
どうも、マツバラヤスユキ(@yaspontax)です。
現在、3つのサービスを運営する6人のプロダクトマネジメントチームのリーダーをしておりますが、組織におけるエンゲージメントという概念を知り、組織改善に取り組むことでいいチームを作ることができました。
- 会社やチームのミッション・ビジョンへの共感度が高い
- 個人ミッションや目標が明確で腹落ちしている
- 職務上や自己成長に対する支援を実感してくれている
- 上司や仕事の仲間との関係性が良い
- 職務に対する満足度が高い
これは、現在の僕らのチームの状態です。
所属するメンバーのエンゲージメントを定量的に測ることのできるツールwevoxで高いスコアとなっています。
先日、アトラエさんが運営するwevoxのイベントにお呼びいただき、「部署内で最もエンゲージメントの高いチームになるまで」というテーマで登壇をさせていただきましたが、この記事はその内容が元になっています。

僕たちは、部署で最もエンゲージメントの高いチームになりました。
チームの仲間達といいチームをつくることができたと今なら自信を持って言うことができます。
今、思うことは、チームは生き物であるということ。
メンバーは入れ替わります。考え方も感情も日々変わります。
チーム作りに終わりはありません。
今、この瞬間にいいチームである為にチームは仲間と共に育て続けようと思います。
この記事は、こんな思いに共感してくれる方に向けて、少しでもエンゲージメントについて知っていただき、いいチームを作るきっかけになればと思い、書いています。
目次
エンゲージメントとは
組織における従業員エンゲージメントとは、「組織や職務との関係性に基づく自主的貢献意欲」のことを指します。
エンゲージメントが高い状態とは、会社と従業員が一体となり共に成長・信頼しながら経営目標の達成を目指す状態です。エンゲージメントを高めることで、従業員の潜在的な能力を引き出しながら、高いパフォーマンスを発揮することができます。
収益性や生産性などと相関があることも米ギャラップ社の調査で分かっており、近年、組織マネジメントに置いて重要視されるようになってきております。

品質の欠陥や転職率、事故、欠勤が減少することも企業の活動においては重要なファクターとなります。
モチベーションとは
モチベーションとは、動機づけや、刺激・やる気という意味の単語です。人が行動を起こしたり、決意したりする際の直接の心理的な原因・きっかけまたは目的という意味です。
モチベーションが不足すると人はなかなか行動することができません。
モチベーションは二つの要因から成り立っていると言われています。
動因(ドライブ)と誘因(インセンティブ)です。
動因(ドライブ)とは、人の内側から行動を引き起こすものです。
誘因(インセンティブ)とは、人の外側から人の行動を誘発させるものです。
従業員のエンゲージメントが、従業員と企業との間の関係性を表すのに対して、従業員のモチベーションは、従業員自身の心理状態を指します。
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エンゲージメントの高いチームを実現する方法
僕が実践したエンゲージメントの高いチームを実現する方法をご紹介します。
- チームのビジョンを掲げて部署の全員の前で発表し、チームメンバーに覚悟を示した
- チームメンバーの役割・ミッションを明確にし腹落ちするまで対話を続けた
- 意志を込めた目標を設定してもらい、達成支援に惜しみなく時間をかけた
- メンバーとの月1回以上の1on1を行い、真摯に向き合い続けた
- チーム全員でのコミュニケーションの機会を積極的に作った
- 率先して外に出て学びチームメンバーに共有した、時には連れ出した
- 担当業務のあるべき姿をメンバーと共に描き直し、自分事化してもらった
チームのビジョンを掲げて部署の全員の前で発表し、チームメンバーに覚悟を示した
僕が考えるチームの1年後どうなっていたいか?というチームのビジョンを掲げ、メンバーの合意を得た上で、部署の会議で発表しました。部署のメンバー全員の前で発表することで、僕のいいチームをつくりたいという思いの本気度が伝わったんじゃないかと思います。
コッターの変革の8段階

変革の8段階とは、ジョン・コッター氏が提唱した組織の変革プロセスです。具体的には、1.危機意識を高める→2.変革推進チームをつくる→3.適切なビジョンを掲げる→4.ビジョンを周知徹底する→5.自発的な行動を促す→6.短期的な成果を実現する→7.さらに変革を進める→8.変革を根づかせる、の8つのプロセスがあるとします。
引用:https://www.kikakulabo.com/topic-soshiki-frame/
チームメンバーの役割・ミッションを明確にし腹落ちするまで対話を続けた
メンバー個々人のミッション・役割を明確し、1人1人にしっかりと腹落ちしてもらうことで、主体性が大きく向上しました。また、合わせて担当業務がどのように社会・組織・チームに貢献しているのかの理解度が向上したと感じています。
ミッション・ビジョン・バリュー

ミッション・ビジョン・バリューとは、組織が存在する目的(ミッション)、実現したい姿(ビジョン)、そのために大切にする価値観(バリュー)を定義するフレームワークです。MVVとも呼ばれます。
引用:https://www.kikakulabo.com/topic-soshiki-frame/
意志を込めた目標を設定してもらい、達成支援に惜しみなく時間をかけた
人生の貴重な時間を一緒に働くことに使ってくれているから、人生の夢や目標に少しでも業務が繋がっていて欲しい、業務の目標達成が個人の夢や目標の実現に近づく一歩であって欲しいと考え、本人の意志を込めた目標設定となるように心掛けました。
また、その目標の達成が人生をより良くするものと考え、達成支援には惜しみなく時間をかけました。
GROWモデル

GROWモデルとは、コーチングの場面で活用される手法で、スタッフの目標設計、目標達成を支援するためのフレームワークです。
目標の明確化を行い、現状とのギャップ分析、持っている資源、目標を達成するための選択肢の創出、意思決定、これらの一連のプロセスに寄り添うことで、スタッフの目標達成を支援します。
引用:https://www.kikakulabo.com/topic-soshiki-frame/
メンバーとの月1回以上の1on1を行い、真摯に向き合い続けた
メンバーとは月1回以上の1on1を実施し、メンバーと真摯に向き合いました。業務の振り返りから、今後やりたいこと、悩んでいること、課題、挑戦しいたいこと、業務外で相談したいこと、要望、アドバイスして欲しいことなど、様々な対話を行いました。
みんながいる業務スペースでは、なかなか聞けない言葉がメンバーから出てくると僕は心の中で「よっしゃー」とガッツポーズしています。
コルブの経験学習モデル

コルブの経験学習モデルとは、D.コルブの提唱した経験から学びを獲得していくプロセスを体系化した学習モデルです。
具体的には、具体的経験→省察的観察→抽象的概念化→能動的実験→具体的経験というサイクルを繰り返すことによって、学びを獲得していきます。スタッフの学びを考える際に参考にしたい理論ですね。
引用:https://www.kikakulabo.com/topic-soshiki-frame/
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チーム全員でのコミュニケーションの機会を積極的に作った
チームメンバー同士の信頼関係、尊敬し合える関係、学び合える関係、言いたいことが言い合える関係が重要だと思っています。チーム全員で雑談する週一のミーティングの開催や、その中で業務とは関係のないプライベート目標を立て、翌週にエピソード付きで達成状況を話しています。こんな些細なことでも雑談によるコミュニケーションで心理的安全性が向上しているような気がします。
効果的なチームに固有の力学を突き止める
リサーチチームは、複数の統計モデルを駆使して、収集した大量のデータ項目のうち何がチームの効果性に影響を与えているのかを突き止めようとしました。数百に及ぶ変数に対して 35 種類以上の統計モデルを適用し、次のような因子を特定しようと試みました。
・成果に関する複数の指標(定性的な指標と定量的な指標)に影響を与えた因子
・Google 社内の複数の異なる種類のチームで確認された因子
・一貫して確固たる統計的有意性を示した因子
その結果、リサーチチームは、真に重要なのは「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」であることを突き止めました。チームの効果性に影響する因子を重要な順に示すと次のようになります。
・心理的安全性: 心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。心理的安全性の高いチームのメンバーは、他のメンバーに対してリスクを取ることに不安を感じていません。自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があります。
引用:https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/steps/identify-dynamics-of-effective-teams/

率先して外に出て学びチームメンバーに共有した、時には連れ出した
井の中の蛙にならないように(視野を広げる)、イベントやセミナー、本からのインプットを率先して行い、チームミーティングで共有したり、一緒に外に連れ出すようにしています。
僕のチームにいることで、成長機会を提供してもらえると思ってくれているようで、とても嬉しく思っています。
担当業務のあるべき姿をメンバーと共に描き直し、自分事化してもらった
メンバーが成長し自律してきた為、担当業務やプロダクトのあるべき姿をメンバー主導で描き直し、自分事化してもらいました。あえて支援的行動を弱めながら委任することで、自らの存在価値を強く認識してくれていると感じています。
SL理論

SL理論とは、ハーシィ氏とブランチャード氏が提唱したリーダーシップの状況適用モデルです。メンバーに対して業務遂行に関わる具体的な指示を行う「指示的行動」と、メンバー自身の活動をサポートする「支援的行動」という2つの要素によって、状況に応じたリーダーシップの図り方を使い分けて考えます。
引用:https://www.kikakulabo.com/topic-soshiki-frame/
エンゲージメントの高いチームになった

冒頭にも書きましたが、上記の7つの取り組みを実施した結果、エンゲージメントスコアは向上し、いいチームを作ることができました。
- 会社やチームのミッション・ビジョンへの共感度が高い
- 個人ミッションや目標が明確で腹落ちしている
- 職務上や自己成長に対する支援を実感してくれている
- 上司や仕事の仲間との関係性が良い
- 職務に対する満足度が高い
twitterもやってます。
ご興味ある方、絡みましょう!
マツバラヤスユキ(@yaspontax)