
最近、僕を悩ませてやまないもの。
それは、会議のファシリテーションである。
月に1回ある20人程が参加する会議でのファシリテーターを任されているのですが、ここ数ヶ月間は、毎回のように上司から「お前のファシリテーションはなっていない。」との指摘をもらう。
いつか見返したいと思い、毎回改善を図るものの、上手くいかない。
今日は上手くいったのではないかと思っても、結局、同じような指摘をもらう。
・・・これは、社会人生活始まって以来の壁だ。
社会人2年目の頃に、担当していたプロジェクトを大炎上させてしまったことはあったが、上司が守ってくれたことと、直向きに問題解決に努め突破することができた。
その時よりもはるかに高く感じる壁。
ファシリテーションに関する知識を収集し、自身のスキルとし、行動を変えていかなければ、現状を打破できない。
ということで、ファシリテーションについて、調べた内容をまとめたいと思います。
目次
ファシリテーションとは
ファシリテーションとは、人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶように舵取りすること。
集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習など、あらゆる知的創造活動を支援し促進していく働きを意味します。
その役割を担う人がファシリテーターであり、会議で言えば進行役にあたります。
ファシリテーションの基礎知識
日本ファシリテーション協会のWebサイト(https://www.faj.or.jp/modules/contents/index.php?content_id=23)より基礎知識を引用し、ご紹介します。
ファシリテーターはプロセスに関わる
ファシリテーターは、チーム活動の二つのプロセスに関わっていきます。一つは、段取り、進行、プログラムといった、活動の目的を達成するための外面的なプロセスです。もう一つは、メンバー一人ひとりの頭や心の中にある内面的なプロセスです。具体的には、考え方や筋道などの思考的なプロセスや、感情の動きやメンバー同士の関係性などの心理的なプロセスです。チーム活動を円滑に進めるには外面的なプロセスが大切ですが、成果や満足感を左右するのは内面的なプロセスです。チーム活動の中では、メンバーの考え方の枠組みや様々な思いがぶつかりあって、感情も関係性も常に変化しています。変化するからこそ、新しい考えが生まれたり、対立している人と合意形成ができます。まさにこれこそがチーム活動のダイナミズムであり、ファシリテーターは両方のプロセスに関わることで、人と人の相互作用を促進しているのです。
ファシリテーターは、外面的なプロセス(段取りや進行など)と内面的なプロセス(考え方や思考、感情など)に関わり、人と人の相互作用を促進させる必要があるとのことだが、現状、僕は外面的なプロセスのみに関わっているように感じる。
会議の進行、段取りばかりに気を取られ、メンバーの考え方や思いのぶつかり合いをあえて発生させないようにしてしまっている。
この点が問題のような気がする。
相互作用を使って枠組みを打ち破る
チーム活動の成果の質を上げるには、精神論だけでは心もとなく、行動を変えなければいけません。そのためには、まずは考え方を変えることが求められます。ところが、これはまさに至難の業であり、そう簡単には固定化された思考の枠組みが打ち破れません。考え方を変えるには、大きく二つの方法があります。一つは、自分自身の心の中を深く省みる内省です。多くの場合、自分一人ではなかなか壁は砕けず、それを手助けしてくれるのがコーチやカウンセラーです。もう一つは、相互作用を使って自分の枠を打ち破る方法、すなわちファシリテーションです。他者とぶつかり合い、互いの違いを知ることで自分の壁を悟り、新しい自分を発見していくのです。もちろんどちらが一方的に優れているということはなく、単にアプローチが違うだけです。両者とも目指す姿は人と組織の活性化であり、課題や状況に応じて組み合わせて使うのが理想的でしょう。
やはりメンバー同士の相互作用、ぶつかり合いをなくして、既定の枠組みは打ち破れない問いうことでしょう。
ファシリテーションを行うファシリテーターが一方的に考え方・思いを押し付けてしまっては、メンバー同士のぶつかり合いはおろか、ファシリテーターの枠組みにとらわれてしまうことになるのでしょう。
ファシリテーションが人・組織・社会を変える
ファシリテーションの応用分野は、大きく「組織系」「社会系」「人間系」の三つに分かれます。組織系とは、チーム活動の中での問題解決や組織活性化などに用いられるファシリテーションです。ビジネス活動に一番なじみが深い分野であり、合理的な成果とスピードが何よりも求められます。社会系とは、まちづくり、コミュニティ、NPOなど、社会的な合意形成が必要となる場面で用いられます。共通の目標や課題を発見することが成果であり、納得感を高めるために、そこにいたるプロセスが重要となります。企業でいえば労働組合やCSR活動などで用いられます。最後に人間系ですが、人間教育、社会教育、学校教育、国際教育など広範囲の分野を含むファシリテーション発祥の地です。ファシリテーターは内面的なプロセスに関わり、様々な学習のお手伝いをします。企業では、参加型研修やキャリアデザインなどに用いられています。
「組織系」のファシリテーションを有効活用し、問題解決を推進していくことが求められている。
ファシリテーションの四つのスキル
ファシリテーターに求められるスキルは広範囲に及び、活用分野によっても変わってきます。分かりやすいよう、一般的な話し合いでのファシリテーションを念頭に紹介します。
1. 場のデザインのスキル ~場をつくり、つなげる~
何を目的にして、誰を集めて、どういうやり方で議論していくのか、相互作用がおこる場づくりからファシリテーションは始まります。単に人が集まればチームになるのではありません。目標の共有から、協働意欲の醸成まで、チームづくりの成否がその後の活動を左右します。中でも大切なのが活動のプロセス設計です。問題解決プロセスをはじめ、基本となるパターンをベースに、活動の目的とチームの状態に応じて一つひとつ段取りを組み立てていかなければなりません。
相互作用が起こる場づくり。
目標の共有をし、合意した上で、協働意欲を醸成し、チームとして機能する状態を作らなければならない。
チームづくりの成否がその後の活用ど左右するほどのものにも関わらず、単に人数が集まっただけの集団として活動していては、うまくいくはずがなかったと思う。
2. 対人関係のスキル ~受け止め、引き出す~
活動がスタートすれば、自由に思いを語り合い、あらゆる仮説を引き出しながら、チーム意識と相互理解を深めていきます。問題解決でいえば、発散のステップです。ファシリテーターは、しっかりとメッセージを受け止め、そこにこめられた意味や思いを引っ張り出していかなければなりません。具体的には、傾聴、復唱、質問、主張、非言語メッセージの解読など、コミュニケーション系(右脳系・EQ系)のスキルが求められます。
自由に思いを語り合うと言うことが、圧倒的に足りていない。
思い描いたストーリーに近づけようとしてしまい、意識していないが、自由な思いを排除してしまっていたのだと反省する。
ファシリテーターとして、しっかりとメッセージを受け止め、そこに込められた意味や思いを引っ張り出していこうと思う。
3. 構造化のスキル ~かみ合わせ、整理する~
発散が終れば収束です。論理的にもしっかりと議論をかみあわせながら、議論の全体像を整理して、論点を絞り込んでいきます。図解を使いながら、議論を分かりやすい形にまとめていくのが一般的です。今度はロジカルシンキングをはじめとする、思考系(左脳系・IQ系)のスキルが求められます。加えて、図解ツールをできるだけ多く頭に入れておいて、議論に応じて自在に使い分けられなければいけません。
発散した後の収束は非常に難しいと感じており、怖く感じているからこそ、予め自分のストーリー、枠にはめようとしてしまうのかもしれない。
図解を活用するという考えもなかった為、知識として蓄えておく必要がある。
4. 合意形成のスキル ~まとめて、分かち合う~
議論がある程度煮詰まってきたなら、創造的なコンセンサスに向けて意見をまとめていきます。問題解決でいえば、意思決定のステップです。多くの場合には、ここで様々な対立が生まれ、簡単には意見がまとまりません。対立解消のスキルが求められ、ファシリテーターの力量が最も問われるところです。ひとたび合意ができれば、活動を振り返って個人や組織の学びを確認し、次に向けての糧としていきます。
合意形成、意思決定を行う上での対立も恐れているのかもしれない。
対立が発生した場合に、どのように対立解消するのかのイメージを描けていない。
対立解消のスキルを向上させることが求められる。
その他参考になりそうなファシリテーション技術
いくつかファシリテーションに関する記事を見ていると、面白いファシリテーション技術があった。
公式の会議ではなかなか活用できないが、ラフなMTGではぜひ活用してみたいと思った。
明確な役割分担をする
自由に発言してもいいとなると、案外何を言えばいいのかわからなくなるもの。
そんな時「ポジティブなことを言ってみて」「ネガティブなことを言ってみて」という感じで条件を付けると途端に言いやすくなります。
今回の勉強会では以下のような役割を事前に作り、その場で参加者を各役割に割り振っていきました。
- 司会
- 超ポジティブ
- 大好き
- 興味ない
- 裏回し
- 大嫌い
- 超ネガティブ
「司会」はお題を確認し、参加者に話題をふり、タイムキープも行い、話をまとめる総合的な進行を担う人。
「超ポジティブ」「大好き」「興味ない」「大嫌い」「超ネガティブ」は、それぞれお題に対してその視点からの意見のみを言う人。
「裏回し」という聞きなれない役がありますが、例えるならバラエティ番組のガヤ芸人。突然新しい話題を出してみたり、誰かの発言に勢い良くノッたりツッコんだり。場が止まらないように盛り上げるという非常に難しい役回りです。
具体的な進行のイメージとしては以下のような感じ
- 「司会」が目的地を定めて進路を確保し
- 「裏回し」が船を止めないように帆を張り
- その場の中で各自の役割に合わせて意見をぶつける
今回はこれを参加者で持ち回り制にし、何回かブレストの練習をしました。
さすがに数回やっただけではうまくまとめるところまでは行かなかったんですが、アイデア自体は最初に役割を決めずにやったときの3倍は出ていたはず。それだけでも効果を実感。
「司会」と「裏回し」の役がそのままファシリテーションに繋がるため、ブレストの練習にもなるしファシリの練習にもなるという、なんとも効果的な練習でした。
「もしも●●だったら?」強制アイデア絞り出しメソッド
いくら役回りを意識したところで、アイデア出しに詰まる場面はあるもの。そんなときに有効なのが、「もしも●●だったら」と自分を誰かに見立てて考える方法。通称「もしもシリーズ」です。
「もしも織田信長だったら」「もしもスティーブ・ジョブズだったら」というように著名な人物でもいいし、「もしも取引先の社長だったら」「もしもクライアントだったら」など身近で具体的な人物でもOK。
著名人など特徴的な人物をイメージすると、いかにもそれっぽいアイデアが出てきて、それにより場が和むという効果も期待でき、逆にクライアントなど身近な人物をイメージすると、より鋭く突っ込んだアイデアが生まれます。
余裕があればそれぞれのパターンで試したいところですが、大事なのは違う視点を取り入れることで場に変化を与えるということ。一つでも二つでも、是非試してみてください。
引用:https://web-d.navigater.info/cat1/facilitation-method.html
最後に
ファシリテーターの役割やとるべき態度、そもそもファシリテーションとは何か、という点について、すべて分かっていなかった。
今回、ファシリテーションについて調べてみて、最も重要だと思ったことは、メンバー(会議参加者)に自由に考えや意見、思いを発信してもらうことである。
上述した通り、僕は、自分(達)が予め作ったストーリー、枠にはめようとコントロールすることに躍起になっていたが、そもそも間違っていた。
この点に気づけただけでも大きな収穫であると言えるであろう。
この気づきを行動に移し、壁をぶち破っていこう。
以上です。
ではまた。