上で、

メンバーを信頼して、任せて、やり切らせることが重要なんだと思う。

その結果、メンバーは、自分たちがいなくては、と思ってくれるはず。

「とるべき施策、優先順位を決定したうえで、人々に権限委譲することは、

リーダーの責任です。企業内の混乱は、リーダーシップの問題なのです」

カルロス・ゴーン

ただ単に、権限移譲していては、世に言う「丸投げ」になってしまう。

とるべき施策、優先順位を決定したうえで、という点が非常に重要。

また、自分でやるのではなく、人に任せることが難しいけど、大事。

「精神論は大切ですが、百万回精神論を唱えてもなかなか変わっていきません。

リーダーとしてそれ以上に大事なことは、仕組みを変えることです。

仕組みが変わればおのずと精神は変わっていきます」

孫正義

なるほど。

精神論先行になりがちなので、注意しないと。

「自分の仕事は、人の助けなくして、一日も進み得ないのである」

松下幸之助

リーダーは一人では機能せず、進んでいかない。

周囲の人の協力があってこそ、リーダーであることができる。

「リーダーシップについての一般概念の核心にある二つの任務は、

目標設定とモチベーティングである」

ジョン・W・ガードナー

最近、新人教育で 目標設定の大切さを説明することがよくある。

目標なく活動していては、何のためにやっているのかも分からなくなってしまう。また、活動の結果が上手くいったのか、悪かったのか、判断できなくなってしまう。

立てた目標に向かって、着実に歩み続け、その歩みを止めないように、モチベーティングすることが大切なんだと思う。

世の中のトップリーダーと呼ばれる人たちの言葉を通して、

リーダーとは何か、どうあるべきかを考える機会になれば幸いです。

プロジェクトを成功に導くリーダー/プロマネの言葉から考え方や概念を学んだ後は、

ぜひ実践してみてください!

少しでも、皆様のお役に立ちますと幸いです。

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