リーンキャンバスでチー厶の目指す方向を一つにまとめた体験記

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どうも、マツバラヤスユキ(@yaspontax)です。

リーンキャンバスなんて言葉を社内で聞いたことも無かったかけだしPMが、リーンキャンバスを用いてプロダクトチームの目指す方向を一つにまとめた話です。

リーンキャンバスとは

9つの要素からビジネスモデルを整理する、全体を俯瞰するフレームワークです。

それぞれの項目の意味について、作成する順番に沿って、簡単に説明する。



顧客セグメント

対象の事業やプロダクトの顧客セグメントを書く。その事業やプロダクトにお金を支払ってくれる人であり、広範囲の顧客を獲得したいと考えていたとしてもアーリーアダプターを書くようにする。対象を限定することで、この後考える”課題”や”独自の価値提案”が明確になる。

課題

顧客セグメントに書いた顧客の課題(対象の事業・プロダクトに関わるもの)の上位1〜3位を書く。また、その課題に対して、顧客が対処方法として現在利用している代替サービスも書く。

独自の価値提案

他のサービスとは異なる独自の価値を書く。リーンキャンバスの中で最重要で、難しい項目である。

独自の価値提案を考える際のポイント

    • アーリーアダプターの最も重要な課題から考える
  • 機能よりも利点に注目する

ソリューション

顧客の課題を解決するソリューションを書く。課題それぞれに対してどのように解決するのかを考える。

チャネル

顧客へリーチする為のタッチポイントを書く。プル型とプッシュ型に分けて考えると良い。

収益の流れ

事業・プロダクトのマネタイズプランや価格を考える。中長期的に考えるのではなく、リリース直後のマネタイズプランや価格を書く。

コスト構造

事業・プロダクトのリリースまでにかかる費用を洗い出して書く。

主要指標

KGI(Key Goal Indicator、経営目標達成指標)や KPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)を書く。AISAS(認知・注意(Attention)、興味・関心(Interest)欲求(Desire)、記憶(Memory)、行動(Action))やAARRRモデル(Acquisition(獲得)、Activation(アクティベーション)、Retention(定着)、Revenue(収益)、Referral(紹介))などフレームワークに沿って書き出していくと考えやすい。

圧倒的な優位性

競合サービスが簡単には真似できないものを書きます。技術的に相当難しいものであれば別だが、プロダクトの機能は圧倒的な優位性にはなりにくい。

圧倒的な優位性になり得るもの

  • 既存顧客や顧客情報
  • 専門家の支持
  • チーム
  • サービスの信頼性
  • 人脈ネットワーク/コミュニティ
  • SEOランキング
    など

リーンキャンバスを利用するメリット

シンプルで伝わりやすい

A4サイズ1枚のワークシートにまとめる為、一目で事業・プロダクトのビジネスモデルを見ることででき、伝わりやすい。上司や同僚、第3者の意見を聞く際にも理解に時間がかからず、ムダな時間を削減できる。

作り込む必要がない

数十ページに及ぶ事業計画書のように作り込む必要がなく、初動を早くすることができる。

同一条件下でビジネスモデルの比較ができる

提案書の見た目や作成にかけた時間に左右されることなく、同一条件下でビジネスモデルの比較を行うことができる。



チームが抱えていた問題

チームは以下の課題を抱えていた。

  • チームメンバーが見ている方向がバラバラの状態
  • 事業責任者の頭の中だけには目指すべき姿が存在する
  • 若手社員がタスクの優先順位が決められなくて悩んでいる

リーンキャンバス作成ワークショップを開催

チームを形成している事業責任者、PM、プロダクトチームメンバー、マーケターが集まり、全員で既存プロダクトのあるべき姿の共通化と戦略策定を目的としてリーンキャンバスの作成を実施した。

ワークショップのファシリテーションは僕が担当し、以下に注意しながら実施した。

  • 事業責任者の独壇場とならないように、全メンバーに均等の発言機会を与える
  • 情報の差異を埋めるように、前提条件を事細かに確認する
  • 議論を活発化させる為に、あえて反対意見を投げかけるようにする



チームが目指す方向が一つにまとまる

チーム全員でリーンキャンバス作成を行うことで、目指す方向を一つにまとめることができた。全員納得しており、実現することが顧客セグメントの課題を解決できことから社会的意義があり、実現できると思えている状態に引き上げることができた。

ワークショップの振り返りとして、以下の良い点が見つかった。

  • チーム全員で1からプロセスを踏んでいくことで、情報の格差がなくなった
  • 事業責任者の頭の中にしかなかったビジョンが表出し共有された
  • 共通の課題を設定した上で、提供価値やソリューションを議論する為、論点がずれにくかった
  • 顧客を具体化して進めることで個々人の秘めたる想いを引き出すことができた

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合わせてリーン・スタートアップも学ぶ

リーン・スタートアップとは

新しい製品やサービスを開発する際に、作り手の思い込みによって顧客にとって価値のないものを作ってしまうことに伴う、時間、労力、資源、情熱のムダをなくし、時代が求める製品・サービスを、より早く生みだし続けるための方法論。

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